GFX100RFにボディ内手ぶれ補正が搭載されない理由
GFX100RFにボディ内手ぶれ補正が搭載されないことで失望している人もいるようですが、搭載されない理由があったことがわかりました。この記事で詳しくお伝えします。
富士フイルムのGFX100RFに対する最大の批判の一つは、特に1億画素の中判センサーを搭載していることを考えると、ボディ内手ぶれ補正が搭載されていないことだ。なぜGFX100RFにはボディ内手ぶれ補正がないのだろうか?
富士フイルムの日本のプロダクトマネージャに会ったときに聞いたのはこの点だった。するとこの画像を見せられた。グラフを見てみよう。
グラフの重要な線は黒い対角線だ。このグラフでは、例えば250mmレンズでシャープな画像を撮影するためには、約1/250秒で撮影する必要があることが示されている。最上部の赤いラインの上部には、光学式手振れ補正が必要な望遠レンズがある。左側の紫色の部分は三脚が必要な範囲だ。黄色の部分はボディ内手ぶれ補正が最も効果的に機能する範囲を示している。右側にはボディ内手ぶれ補正が不要で、手持ちで撮影してもシャープな画像が得られる範囲が示されており、その範囲には35mm f/4がマークされている。
従って、このチャートを見た限りでは、1/40秒以上で撮影するときには、ボディ内手ぶれ補正はあまり役立たないと言えるだろう。現実的にはもう少し効果を引き出せるかもしれない。ドイツで共有されたテストサンプルでは1/20秒でもまだシャープに見える。従って、個人的には1/30秒まで自信を持って撮影することができると思う。
またリーフシャッターはメカシャッターよりも振動が少なくなるため、よりシャープな画像を撮影するのに役立つ。
動画で議論されたボディ内手ぶれ補正に関するもう一つの情報。ボディ内手ぶれ補正を搭載するとカメラが大きくなるのが、それほど大きくはならないようだ。ボディサイズの増加は富士フイルムにとってはまだ許容範囲だったようだ。問題はレンズで、センサー全体とボディ内手ぶれ補正によってセンサーが動く範囲をカバーするためには、レンズがかなり大きくなっただろう。
手持ちでも十分に撮影が可能と判断
富士フイルムのGFX100RFにボディ内手ぶれ補正が搭載されていない理由が判明したかもしれません。記事では、動画を引用したうえで、なぜGFX100RFにボディ内手ぶれ補正が搭載されていないのか説明しています。
上記のグラフは非常に分かりやすいですね。X軸がシャッター速度になっていて、縦軸がレンズの焦点距離になっていることがわかります。なお、焦点距離についてはGFX100RFに取り付けるレンズの焦点距離で35mm換算ではないことに注意が必要かもしれません。
まずは分かりやすいところでは、GFX100RFに250mm以上のレンズを取り付けた場合、これはレンズ内手振れ補正が必要になることが示されています。
紫色の領域は三脚が必要となる領域で、30mmレンズの場合には、おおむね1/4秒より長く、250mmレンズの場合には、1/30秒より長いシャッター速度で撮影しようとする場合には三脚が必要であることがわかります。
また水色の手持ち撮影が可能となる領域については、30mmレンズの場合はおおむね1/60秒より短いシャッター速度、、250mmレンズの場合には、1/250秒より短いシャッター速度で撮影しなければならないことが示されています。
そして、GFX100RFの35mm f/4というレンズは、この手持ちの領域に入っており、概ね1/30秒以上のシャッター速度で撮影すれば問題ないということが示されています。
このため、GFX100RFにはボディ内手ぶれ補正が不必要なため設定されていないということになりそうです。またボディ内手ぶれ補正を有効にする場合、センサーが稼働するためその分イメージサークルも大きいレンズとして設計しなければならず、レンズの小型化のためにもボディ内手ぶれ補正は搭載できなかったことが示唆されています。これはレンズ内手振れ補正を設定した場合でも同様に多少はレンズが大きくなるでしょうから、レンズをできるだけ小さくするという意味で、いずれの手振れ補正機能も搭載されていないと考えることができるようですね。
ただ、長秒撮影をしたい場合には、どうしても手持ちでは難しくなるので三脚が必要になってしまうようですね。このあたりはそもそもスナップ撮影目的メインで使用されるカメラであることを考えると、手振れ補正機能がないのは仕方がないのかもしれません。ただ、別のレビューでもありましたが、ユーザが中判センサーにカメラの小ささを求めるのかといったことはあるのかもしれません。
GFX100RFは現在予約が受付中ですが、抽選販売になっており、あらかじめかなりの人気を見込んでいるか、供給数がかなり少なく設定されている可能性がありそうです。入手は難しそうですね。
さらに「富士フイルムX-Proシリーズの存続を明言 “ユーザを満足させるカメラにする”」ではX-Proシリーズの最新機種について詳しくお伝えします。
センサーサイズ | 43.8mm×32.9mm GFX 102MP CMOS IIセンサー |
画素数 | 約1億200万画素 |
レンズ | f=35mm(35mm判換算:約28mm相当) F4 |
イメージプロセッサ | X-Processor 5 |
手ぶれ補正 | - |
高速連続撮影 メカシャッター | 約6.0コマ/秒 |
動画撮影 | DCI 4K 30p |
シャッター速度 メカシャッター | 60分〜1/4000秒 |
標準ISO | ISO80~12800 (1/3ステップ) |
フォーカスポイント | 13×9 / 25×17のエリア選択 |
EVF | 0.5型 約576万ドット有機EL |
背面液晶 | 3.15型 約210万ドット タッチパネルチルト式 |
メモリカードスロット | SDメモリカードスロット×2 |
サイズ | 133.5×90.4×76.5mm |
重量 | 約735g(バッテリー、カード含む) |
(source)FujiRumors
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コメント
コメント一覧 (3件)
センサーがおおきいですし、レンズ固定式ならセンサーシフト式の手ブレ補正にする必要はないですね。
レンズ側の手ブレ補正があれば2~3段くらいは効くと思うので、なにもないよりはだいぶましだと思いますが.、レンズも広角の単焦点レンズなのでトータルの大きさを考慮して手ブレ補正自体いらないと判断したのでしょうね。
本当にそう思います。クロップで62mm相当にもなりますので手ブレ補正は必要でしょう。
小さなボディで大きな中判センサーを動かすのは大変かもしれませんが、補正レンズを動かすのは今までの技術でできる話と思います。
手ぶれはSSを1/焦点距離より遅くすると起きやすい、が根拠と思いますが、低画素どころか銀塩時代からの経験則(銀塩の相当画素数にも色々議論があるようですが)が35mm判で62MP相当の画素ピッチに対して通じるのかは疑問です。ほぼ同画素のfpLでは手ぶれが目立つという話を見ますし。
まぁAPS-Cで31MP、m4/3で20MP、と考えると通用する気もしてきますが。