キヤノンが撮影者の瞳を検出し、被写体を選択する特許を出願
CanonWatchがキヤノンのAFに関連する特許について報告しています。
キヤノンの特許出願US20210051265(USA)は、ミラーレスカメラに眼球制御によるフォーカスを実装する方法について説明している。
撮像装置は、撮像画像中の被写体を検出する。撮像装置は、さらに、ユーザの眼球画像に基づいてユーザを認識する。そして、撮像装置は、認識したユーザに関連付けられて記憶されている過去に撮像された被写体に関する情報に基づいて、検出された被写体領域の中から主被写体領域を選択する。
記事によれば、キヤノンが人間の瞳を検出して、被写体を選択するシステムと思われる特許を出願していることが明らかになっているようです。
最初にこの特許の記事を読んだときは、人間の瞳の動きを認識して、どの場所にフォーカスポイントを移動させるのか決定するような特許だと思っていたようですが、実際にはちょっと違うようです。英語なので全部の特許の文章をみる時間がなかったのですが、かいつまんで読んでみると、人間の瞳を認識して、個人を特定することを目的にした特許のように思えます。
たぶん特許的には、使用者の瞳から個人を特定し、カメラの使用状況や主に撮影する被写体などの情報をカメラに記憶しておき、次に撮影するときにはそれらの情報を利用して、どの被写体にフォーカスを当てればいいのかということを決定する特許だと思われます(間違っていたらすいません)。
ここからは想像になって申し訳ないのですが、たぶん過去に撮影したとき、どの被写体にフォーカスをあてて撮影していたのか?といったことをユーザ別(カメラの使用者別)の情報として記憶しておいて、次に撮影するときにユーザを認識して、過去のデータから、どの被写体にフォーカスを合わせて撮影していたのか?といったことを判別し、その被写体に優先的にフォーカスを合わせるというようなことをしているように読めますね。
もしカメラを使用している人が一人だけであれば、そのまま撮影する被写体の情報を蓄積していくだけでいいのだと思いますが、ユーザが複数いる場合には利用する人によってそのデータを使い分けなければならないので、そのユーザの判別を簡単にするために瞳認証を利用しているというようにみえます。
AI技術とイメージプロセッサの能力向上がカギになる?
ミラーレスになり、常に被写体をイメージセンサーに収めることができるようになりました。このことで、イメージセンサーが得ている画像の中から被写体を任意に選択して、そこにフォーカスを合わせるといったことが可能になっています。
その技術をもとにして実現しているのが瞳AFですね。ソニーが最初に搭載したこの技術ですが、これはミラーレスを早くから開発していたソニーだからこそ思い浮かんだ技術だと思いますし、そして実現できたのだと思います。
そこから被写体認識の技術は進化していき、鳥ですとか、猫や犬、またはモータースポーツで利用されるヘルメットなどを認識しフォーカスを当てることができるようにまでなっています。
最近では4k 60pなどの動画が全画素読み出しで撮影できることが当然となっています。それと同時にセンサーから得た画像をもとに被写体を判別することも必要になっているため、イメージプロセッサに求められる性能はかなり高性能なものになっていると思われます。メーカは、この問題を解決するためにイメージプロセッサを複数搭載するなどしてマルチ化し高性能化を実現しようとしていますが、いま現在ではまだイメージプロセッサの能力は足りていないような印象です。
今後はカメラに現在のスマホで採用されているような省電力で高性能なCPUが搭載され、カメラのPC化が進んだり、AIチップを搭載してより被写体の認識をしやすいようなシステムになっていくのではないのかな?とこの特許を読んでいて思いました。
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コメント
コメント一覧 (2件)
視線入力と瞳認証を組み合わせたと考えれば良さそうですね。
視線入力を搭載した EOS55 を今でも持っています。
今の技術であれば精度は格段に上がるだろうし、動きの速い物にも
瞬時にAFポイント移動が出来るでしょうね。
前景に障害物があってもAF出来そうです。
また盗難にあった場合使用者登録をしておけばカメラをロック可能に
出来そうですし、画像に暗号コードを埋め込み悪用できないようにも
出来るのではないでしょうか。
色々な応用が考えられますね。
視線入力AFはkiss などのエンドユーザー機に搭載したら売れそうですがね?