ソニーはなぜ2023年上半期シェア1位になったのか
BCNランキングによれば、2023年上半期のミラーレスカメラのシェアは、ソニーがキヤノンを抜いて1位になったことが明らかになりました。キヤノンは2022年(通年)の1位でしたが、ソニーに譲る形になってしまいました。具体的な内容については、以下の記事からご覧ください。
それでは、なぜソニーがミラーレスカメラのトップシェアをキヤノンから奪うことができたのか、当サイトお得意の”妄想”をしてみようと思います。
まずは、現在公開されているBCNランキングのソニーとキヤノンのカメラのランキング順位をみてみましょう。
- 集計期間2023年6月26日~7月2日
- ソニー
- 2位 α6400ダブルズームレンズキット
- 3位 VLOGCAM ZV-E10ダブルズームレンズキットブラック
- 4位 VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ブラック
- 13位 α6400 ダブルズームレンズキット シルバー
- 19位 VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ホワイト
- 24位 VLOGCAM ZV-E10 ダブルズームレンズキット ホワイト
- 28位 α6400 ボディ ブラック
- 29位 α7 IV
- 30位 α7 IV ズームレンズキット
- 40位 α6400 パワーズームレンズキット ブラック
- 43位 α7C ズームレンズキット ブラック
- 48位 VLOGCAM ZV-E10 ボディ ブラック
- キヤノン
- 1位 EOS R10・RF-S18-150 IS STM レンズキット
- 5位 EOS R50・ダブルズームキット ブラック
- 6位 EOS R50・ダブルズームキット ホワイト
- 8位 EOS Kiss M2 ダブルズームキット ホワイト
- 20位 EOS RP・RF24-105 IS STM レンズキット
- 22位 EOS Kiss M2 ダブルズームキット ブラック
- 31位 EOS R50・RF-S18-45 IS STM レンズキット ホワイト
- 41位 EOS R7 ボディー
- 42位 EOS R10・RF-S18-45 IS STM レンズキット
- 44位 EOS R6 ボディー
- 46位 EOS R6 Mark II ボディー
- 49位 EOS R8・RF24-50 IS STM レンズキット
ランキングを席巻するZV-E10
このランキングは、集計期間が2023年6月26日~7月2日で、上位50位までのランキングから抜き出したものです。これは2023年上半期のランキングではありません。なので、このランキングをもってすべてを説明することはできませんが、その傾向はつかめるかもしれません。
まず、50位以内にランクインしている製品数は、ソニーもキヤノンも同じで12製品ずつです。ご覧の通り、カラバリやキットレンズの違いも別製品として集計されています。
50位以内にランクインしている製品数は同じですが、その順位にはかなり違いがあります。
例えば30位以内に入っている製品を数えてみると、ソニーが9製品、キヤノンが6製品と、ソニーのほうが3製品も多くランクインしています。40位以内で考えても、ソニーが10製品、キヤノンが7製品と、やはりソニー製品のほうが多くランクインしていることがわかります。
もし、2023年上半期のランキングの傾向が、上記と同様の傾向だったとしたら、ソニーがシェアトップになったというのも理解できるように思えます。
ランキングの中でも特に好調なのはZV-E10です。カラバリ違い、キットレンズ違いで合計4機種が上位にランクインしており、爆発的に売れていることがわかります。キヤノンは5位、6位、31位にEOS R50がランクインしていますが、それよりもランクの高い3位と4位にZV-E10がありますので、EOS R50よりもかなりZV-E10が売れていることは間違いないだろうと思います。
こう考えると、ソニーがキヤノンを抜いてシェアトップになったのは、ZV-E10が絶好調ということが大きいのではないのかなと思いますね(発売時期は抜きにして)。
このZV-E10については、なぜこれだけ売れているのか、意見がわかれるようです。主な意見としては、以下のような意見があるようです。
- 単純に価格が安いから
- スマホでの撮影になれているのでファインダーは不要。だったら安いZV-E10でいい
- 動画向けでもあるということで静止画カメラ+動画機能も充実ということに魅力を感じている
- Youtubeでの配信をしたい人が低価格で始められるから
- リモートワークやネット会議などで少しでもいいWebカメラがほしかったのでは
これだという特段の理由はないのですが、これらの理由が総合的にユーザにとって魅力的に感じられ、爆発的に売れているということが言えるのかもしれません。
しかし、こうみるとどこに潜在的な需要があるのかわからないものですね。たぶん、メーカも気がつかない潜在的な需要が外にもるのだろうと思います。それをみつけるのは大変かもしれませんが、今後のカメラ需要の拡大のためには、みつける作業や施策が必要なのかもしれません。
(記事元)https://www.bcnretail.com/research/ranking/list/contents_type=41
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コメント
コメント一覧 (5件)
ZV-E10だったのですね。謎が解けました。逆に何でこんなカメラがと思ってしまうのですが。これならスマホとあまり変わらんと思うのは自分だけでしょうか。
ソニーとは対照的にキヤノンの EOS の方は少しずつ違うけれども大体は似たカメラ達になっていますね。
ZV-E10 の例にしてもニコンでいう Z fc にしても別枠の需要を喚起する個性を見つけるというのは重要ですね。
今エントリーモデルを買う人は写真だけでなく動画も撮れる (撮りやすい) というのが大事なのかもしれませんね。
そしてスマホがカメラとしての基準なのでEVFは必要なく、その分小型軽量で安いほうがいいとなってZV-E10は売れてるのかもしれません。
あとコンデジのような見た目 (一眼レフっぽくない) なので仰々しくならないというのもいいのかもしれませんね。
ところでキヤノンはRF-SのVLOGCAMを出す気はないのでしょうか。
値段が一番でしょうね。
5万円以下のラインはなくなり10万円以下で被写体認識AFを搭載しているものはこれしかありません。
ただ一番の原因は単純に去年半導体不足で生産出来なかったことだと思います。
もともと2020、2021とソニーが1位でしたし
BCN AWARDでいえば、21&22とソニーが1位で、23がキャノンという具合です。2022年1年間は、ソニーの販売休止があったのでキャノンが1位、ということが要因で一番大きかったのでしょう。しかしRFマウントAPS-C機の攻勢もあるので、今後はどうなるかは楽しみです。ZV-E1はあまりぱっとしていない感もあったり、ニコンの好調もありますし。BCNには、フルサイズはどうなのかに絞った記事とかに期待(ZV関係は記事になりましたし)。