2024年「表」カメラニュースランキング
今年も当サイトをご覧いただきありがとうございます。今年も、当サイトが勝手にランキングを決定する毎年恒例の2024年の年間カメラニュースTOP10を発表していきたいと思います。今年は、良いニュースと悪いニュースをそれぞれ取り上げてみたいと思います。良いニュースを「表ランキング」、悪いニュースを「裏ランキング」として、今年のTOP10のランキング形式でお伝えしていきます。
今回のランキングは「表」カメラニュースTOP10の6位から4位までを発表します。
「表」6位 サードパーティ製RFマウントレンズついに発売
発売が待たれていたサードパティーレンズメーカ、特にシグマ、タムロンのRFマウントレンズがついに発売されました。フルサイズ用ではなくAPS-C用ではありますが、EOS R50などの購入を検討していた人にとっては朗報になったのではないかと思いますね。
RFマウントレンズについては、マニュアルフォーカスレンズはありましたが、オートフォーカスレンズに関してはキヤノンが発売の取りやめを「お願い」していたという話があり、キヤノンとの契約がなければオートフォーカスレンズは発売できない可能性が噂されていました。
RFマウントレンズの発売にキヤノンの許可が実際に必要なのかどうかは現在でも不明で、シグマやタムロンはライセンス契約のもとに発売していると明記していますが、その他のレンズメーカに関してはそのような記述がありません。勝手に発売しているのかどうかは現時点でも不明です。
フルサイズ用レンズの発売も期待されるところですが、キヤノンは廉価なフルサイズレンズを発売しようとしているという噂もあり、現時点ではまだ不透明です。
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「表」5位 部分積層型センサー
今年発表されたセンサーで驚いたのは、なんと言ってもNikon Z6IIIの部分積層型センサーではないでしょうか?すべての画素を積層化するのではなく、読出し回路を部分的に積層化することで読出し速度を速めるという技術ですが、センサーが部分積層型ということが明らかになったときに、どのようなセンサーなのか非常に注目を集めました。
ニコンの説明によれば、撮像部の上下に高速処理回路を積層配置しているということで、これによりNikon Z6IIの約3.5倍の速度を実現したとしています。
撮像部の上下に高速処理回路を積層配置した部分積層型CMOSセンサー。読み出し速度がZ6IIの約3.5倍※2と非常に速く、最大約120コマ/秒※3の静止画撮影や、フルHD 240pの動画撮影、さらに6K 60pのN-RAW動画のカメラ内記録なども可能です。また、すべての撮影モードでローリングシャッター歪みを抑えた撮影が可能。さらに、EVFのリフレッシュレートも最大120fpsまで向上しており、約20コマ/秒の高速連続撮影(拡張)時にも表示とびを最小限に抑えた、リフレッシュレート60fpsの滑らかなファインダー像(電子シャッター時)で被写体の動きを追うことができます。しかもAFは、EXPEED 7との連携によるZ6IIよりも約20%速い※4合焦速度を実現。動きの速い動物の撮影でもシネマティックな動画撮影でも、かつてないほどの創造力を発揮できます。
このことから、おそらく赤色の部分が積層化された部分なのだと思いますね。
すべてを積層化すると非常に高価になってしまいますが、この赤色の部分だけであれば比較的低価格でイメージセンサーの高速化を実現できるということのようです。
それでもNikon Z6IIIはかなり高価なカメラになってしまったわけですが、今後は同じセンサーを使い続けたり、他のセンサーに同様の技術を応用することで、少しずつ低価格になり、他のカメラへの搭載にも期待ができるのかもしれませんね。
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「表」4位 積層型の隆盛とグローバルシャッター
2024年1月にソニーからα9 IIIが発売され、これまで長らく都市伝説とも言われていたグローバルシャッターセンサーのカメラが登場しました。技術は以前からありましたが、ミラーレスカメラとして発売されたのは世界初となるようです。
グローバルシャッターのカメラが発売されたことで話題になりましたが、同時に積層型や部分積層型のセンサーが他のカメラのハイエンドモデルにも多く採用されるようになり、積層型センサーのカメラが一般的になってきています。部分積層型ではありますがミドルクラスに該当するNikon Z6IIIにも搭載され、EOS R5 Mark IIにも積層型センサーが搭載されています。
一方でグローバルシャッターと積層型センサーには画質の劣化というトレードオフがあるということも、一般的に定着するようになりました。グローバルシャッターセンサーについては、グローバルシャッターをフォトダイオードを並列に並べることで実現しており、そのため画素面積が減少したり、回路が複雑になることでノイズが入るようになり画質が劣化するなどと言われています。
グローバルシャッターを実現するためには、すべての行で同時に露光を開始し、停止する必要がある。これは、行が読み出されるまで画素の電荷をどこかに保存しておく必要があることを意味している。これがどのように行われるかを図2で示している。別のフォトダイオード(光には露光しない)が回路に追加され、図ではSDとラベル付けされている。また別のスイッチ(SG)も追加される。これで露光が終了するとSGを閉じて電荷をSDに転送することができ、そこで画素が読み出されるまで保存される。
欠点は集光に関与しない追加のフォトダイオードがメインフォトダイオードの電荷の容量を制限することだ。これはセンサーが収集できる最大露光を減少させ、従ってベースISOを増やす効果となる。α9 IIIの最低ISOは250でこれは古いα9 IIやベースISO 100のAPS-Cカメラが扱える光よりも少ないことを意味している。さらに画素内の追加の回路は、ハイエンドカメラの標準になっているデュアルゲイン機能のための回路を内蔵することを妨げる。この機能は低ISOと高ISOの設定の両方で電子の読み取りノイズを最小限に抑えるための二つの補完的な画素読み出し回路を提供している。
α9 IIIのような専門的なスポーツ・アクションカメラの撮影では、これは大きな問題ではない。なぜならカメラは主に高ISOで使用される可能性が高いからだ。より一般的な使用目的の静止画向けカメラでは問題になるかもしれない。
価格が高く、画質がやや悪いということで、まだまだすべてのカメラに搭載されるセンサーにはならないと思いますが、かつてノイズが多いと言われていたCMOSセンサーがその画質を克服して現在のように成長していますので、グローバルシャッター、積層型センサーも技術の向上により、いずれはかなりエントリーに近いカメラにまで搭載されるときが来るのかもしれません。
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次回は2024年「裏」カメラニュースランキング
さて、ここまで「表」のランキングTOP10を6位から4位まで見てきました。あー、こんな記事があったよね、と思われた方もいるのではないでしょうか?皆さんが興味深いと思った記事があったら教えていただけると嬉しいです。
次回は「裏」のランキングのTOP3から1位までの発表となります。それでは、ご覧いただきありがとうございました。
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(後々のランキング記事で触れられるかもしれませんが)個人的にも色々言われていたソニー・キヤノンのフラグシップ機に搭載されたのが通常の積層型センサーであったことは非常に興味深いものでした。