Xperia 1 IIIにカメラ技術が投入
◇デジカメのノウハウを生かす
旗艦モデルの「エクスペリア1 III」は、望遠レンズに「世界初」の可変レンズの仕組みを採用した。潜望鏡のような構造になっており、35ミリ版換算で70ミリ(2.9倍)と105ミリ(4.4倍)を切り替えることができる。
潜望鏡型のレンズを搭載した端末はほかにもあるが、それらは光軸を伸ばして5倍程度の高倍率を得るためのものだ。これに対して「エクスペリア1 III」は、光軸の中でレンズをスライドさせて動かし、倍率を変えるため潜望鏡型の構造を採用した。最大で標準カメラの4.4倍の倍率しかないが、標準カメラとの中間にある2.9倍も、光学的に倍率を変えるため画質が劣化しない。
他社の高倍率の望遠は、レンズが暗くなって使い勝手が悪かったが、ソニーはこれも改善。また、イメージセンサーのサイズを上げて取り込める光の量を上げた。オートフォーカスも焦点が合うスピードが速く、動きのある被写体をスムーズに追える。倍率優先で画質や使い勝手が悪かったスマホの望遠カメラだが、「エクスペリア1 III」は、オートフォーカスや連写などでも、メインの標準カメラと同じような感覚で使える。デジカメメーカーとしてのノウハウをスマホに注入した形だ。
-毎日新聞
記事によれば、新たに発売されるXperia 1 IIIは、ソニーのミラーレスカメラなどのカメラ技術を惜しみなく投入された機種になっているようです。被写体の追尾能力なども工場していて、AF/AE追従連写は最大で20コマ/秒で撮影可能なのだそうです。さらに、60コマ/秒で演算処理を行っていて、被写体追尾性能などもαシリーズの技術を投入して向上させているようです。
この記事で気になるのは潜望鏡型のレンズというところです。世界初の可変レンズの仕組みを採用と記述されていますが、潜望鏡型のレンズを搭載した端末は他にもあるとしています。何が世界初なのでしょうか?
ズームではなく単焦点での倍率変更
まず潜望鏡型のレンズというのは、どのようなレンズなのでしょうか?具体的な実施図があったので引用します。画像タップで拡大します。
カメラに関するレンズとしては、最も上のレンズが16mm f/2.2で1200万画素センサー、上から2番目のレンズが24mm f/1.7で1200万画素センサー、最も下のレンズが70mm /2.3または105mm f/2.8の1200万画素センサーになっているようです。
16mmと24mmは、通常のカメラのように、レンズ、センサーが一直線になっていることがわかります。ですが、最も下のレンズは、レンズに入った光が本体内で右側に反射されていることが、この画像からわかります。そしてイメージセンサーも本体に対して水平ではなく垂直に配置されていることがわかりますね。
このように本体内にミラーやプリズムを設置して、横に90度反射させることで、スマホの薄さを考えることなくレンズを設計でき、そして高画質にすることができるということですね。
で、これまでのペリスコープレンズは、高倍率のズームレンズを実現するために採用されていたようですが、ソニーのXperia 1 IIIの場合には、別のアプローチになっているようです。というのも、前述したように、このペリスコープレンズはズームレンズではなく70mmと105mmの単焦点の切り替えのために、このような構造になっているようなのです。
通常、ズームレンズの場合には、すべての焦点距離での撮影を実現しなければならないので設計が難しいと思うのですが、特定の二つの焦点距離だけに変更ができるというレンズであれば、設計の自由度が高まり画質の向上やレンズの大口径化というのも可能だと思いますので、確かに面白い発想だなと思いますね。
ソニーはスマホもカメラも製造していますので、それぞれの技術を互いに組み合わせて面白い機能を実現することができるので、そのあたりは非常に強みになっていると思いますね。PlayStationというプラットホームもあるので、それを電子アルバムとして利用したり、撮影した動画のVR再生を可能にしたりなど、様々な今後が考えられそうで楽しみです。
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コメント
コメント一覧 (1件)
このニュースでも、スマホのカメラはまだまだ進化するというということなのかもしれませんが、画素数は1200万画素で、この辺りがすでに適正という判断なのでしょうかね。。。 液体レンズも続報なく、いうほど盛りあがっていないのでしょうか。