Z50IIとZ5IIを埋める機種はあるのか?
ニコンがNikon Z5IIを正式に発表しました。蓋を開けてみれば、価格がNikon Zfよりも安いのにNikon Z5より大幅に性能が向上し、価格も近いことから実質的にNikon Z6IIの後継機のようなカメラになっています。そして残念ながらNikon Z5シリーズはエントリークラスとは言えないレベルまで押し上げられてしまいました。
そこで問題になるのは、ニコンはNikon Z5IIとNikon Z50IIの間を埋めるカメラを発売するのか、発売しないのか?ということです。Nikon Z5を併売すれば事実上、エントリークラスは残ることになるわけですが、次にNikon Z5の後継機種を発売するときに命名規則が問題になってしまいます。
そこで、この記事ではNikon Z5IIとNikon Z50IIの間の機種は発表されるのか考えてみたいと思います。
まずは、基本的なおさらいですが、このクラス付近のカメラの価格(初値)について見ていきましょう。
- Nikon Z50IIボディ 13万0680円(初値)
- Nikon Z5ボディ 16万4339円(初値)
- Nikon Z6IIボディ 24万1556円(初値)
- Nikon Z5IIボディ 25万8500円(直販価格、初値は23万円前後か?)
- EOS R7 17万8002円(参考価格、初値)
当然ですが、Nikon Z50IIとNikon Z5IIを埋めるとしたら、13万円以上、25万円以下の価格に設定されるはずです。そうするとEOS R7ぐらいの価格が、ちょうど隙間を埋める形で良いのかも知れません。それでは、どんなシナリオが考えられるのか見ていきましょう。
発売しない
考えられるケースの一つは発売しないという選択です。価格が高いほうが利益率が高いですし、今のカメラはどれも価格が高くなっているので、比較的にコスパが高いNikon Z5IIでフルサイズのエントリー需要を十分にくみ上げることができると考えれば、発売しないという選択肢は考えられるかもしれません。
できる限りNikon Z5を併売して終売
Nikon Z5も製品的には悪い製品ではないため、現在の価格を維持できるのであれば、廉価なフルサイズエントリー機としてずっと発売し続けるという選択肢はあるかもしれません。それこそ、ソニーがαシリーズで行っていたように、価格が下落するに任せれば、さらにお得なカメラとして、EOS RPのような存在になる可能性も考えられそうです。
Nikon Z4を発売する
新しく再設計された本来のNikon Z5の後継機種を新たな名称でリブランドし、低価格で発売するというシナリオも考えられそうです。この場合、EXPEED 7は搭載されるかもしれませんが、EVFも旧機種のものだったり、シングルメモリカードスロット、裏面照射型でないセンサーが搭載され差別化される可能性が考えられそうです。
動画向けNikon Z3を発売する
最近は動画撮影向けやEVFのない箱型のカメラが人気です。パナソニックやシグマも同様のカメラを発売していますので、ニコンも動画向けのフルサイズ箱型カメラを検討している可能性は考えられそうです。
ハイエンドAPS-C Nikon Z70を発売する
Nikon Z50IIとNikon Z5IIの間を埋めるのに、フルサイズにするかAPS-Cにするかというのは結構厄介な問題かもしれません。キヤノンはEOS R7を発売し、Nikon Z50IIよりも広角なカメラとして発売しています。また、Nikon D500のようなカメラの後継機種に期待する人も一定数いることから、20万円前後でハイエンドAPS-CのNikon Z70が発表されてもおかしくはないと思いますね。しかし、これまでAPS-Cのハイエンドについてはかなり消極的だったことを考えれば、ニコンからNikon Z50IIより上位のクラスのミラーレスカメラが登場する可能性は低いのかもしれません。
というわけで、様々な可能性について考えてみました。Z50IIとZ5IIの間は、もしZ5がすぐに終売するようなら、ぽっかり穴が空くことになるわけですが、どのようなカメラが登場するのでしょうか?または登場しないこともあるのでしょうか?皆さんはどう思いますか?
センサーサイズ | 35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー(フルサイズ/FXフォーマット) |
画素数 | 2450万画素 |
センサークリーニング | イメージセンサークリーニング |
イメージプロセッサ | EXPEED 7 |
手ぶれ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
手ぶれ補正効果 | 中央7.5段 |
高速連続撮影 | 高速連続撮影(拡張):約14コマ/秒 ハイスピードフレームキャプチャー+(C15):約15コマ/秒 ハイスピードフレームキャプチャー+(C30):約30コマ/秒 |
動画撮影 | 最大4K 60p |
シャッター速度 | 1/8000~30秒 |
ISO | 常用ISO 100~64000 |
フォーカスポイント | 273点(シングルポイントAF時)、299点(オートエリアAF時) |
EVF | 0.5型 Quad-VGA OLED、約369万ドット |
背面液晶 | バリアングル式/3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット |
メモリカードスロット | デュアルSDメモリーカードスロット |
サイズ | 約134×100.5×72mm |
重量 | 約700g バッテリーおよびメモリーカードを含む |
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コメント一覧 (10件)
イメージセンサーの新規開発は Z50II Z5II の価格帯のカメラにはコスト的に厳しいと思いますが
しかし Z50II のイメージセンサーを Z5II のボディに入れてボディ側手ブレ補正と14コマ連写のある DX 機 Z70 にするということは技術的には難なく出来ると思います。
ただし Z5II Z50II の初動の勢いを殺さない時期を待って
高額なボディに見合った DX レンズの準備が整ってからにはなるでしょう
Z50Ⅱを持っていますが、ローリングシャッターひずみが大きく、やはり古さを感じさせます。
このセンサーは、2016年登場のD500用センサーに像面位相差AFを追加したものですから、新たなセンサー設計も進めているでしょう。
APS-Cの上位機とSuper30の動画向け機が出るのは、時間の問題と思っています。
他に、ファインダーなしのフルサイズZ3も、可能性があるように思っています。
Z5が併売されるのであればZ70を、Z5が終売されるのであればZ3をと思いますね。
どちらも出たら品揃えが充実しますが。
Z5併売が一番可能性が高いように感じます。
Z6Ⅲベースの動画カメラが出るという噂があったのでフルサイズの箱型カメラ自体は出る可能性がありますが、それはFX3の様なものであってここで語られているエントリー(安価)モデルとしてではないでしょう。
APS-Cの上位機種については「Z CINEMA」を立ち上げたニコンがFX30の様なカメラを出したいと考えている可能性も否定できませんから、必然的に新規開発されるセンサーが流用されたZ60は登場するかもしれません。
それが現在APS-Cの上位機種を期待している層が望む仕様になるかは不明ですが。
Z3がα7CⅡの様なレンジファインダースタイルならかなり魅力的です。
Z5ⅡはZ5とセンサーは変わった
違うセンサーのカメラを作り続けるのはコストアップ要因だし、安いZ5を放置すると生産的にも価格的にもZ5Ⅱの足を引っ張る
足りないばっかり何だし
しかもZ5Ⅱはスペックと金額見ても人気機種になるのは間違いないのに、Z5をディスコンにしないで継続販売する意味がない
もう4年半以上経過し、プロセッサーにしても早く代替わりして、EXPEED7にしたほうがコストダウン出来る
Z50Ⅱの上のランクのAPSCが発売される可能性はある
それが必ずしもZ5Ⅱより安いかは分からないが
APSCの積層センサーならば、Z5Ⅱより高くなる可能性もあるから
個人的にもAPSCのフラッグシップモデルは出すべきだと思ってるし、出して欲しい
裏面照射でIBIS付きのカメラ
ソニーにはα6700あるんだし
フジにもその手のカメラは沢山あるんだから
さらにエントリー向けに振ったZ30の後継機が出るとしても、Z50ⅡとZ5Ⅱの間(価格的には20万弱)を埋める機種は新規で出る可能性は低いのではないでしょうか。
新規で製造ラインを構築する方がコストが嵩むものですし、それで出来上がる機種が旧機種パーツを流用していたりEVFレスであったとしてもZ5に匹敵するほどのコスパ機種にはならないと思います。
ボディ製造工場(ニコンタイランド)拡張の話も聞きませんし、以前ならともかく今のニコンはシネマ系に開発リソースを集中させたいでしょうから、完全に出来上がっている現状のラインナップをできる限り売り続けて終売する方針を取るのではないかと思います。
以前のようにカメラが売れた次期は過ぎ去ったので
機種を増やすかどうか難しい所ですね。
動画機を別途用意できればそれで十分かなと思います。
CXマウント機が復活すれば嬉しいのだが。
穴は埋めないor当面Z5併売になる気がしますね
重要なのは価格帯に穴を開けない事ではなく、どの客層を拾うのか、何処は捨てるのか、何処は拾うのか、取捨選択する事でしょう。例えば上位APS-Cを17万で出してもZ5の穴を埋めたとは言えないでしょう、値段は差が空きますが、客層を意識したラインナップとして見ればZ50Ⅱ〜Z5で連続性があるように捉える事も出来ます。
また、仮にZ4のような更に下を出すとなれば中古市場と競争する必要があります。ニコンなら中古のZ5はかなり安く、初心者なら必要十分な性能もありますから、機能を削ったZ4では高速AFくらいしか強みがないのに利益は渋い訳で、今のニコンの戦略に沿う商品にはならない気がします。
ミラーレス移行が一巡してエントリー層なら型落ちでも機能的に十分な機種がお安く買えてしまうので、エントリー層は中古市場に任せるのも戦略として一つアリな気がします。
Z5IIの発売によって恐らくZ5(とZ6II)は終売へ向かうと思われます。EXPEED6とフルサイズ表面センサーの機種はさすがにいつまでも生産できないでしょう。ニコンのフルサイズはZ5IIのスペックが最低ラインとして存在することになるので、ここから削るとなるとEVF部分を排除したZ30のフルサイズ版(Z3?)が考えられますが、まだ噂も何もない上、20万を切るのは少々難しいかなと。(ただし売り出し価格で20万をきれないだけで、時間経過とともに20万を切る機種になるかもしれませんが)
となれば10万円台後半はAPS-Cセンサーで無理しない範囲でありながら、無難かつEXPEED7で可能な限り性能を引き上げた「いつもの」カメラが出てくるという気がします。見た感じZ50IIボディには余裕がありそうなので、同じ筐体でセンサーを2600万画素、IBISを搭載したDX上位機種が出てきても良い気がしますね。この場合ニコンダイレクトで20万、マップやキタムラで18万円台といった感じでしょうか。もっともAPS-C上位機種に関してはニコンの開発力の余裕と向いている方向性によるとは思いますが。
Z5IIは今回もほぼ間違いなく5年サイクルでしょうから、少なくともこの機種を手に入れておけば長年使えるカメラになるでしょうね。