35mm f/1.4の発売で見えてきたニコンのレンズ戦略
35mm f/1.4レンズの発売で、ニコンは今後どのようなレンズを発売していく可能性が見えてくるのでしょうか?ニコンのレンズ戦略について見ていきます。
35mm f/1.4は、いくつかの点において興味深い。例えば、光学設計はZマウント専用設計で、最も大きなレンズ部材が奥深く、イメージセンサーに非常に近い位置にある。
しかし、より大きなポイントは、ニコン自体がレンズをどのように位置づけしているのかということだ。彼らのカタログは以下のようになっている。
- S-Line単焦点 フルサイズ14本
- S-Lineズーム フルサイズ7本
- S-Line特殊 フルサイズ1本 S-Line合計22本
- 非S-Line単焦点 フルサイズ4本、APS-C1本
- 非S-Lineズーム フルサイズ7本、APS-C4本
- 非S-Line特殊 フルサイズ1本 非S-Line合計17本
発表されたばかりの35mm f/1.4は物理的に小さい26mm f/2.8、28mm f/2.8、40mm f/2、DX 24mm f/1.7のシリーズとともに非S-Lineの単焦点レンズに該当する。
S-Lineのレンズは明らかにプロフェッショナル向けだ。ニコンの経営陣がハイアマチュアからプロフェッショナル向けのラインナップについて話し続けていることを考えると、S-Lineのレンズはそのプロフェッショナル向けであると言えるかもしれない。一方で、非S-Lineレンズはハイアマチュア向けである。
レンズのバランスに注目してほしい。
- S-Lineも非S-Lineもどちらも優勢ではない
- S-Lineは現在フルサイズのみで、APS-Cは非S-Lineのみ
- S-Lineには単焦点レンズが多く、非S-Lineにはズームレンズが多い
特に新しいロードマップがもうなくなったことを考えると、これらすべては将来について何を指し示しているのだろうか?
まあ、最後のロードマップで未完成のまま残されたものは、別のS-Lineの35mmで、その位置を考えるとおそらくf/1.2だ。35mm f/1.4は非S-Lineの単焦点レンズが必ずしもマフィンレンズやパンケーキレンズではないことを示しており、これにより他の可能性が見えてくる。またニコンが最終的に手に入れると言っていた別のNoctはまだない。最後にユニークなFマウントレンズが閉ざされている今、Zマウントにすぐに登場しない限り、ニコンにはティルトシフトレンズのない状態になる可能性が高い。
ニコンがZマウントの初期(6年間)で行ったバランス感覚を考えると、次の登場するのはS-Lineか非S-Line、単焦点、ズーム、または特殊用途になる可能性がある、ニコンはこれらのカテゴリを駆け回って、愛好家とプロフェッショナルの両方にとってより完全なラインナップを少しずつ充実させていくと思う。
記事では35mm f/1.4レンズの発売で、今後のレンズ戦略に様々な可能性がでてきたとしています。最後まで読むと最後の部分でずっこけるわけですが、それが次に発表されるレンズの可能性について、S-Line、または非S-Line、または単焦点、またはズーム、または特殊用途(魚眼やシフトレンズ)と指摘しているところです。そんなのどれかに当てはまるわけだから当然じゃんと思うわけですが、それはレンズのカテゴリにこだわらず、あちこちを少しずつ充実させていくということを強調したい言い方なのだと思います。
35mm f/1.4レンズが発表されたとき、大口径でありながら廉価で、S-Lineではなかったことに驚いた人も多かっただろうと思います。これらのことから、S-Lineのf/1.8シリーズ、S-Lineのf/1.2シリーズとは別に、非S-Lineのf/1.4レンズシリーズが拡充される可能性が高まってきたように思えます。
そうなると24mm f/1.4、50mm f/1.4、85mm f/1.4などの廉価で大口径な非S-Lineのレンズも将来的には期待できるのかもしれません。S-Lineのf/1.8には画質の面では敵わないにしても、趣味で撮影をしている人や、ファミリー層としては必要で十分、しかも大口径で喜ばれると思いますね。
皆さんはどう思いますか?
さらに「Nikon Z 6IIIの部分積層型センサーはニコンの設計/開発と判明」では部分積層型センサーがニコン開発である可能性について詳しくお伝えします。
型式 | ニコン Z マウント |
---|---|
焦点距離 | 35mm |
最大口径比 | 1:1.4 |
レンズ構成 | 9群11枚(非球面レンズ2枚) |
画角 | 63°(撮像範囲 フルサイズ/FXフォーマット) 44°(撮像範囲 APS-Cサイズ/DXフォーマット) |
ピント合わせ | マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 0.27m |
最大撮影倍率 | 0.18倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 62mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約74.5mm(最大径)×86.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約415g |
MTF曲線
レンズ構成図
(記事元)Z SYSTEM USER
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コメント
コメント一覧 (4件)
富士フィルムの名玉、XF35mmF1.4 Rのような写りでしょうか。F値開放ではフワフワした柔らかさで絞ると突然シャープとなる、所謂オールドレンズのような写り。それはそれで味があって良いのですが。
最近のレンズは開放からMTF曲線が上に貼り付いているのが評価されるので。
ちょっと路線から外れたレンズも面白いかもしれませんね。
Z 35mm f/1.8 S よりも明るいのが面白いですね。
Nikon はロードマップはもう更新しないらしいですが、従来はロードマップにないレンズが突然登場するとOEMだったりしたのですが、これはどうなんでしょう。
MTFについては開放のときのグラフしか出ていないので、開放は柔らかく、絞るとシャープで均一になるのはありそうですね。
ニコンの実写のサンプル画像を見る限り良い写りですね。
編集されているのか濁りのない写りで実用的にはこれで
十分な気もします。
MTF曲線についてはニコンは理論値なので実写では0.1近く
落ちます。
実写に近い数値を出しているのはキヤノン、シグマのみです。
(シグマはキヤノンと同じ基準で出していたがユーザーから
MTF曲線が悪いと言われ両方出すようにしたとのこと)
MTF曲線はコントラスト比を出しているだけなので解像度とは
関係ありません。(産業用のレンズメーカーの資料より)
また基準が各社異なるので他社との比較も出来ません。
以上、参考まで
開放値の暗いレンズほど、波動光学的MTFと幾何光学的MTFの差が大きくなるわけですが、シグマの商品紹介ページで確認すると開放値の明るい35mm/F1.4ではその差は僅かですね。