Nikon Z9IIのフォーカスは強化する必要がある
要約
現在の各社の被写体認識システムは、基本的に機械学習によって構築されている。これは狭義のAIとも言えるもので、既知の条件や状況でテストと調整を行い、それらをカバーするモデルをカメラに組み込むというものだ。
Nikon Z9世代の被写体認識には問題を感じている。多くの被写体や状況が認識されないからだ。ニコンは多少の調整を加えてきたが(例えば鳥モードの追加)、私の判断では完全とは言えない。現在のシステムは、ある種の鳥を、ある時だけ認識する。
イベント撮影では、現時点で最も優れたフォーカスモデルが使われていると思う。人間は多様な状況で肌の色(メイクを含む)、衣装、向きなどに関係なく、よく認識される。ただし、複数の被写体がいるとどれを選ぶかで迷うことがあり、次の認識された被写体にジャンプするボタンがあるのはそのためだ。
スポーツや野生動物の話になると、状況は変わる。
ニコンはNikon Z9発売初期にスポーツ撮影ガイドを公開していた。そこに掲載されているスポーツは、サッカー、スケート、スキージャンプ、ホッケー、体操、陸上、水泳、卓球、スケートボードなどだ。東京オリンピックでのテストを考えれば、日本でテストしやすい競技ばかりだ。アメリカンフットボール、野球、バスケットボールなどが明らかに欠けている。さらに、ニコンの推奨設定には納得できない点があり、Nikon Z9のスポーツ向けのフォーカスの学習は不完全だったと感じている。ヘルメットも認識の妨げになることがある。
野生動物に関してはさらに厳しい。Nikon Z9世代の初期では、犬とほとんどの猫(すべてではない)にしか安定して対応できなかった。鳥は後から追加されたが、今でも苦手な種類だ。現在の学習優先事項は体を認識し、頭部を特定し、目を見つけることだが、それに沿ってもヒョウやチーターなどはうまくいかないことがある。斑点の模様が側面にあると、Nikon Z9世代のカメラは混乱するようだ。
Nikon Z9IIが必要かどうかを考えるとき、重要な要素としてフォーカスシステムの強化と調整がある。そして、ニコンが実際の環境下での野生動物撮影に対応したテスト環境を持っているのかどうかも不明だ。
フォーカスに関しては次の3つの可能性がある。
- 最小限:現行の被写体認識・追尾を高精度に再学習しただけ
- 控えめ:前回見落としたシナリオや被写体を追加学習し、最小限の改善を含む
- 最大限:新技術(新しいソース)を導入し、控えめ・最小限の改善を含む
新しいソースとは何か?それはキヤノン以外のユーザーが待ち望んでいるクロスセンサーだ。これこそがNikon D6をNikon D5よりもはるかに優れたものにし、私がこれまで見てきたカメラの中で(少なくとも中央付近では)最高のフォーカス性能を誇るカメラにしているのだ。
ニコンはNikon Z9からNikon Z9IIへの変更において、Nikon D5からNikon D6への進化を再現することができるだろうか?確かにそれを実現できる技術は存在している。さらに、それは世代を超えて受け継がれる技術となり、誰もが次のアップデートのサイクルを経験するきっかけとなるだろう。
再学習が必要か
Nikon Z9のオートフォーカスの被写体認識について、まだまだ足りないとZ SYSTEM USERが伝えています。
現在のNikon Z9世代のオートフォーカスシステムは、機械学習によって構築された被写体認識モデルが採用され、これは限定的なAI技術で、既知の条件や状況に基づいて調整され、カメラに組み込まれているとしています。Nikon Z9では、人、犬、猫などの被写体に対しては比較的高精度である一方で、野生動物や一部のスポーツでは認識が不完全になるケースがあると指摘しています。Nikon Z9世代という記述から、おそらくEXPEED 7を搭載したカメラ全般にこの状況が当てはまるものと思われますね。
また、ガイドブックに掲載されているスポーツごとの最適な設定について、日本にとってマイナースポーツや、日本では機械学習が難しいような分野のスポーツが登録されておらず、これは問題としています。
そのため、新しい技術を搭載したセンサーを導入し、さらなる被写体認識・被写体追尾のAIによる学習を行う必要があると指摘しています。新しい技術とはクロスセンサーで、クロスセンサーは縦方向と横方向の両方でピントを検出できる仕組みで、特に動きの激しい被写体や複雑な背景でも高精度なフォーカスが可能になるとされています。D6ではこのクロスセンサーが中央部に広く配置されていて、D5よりも格段にフォーカス性能が向上したという評価がそれを裏付けているようですね。
しかし、やはりEXPEED 7ではかなり限界が近いのではないかと思いますし、Nikon Z9は最も初期に開発されたEXPEED 7搭載機なので、例えばメモリ幅が少なかったり転送速度が遅かったりと、何かしらがボトルネックになっている可能性もありそうです。キヤノンやソニーがAI用のチップを搭載していることから、別の補助プロセッサを搭載しなければAF性能の飛躍的な機能向上は難しいと思うのですが、どこまで改善してくるのでしょうね?
さらにNikon Z9IIの発表日の可能性について「ニコン キャッシュバックキャンペーン本日から Nikon Z9対象で年内発表消滅か!?」にて詳しくお伝えします。
ニコン 情報まとめ 最新情報!
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現在噂されている新製品情報
ニコン
| カメラ | |
| Nikon Z9II | 2025年第4四半期 |
キヤノン
| カメラ | |
| EOS R6 Mark III | 2025年11月6日 |
| EOS R7 Mark II | 2026年 |
| 1億画素フルサイズカメラ | 2025年 |
| レトロデザインカメラ | 2025年 |
| PowerShot V3 | 2025年後半 |
| レンズ | |
| RF45mm F1.2 STM | 2025年11月6日 |
| RF20-50mm F4 PZ | 2025年11月下旬 |
| RF24-70 F2.8 L IS VCM(USM) | 2025年11月下旬 |
| RF300-600mm F5.6 L IS USM | 2025年11月下旬 |
| 見たことのないズームレンズ | 2025年年末頃 |
| RF-Sズーム 換算24-200mm一定絞り | 2025年 |
| RF-S単焦点 | 2025年 |
| RF400mm F2.8 L IS USM後継 | 2026年 |
| RF600mm F4 L IS USM後継 | 2026年 |
| RF14-28mm F2.8 L IS USM Z | 近い将来 |
| RF150-600mm F5.6 L IS USM | 計画中? |
| フルサイズAFレンズをサードに解禁? | 2026年 |
ソニー
| カメラ | |
| 3台の認証を受けたカメラ | |
| α7 V | 2025年11~12月 |
| レンズ | |
| 100-400mm GM後継 | |
| FE 100mm F2.8 Macro GM | 2025年9月30日 |
パナソニック
| カメラ | |
| LUMIX LX100 III | 2025年10月17日 |
タムロン
| レンズ | |
| 25-200mm f/2.8-5.6 | 2025年秋 |


コメント
コメント一覧 (5件)
センサー据え置き だと クロスセンサーの可能性は低い
ソニーでさえもクロスセンサーは採用してないんだし
そもそもニコンはフラッグシップの発売は冬季五輪に合わせる感じでいいのでしょうか?
α1IIとR1は昨年の夏季五輪の年でしたがニコンも一眼レフ時代は夏季五輪に合わせて出すのが通例だったのがZ9は実質的に2022年の冬季五輪に合うカタチで。
ただし2020〜2021年はゴタゴタしていましたが、2020年にはD6が出ているので通例のままとして2024年にはフラッグシップを出しませんでした。
ミラーレスではZ8というミニZ9を2023年に出したり一眼レフ時代の例が当てはまらないことが出てきていますが、Z9IIがいつどのように出てくるのかキヤノンのR3IIも出てくるのか注目ですね。
クロス測距に関してはOM SYSTEMがOLYMPUS時代から実現してるのですが、他社がほとんどやってないところを見ると、OM SYSTEMのものは何か弱点がありそうだとは思ってます。
Nikonの特許で、縦方向のラインセンサーを構成する場合に横方向と比べて、読み取り時の時間差が大きいので、測距のときに限ってグローバルシャッター動作をさせるといったものがあったように記憶しています。
EOS R1の縦方向の測距センサーも画素密度が横方向の1/2になっていて、条件によっては縦方向のラインセンサーでの測距は動作しないようになっています。
クロス測距よりもやってほしいのは、被写体検出だけではなくて、測距自体にもAIを適用することです。
他社も含め、被写体を見つけて測距位置を指示するAIと、従来型のアルゴリズムのAIではないAFとの組み合わせで、中の人が2人いるような状態では、そろそろ限界が来ていると覆います。
一眼レフのクロス測距は EOS Kiss X6i から搭載されている
機能なのでミラーレスのクロスセンサーと混同しそうですね。
クロスセンサーは画像処理エンジンのパワーを必要とするので
キヤノンのようなクロスセンサーを実現するのはまだ先でしょう。
要は縦横別にスキャンし演算する必要あり。
まだ他社では実現出来てないようです。
クロスセンサーは被写体認識には用をなさないと思います。
それはまた別の話。
デュアルピクセルでないセンサーでクロス測距が可能になったとして、EXPEED8を載せてくるのでしょうか?
EXPEED7は、DIGIC XやBIONZ XRよりも後に登場したエンジンなので、デュアル化かAI補助チップ搭載で対応してくるのではないでしょうか。