米国が中国への半導体製造装置販売禁止を求める
米国が中国への半導体製造装置の販売禁止を、日本にも求めている可能性があるという記事が公開されています。どういうことなのでしょうか?
それでは記事の内容をみてみます。
複数の関係者によると、米政府はDUV技術の中で最も高度な液浸リソグラフィー機器の販売を禁止させることに注力している。
米当局者は日本に対しても、中国半導体メーカーへの同様の技術の出荷をやめさせるよう圧力をかけようとしている。関係者1人が明らかにした。この分野ではニコンがASMLと競合している。
液浸リソグラフィーは「ArF液浸(ArFi)」とも呼ばれる。中国のファウンダー・セキュリティーズによると、ASMLは2021年にArFi機器を81台販売。ニコンの販売台数は4台で、ASMLが95%の市場シェアを握る。
ニコンの広報担当者は、この件については情報を持っていないとコメントした。
Bloomberg
記事によれば、アメリカは旧式の半導体露光装置を販売しないようオランダ当局に働きかけているのだそうです。これは中国への制裁の一環であるとみられています。
この旧式の半導体露光装置は旧式とはいえ、汎用半導体の製造で今も使われている製品で、この半導体露光装置を製造しているのが、オランダのASMLと日本のニコンだとしています。そして、オランダ当局に圧力をかけているのは同様に、どうやら日本へも中国への露光装置の販売を止めるよう圧力をかけているのだとしています。
ニコンにとっては痛手の可能性
この分野について圧倒的なシェアを持っているのはASMLで95%、ニコンはわずか5%以内だとしています。なので、もし仮に完全に販売を取りやめた場合、不利益を被るのは圧倒的にASMLですが、ニコンも少なからず製品を販売していますので、経済的な不利益を被ることになりそうです。
中国は独裁国家で、しかも他国は中国の主権を侵害できないので、国内では特許違反や強引な技術移転などやりたい放題に行うことができてしまいます。なので、利益になるからといって安易に中国に最先端技術の製品を販売すると、その後にコピーされてしまい各国の半導体製造装置メーカが打撃を受けるばかりか、世界の半導体製造を中国が牛耳るといったことも可能になってしまいます。
このようなやり方を防ぐためには半導体製造装置を販売しないほうがいいという考えもあるわけですが、なかなか難しい状況にあるのだと思いますね。可能ならば、独裁国家を含まず政治的に安定している国家だけでサプライチェーンを構築するのが望ましいと思いますが、この場合の製造コストはかなり高いものになると思います。
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