新型コロナ蔓延でカメラ市場縮小がさらに進む
BCNが緊急事態宣言下のミラーレス市場について報告しています。
全国の家電量販店やECショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、2021年1月のミラーレス一眼デジタルカメラの販売台数は、前年同月比61.1%と大きく後退した。12月の年末商戦は70.4%と大きく落ち込んだが、それをさらに下回る結果となった。例年であれば新生活商戦や春節のインバウンドで潤う市場だが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が長引いている影響で、身動きがとれずにいる。
BCN
記事によれば、BCNランキングによれば、2021年1月のミラーレス一眼の販売台数は前年同月比の61.1%となり、約40%ほど減少していることが明らかになったとしています。2020年12月は前年同月比で70.4%まで落ち込んでいたようですが、それよりもさらに落ち込んでしまっているという状況になっているようです。
さらに、メーカ別では富士フイルムが前年同月比で82.9%、ソニーが65.5%、キヤノンが62.9%となった一方で、オリンパスは前年同月比で38%しか売れていないということで、かなり落ち込みが顕著になっていることが明らかとなっています。
参考までにCIPAが発表しているレンズ交換式カメラの出荷台数に関するグラフを引用してみます(画像クリックで拡大します)。
BCNのランキングとCIPAの出荷数量とは完全な相関性はないですし、CIPAのランキングは一眼レフも含まれていることから、あくまで参考程度にという話になりますが、2020年1月は各社からミラーレスカメラが発売された影響があったからか2019年1月よりも若干出荷数量が落ち込んでいるという印象ですが、2021年はそこからさらに落ち込んでいる可能性が高くなっているといえそうです。
これでも2020年の1月と2月は、まだ新型コロナウィルスの影響がしっかりと反映されていない数値だと思います。2020年3月と比較して今年の3月がどの程度になるのか?というところが興味のあるところだと思います。
専門性の低いカメラの需要が低迷か
最近のカメラのランキングでは、王者のEOS Kiss Mが下位に沈み、ソニーのα6400や富士フイルムの製品が上位に入ってきている印象が強くあります。もちろんEOS Kiss M2が発売されたことで、シェアを食い合っているという可能性もあると思うのですが、どうやらここには新型コロナの蔓延によるミラーレス市場が縮小していることも原因と考えられそうです。
というのも、今回の新型コロナの影響でわかったことは、一般的な人は何かしらのイベントがあって、その撮影のために新しくカメラを購入するという人がかなり多かったということです。ということは、今回の2度目の緊急事態宣言で旅行や外出する機会が減った人にとってはカメラを購入する動機がなくなっていると考えることができるわけですよね。
そうすると、今この時期にカメラを購入している人はどんな人かというと、例えば仕事で必要なプロフェッショナルな人や、イベントがなくても普通に普段から撮影しているカメラを趣味としている人の割合が高いと思われます。
カメラを趣味としている人は趣味性の高いカメラを購入するでしょうから、それがランキングに反映されているのかな?と思います。そうすると富士フイルムのシェアがさほど落ち込んでいないこともよくわかりますし、売れているカメラが一般的な性能の廉価カメラが多いオリンパスの販売台数が劇的に落ち込んでいるのも理解できるところです。
だから尖ったカメラを作れとか、平均的なカメラを作るのは止めるべきだということにはならないと思います。平時であれば平均的なカメラのほうが選ばれる可能性が高く、そこらのほうが売れ筋になる可能性は高いと思いますが、いまみたいな状況ですと趣味性の高いカメラのほうが売れているのかな?という印象です。
もちろん完全に想像の域をでていないわけですが、少なくともカメラ市場は縮小していることは間違いなく、これはカメラメーカに大きな影響を与えそうで心配になりますね。
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コメント
コメント一覧 (1件)
デジカメの世界の総出荷台数がピークであった2010年比で1/14だそうで、
凄まじい落ち込み度合いです。1億2200万台が880万台に激減。
国内出荷数はわずか129万台。
14人買ってた内、今は1人しか買わなくなった。
トヨタの新車販売が世界で約1000万台、国内150万台。
このままのペースで行くと、1/20以下、年間500万台切るのは時間の問題。
かたやスマホが2010年に3億台から、2020年は12億台ですから約4倍。