去年10月、延岡市の旭化成グループの工場で起きた火災で、内部にたまっていた酸性の液体の除去作業などが終わり、18日、警察などが現場検証を行いました。
今後、火元とみられる4階を調べることにしていますが、床が抜け落ちるなどしていて、捜査の難航も予想されます。去年10月20日に起きた、延岡市にある半導体集積回路の工場「旭化成マイクロシステム」の火災では、鎮火に丸4日近くかかったほか、火元とみられる4階部分では、塩化水素が溶けたとみられる酸性の液体がたまるなどして現場検証が行えずにいました。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20210118/5060008413.html
旭化成マイクロシステム工場火災の現場検証が始まる
NHKが旭化成マイクロシステム工場火災の現在について報告しています。画像は記事とは無関係の半導体ウエハの画像です。
A/DコンバータやD/Aコンバータなど、多くのLSIなどを製造する国内では有数の工場だった旭化成マイクロシステム延岡工場で火災が発生したのは去年の10月です。鎮火まで数日かかるなどの大規模な火災だったわけですが、その後、工場内の現場検証ができないままでいました。そして、それがようやく18日になって現場検証を開始したということがニュースからわかります。
なぜ現場検証が遅れていたのか?ということなのですが、これまでの報道ですと、火災による消防活動による放水などが影響したらしく、現場に酸性物質がたまっていたということで、これらの処理をしなければならず、検証までに時間が必要だったとみられていました。
また、このような向上には企業秘密が満載ですので、そのあたりの秘密保護のために様々な措置が必要で検証が遅くなっている可能性を指摘する意見も当サイトのコメントでありました(ありがとうございます)。
その後の報道によりますと、1階と3階に酸性の水がたまっていたということで、この排水作業を行う必要があったそうです。そして、その排水作業が進んで、3階以上へ入ることが可能になったため、いよいよ18日から4階の現場検証をしようという段取りだったようですが、その4階部分の床が消失していたりして、今後の現場検証はさらに難航することが予想されるそうです。
さらに、もっと悪いことに11月中に工場内でダイオキシン類が確認されたことが、1月18日に発表されました。どの程度の濃度かはわからないのですが、敷地周辺の大気や土壌の濃度は環境基準以下だとしています。しかし工場内では高い濃度が発生していた可能性もあり、これも現場検証の遅れに影響していた可能性はありそうですよね。
そして、11月中に発生していたことが確認されていたのであれば、11月中に発表すべきではなかったのかな?と思います。
カメラ業界にも影響が続く可能性も
この工場ではアナログ音声をデジタルに変換するようなA/Dコンバータや、その逆を行うD/Aコンバータなど音響機器に関するLSIを製造していたようです。デジカメも動画を撮影する機能があることから、音声をデジタル化するA/Dコンバータが必要で、カメラ業界にもこの工場の火災の影響がでているのでは?と指摘されています。
別の工場で製造すればいいのかもしれませんが、他の工場にお願いして製造してもらうまでには一定の時間がかかりますし、そしていまは世界的な半導体不足の状況になっていて、すぐにどこかにお願いするというのはできない状況になっています。
なので影響を受けている企業は、簡単に代替の製品を他社に製造してもらうということは、今はなかなか難しい状況にあるのかもしれないのでちょっと心配になりますよね。
新型コロナウィルスの影響で市場が低迷しているなか、半導体不足で製品が作れないという泣きっ面に蜂という状況になっている可能性もあり、本当に心配です。
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