キヤノン EOS R7/EOS R10 APS-Cレンズ2本正式発表
キヤノンがEOS R7、EOS R10とAPS-Cレンズ2本を正式発表しました。具体的な仕様は以下の商品ページからご覧ください。
・EOS R7製品ページ
・EOS R10製品ページ
・RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM製品ページ
・RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
製品仕様については、キヤノンのWebサイトや、他のカメラ関連サイトが詳しく取り上げていると思いますので、当サイトでは簡単に紹介するにとどめることにします。まず主な仕様や、価格、発売時期は以下の通りです。
■ EOS R7
・発売日 6月下旬
・価格 キヤノンオンラインショップでボディ単体が税込み19万7780円
・価格 18-150mmレンズキットが同24万6180円
・3250万画素
・7kオーバーサンプリングからの4k UHD動画
・メカシャッター時 AF/AE追従で最高15コマ/秒
・電子シャッター時 AF/AE追従で最高30コマ/秒(ローリングシャッター歪みあり)■ EOS R10
・発売日 7月下旬
・価格 キヤノンオンラインショップでボディ単体が税込み12万8480円
・価格 18-45mmレンズキットが同14万3880円
・価格 18-150mmレンズキットが同17万6880円
・2420万画素
・メカシャッター時 AF/AE追従で最高15コマ/秒
・電子シャッター時 最高23コマ/秒■ RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM
・発売日 6月下旬
・価格 キヤノンオンラインショップで税込み4万2500円
・手ぶれ補正 レンズ単体で4.0段分
・コントロールリング、ズームリング■ RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
・発売日 6月下旬
・価格 キャノンオンラインショップで税込み6万8500円
・手ぶれ補正 レンズ単体で4.5段分
・コントロールリング、ズームリング
両機種ともミドルクラスモデル扱い??
モデルの取り扱い
キヤノンのカメラ一覧ページをみてみると、どちらもミドルクラス扱いになっていることがわかります。これは、EOS RP、EOS 6D Mark II、EOS 90Dと同じ扱いです。EOS 7D Mark IIはAPS-Cフラッグシップモデルと明記されていましたし、仮にいまの一覧に入るとしたら、恐らくハイアマチュアモデルかプロフェッショナルモデルになると思うのですが、ミドルクラス扱いと考えるとEOS 7Dクラスのカメラではなく、やや格下のカメラになるのかもしれません。
ただし、キヤノンのEOS R7の特設サイトでは、機能比較としてEOS 7D Mark IIとの機能比較一覧表みたいなものもありますので、キヤノンとしてはEOS R7の後継がEOS R7という位置づけになっている可能性もありそうです。
EOS R10はEOS M6 Mark IIの後継?
EOS R10はEOS M6 Mark IIの後継機種のようなカメラになるのではないか?と言われていましたが、このあたりなかなか判断が難しそうです。
例えば、M6 Mark IIは画素数が3250万画素なのに対し、EOS R10は2420万画素です。そしてM6 Mark IIは連続撮影速度が最高14コマ/秒なのに対し、EOS R10は23コマ/秒とかなり向上していることになります。AFも進化していて、M6 Mark IIはデュアルピクセルCMOS AFですが、EOS R10はデュアルピクセルCMOS AF IIが搭載されています。なので、画素数は少なくなっていますが、その他でかなり進化しているようにも見えます。
価格的にはEOS M6 Mark II EF-M18-150 IS STM レンズキットは初値で約15万円で、EOS R10の18-150mmレンズキットの17万6800円よりも安いのですが、これはキヤノンのオンラインショップの価格で、小売店ではEOS M6 Mark IIの初値とたぶん同じぐらいの価格になりそうです。なので、EOS M6 Mark IIよりは性能的にはかなり向上しているように見えますし、ほぼ同じクラスのカメラと考えてもいいのかなと思います。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMはEF-Mの焼き直し?
以前、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMはEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMの焼き直しになるのではないか?という噂もありました。なので、レンズ構成図から、同じレンズなのかどうかを調べてみたいと思います。
■ RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM のレンズ構成図
■ EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM のレンズ構成図
さて、両方のレンズを並べてみました。どうですか?形的にはまるっきり同じであることがわかります。引用していませんが、MTF曲線もほぼ同じになっています。ただ、RFレンズは前から2枚目のレンズにUDレンズが使用されていて、EFレンズのほうは単に非球面レンズとして記述されている違いがあることがわかります。
そのためレンズの仕様に関して、各仕様はほとんど同じなのですが、最短撮影距離と最大撮影距離だけ違いがあります。
■RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
最短撮影距離 AF時:0.17m(18mm時)、MF時:0.12m(150mm時)
最大撮影倍率 AF時:0.44倍(50mm時)、MF時:0.59倍(35mm時)■EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
最短撮影距離 0.25m(18~50mm時)、0.45m(150mm時)
最大撮影倍率※ 0.31倍(150mm時)
このようにですが若干の違いがあります。それ以外はほぼ同じなので、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMの光学設計のまま若干の焼き直しをした製品ということになるのでしょうか?
クロップファクターは?
APS-Cセンサーのカメラなわけですが、クロップファクター1.5倍のAPS-Cか、1.6倍のクロップファクターになるのか、気になった人も多いと思います。が、結局は両方とも以前のAPS-C一眼レフとセンサーサイズが同じなので、クロップファクターは結局1.6倍のまま維持されることになりました。
・EOS 90D 約22.3×14.8mm
・EOS R7 約22.3×14.8mm
このように変化ありません。
というわけでいろいろ見てきましたが、いよいよキヤノンもRFマウントのAPS-Cカメラを発売したという印象ですね。
個人的には廉価な製品はEF-Mで、ハイアマチュアクラス以上はRFマウントに集約されると思うのですが、どうでしょうか。ひょっとしたら、キヤノンのことですから、いっかいぐらい廉価なRFマウントAPS-Cミラーレスを発売して、もし売れるようならEF-Mも終了させるなんてことも考えている可能性もあるのかなと思っています。今後のキヤノンの戦略が楽しみですね。
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コメント
コメント一覧 (7件)
どうなんでしょうね、EVFが下位ランク、連続撮影枚数は少なめ?、外装はマグネシウム合金でない、バッテリーグリップがない等が確認出来て(またセンサーも表面と書いているものもあったり、進歩はすごくないとの指摘も見ました)、古い7DmarkⅡと比較して勝っててもなあですよね。フジX-T4クラスだとの指摘もあったりするようで、「7」かなあ感はありますね。でもZ9やZV-E10他、名称ばかりに文句をつけていてもしょうがないですし、どのような売れ行きになるか興味津々ですので、個人的には前向きになっていますが。
R10はどうなんでしょう、Z50やX-S10、α6400には影響を与えそうですので、場合によってはこっちの方が重要かもとかとも思ったり。レンズはプラマウント、そして防滴でもないですよね、R7には似合いそうもないので、基本R10向けでしょうか。CRはRF-Sは出さないと言っていましたが、本当に謎の18-45mmもでましたし(7群7枚がすごい?)、しかし今後が読めないですよね。フジ18-120mmF4とかOMDSもNEW望遠ズームが将来出るのでしょうし、ソニーのAPS-C超広角系とかあるわけですが、どうするのでしょう? 18-150は図の下にUDの記載のない方がありますが、どちらも2枚目レンズは微妙に色が違い、2枚目は同じUDなのではという気もしますが、確証はないです。しかし外径69mmはマウントの太い所だけで、他はもっと細いので、本当にEF-Mと双子といってよいのかもしれませんね。
基本EF-Mはすぐにではないでしょうけど終了だともう思っているのですが、現段階ではちょっと微妙感というか、ならもっとその方向への頑張りを見たかったですね。例えば暗くてもちょっと大きくても、15-50mmなんかが出ていれば、45mmでも倍率が高くなっていれば。。。。
R7は名称上は7D2後継機ではあるものの、7D2のハイアマ分類からミドルに移したあたり、やはり「格下げ」感が強いですね。RFになってからほとんどのボディで実施していた発表会をしなかったあたりにも、本気度の欠如を感じます。
もちろん7D2を多くの面で上回っていますが、それは7D2が2014年の製品だからというのも大きい気がします。折角の30コマ/秒も、CFeではないせいでRAWで2秒撮れるかどうかですし。
半導体不足や円安で物価が上がる中、7D2の初値より若干安いというのも、「その価格じゃないと手に取られない」という分析があるような気がします。20万以下でできることを詰め込みましたよ、という。D500の人気を考えれば、25万切るくらいでCFe対応やサブ電子ダイヤル2の搭載くらいしてもよかったと思いますが。
とはいえ、市場のAPS-Cミラーレスでは現状最も高性能なんでしょうね……APS-Cユーザーから見れば、素晴らしい1台なのかもしれません。
18-150は完全同一かと思ってましたが、UDレンズ搭載なんですね。
収差を抑制したことで近づいてもちゃんとした描写ができるようになった、ということでしょうか。
EF-M18-150mmはSNS用なら使えるとレビューサイトで酷評されていたレンズですが、1枚EDレンズに代わってどれだけ良くなったでしょうか。
R7のサンプル画像が海外で出ていましたが、(キットレンズではない写真ですが)画質が悪すぎますね。1画素ピッチの狭さからISO400くらいが限界のようです。野鳥撮影で望遠効果はR5以上ではあるのですが、光の取り込みが少ないためディテールが潰れています。飛翔写真はシャッター速度を上げる必要性があることから、これならOM-1の方がはるかに使えると感じました。(他のサイトも見てみる必要がありますが)
あと、メーカーのコメントでR7の電子シャッターの歪みはR3よりも大きいようです。
R7、R10 共に良さそうですね。
R7 はローリングシャッターですが電子先幕でストロボ同調1/320秒は
他社機を含め最高速かもしれません。
RF-S18-150mm は近接性能を上げるためか同じ光学系を使って再設計を
していますね。
分かりやすいのは右端から2番目のメニスカスレンズの曲率が異なりますし
右端から10番目の平凸レンズが両凸レンズになっています。
また10番目のレンズを強くした分9番目のレンズで分散を大きくしています。
主に後群を見直しているようです。
キヤノンは今までレンズの流用はしたことがなかったと思います。
Nikon1 V2さん、こんにちは。
因みにα1のフラッシュ同調速度は、フルサイズでの撮影時は1/400秒、APS-Cでの撮影時は1/500秒です。
Photographer-N さん
おはようございます。
α1のフラッシュ同調速度はメカシャッターですがご指摘の通り
最速ですね。
R7 でフラッシュ同調速度について言及したのはスキャン速度が
上がったのかなと思った次第です。
あとでキヤノンの製品ページを見ると従来と変わらないようですね。
他社機ですがローリング歪みで困ることがあったので期待しすぎました。
キヤノンのAPS-Cミラーレスは上から
R7、R10、Kiss M2、M200という感じになりましたね。
APS-C一眼レフだと上から
90D、Kiss X10i、Kiss X10、Kiss X90ということで、ミラーレスと一眼レフの立ち位置がちょうど対になってる感じがします。
売れ筋はR10、Kiss M2、Kiss X10i/10のラインだと思いますが、一眼レフのほうはもう注力することはないと思うのでR10が順調に売れたらKiss R (Kiss M2の位置) やR100 (M200の位置) もそのうち出してきても不思議ではないですね。
EF-Mレンズを上手いこと焼き直せばRF-Sレンズもある程度すぐに揃いそうです。