LUMIX TZ99はなぜ今発売されたのか?
パナソニックからコンパクトデジタルカメラ LUMIX TZ99が発表されました。ほとんど噂がなくいきなり製品が登場したので驚いた人も多かったと思います。
しかし、なぜいまコンパクトデジタルカメラなのか?と思う人も多いかもしれません。センサーサイズも小さな1/2.3インチで、望遠には期待できますがボケにも期待できず、高感度センサーとはいえさすがに暗い場所での撮影では画質が劣化してしまう可能性がでてきてしまいます。
というわけで、なぜいまLUMIX TZ99が発売されたのか、コンパクトデジタルカメラはどうなるのかについて考えてみたいと思います。
まず、最近のコンパクトデジタルカメラは、かなり種類が少なくなっていて選ぶのが難しくなってきています。いま発売されているコンパクトデジタルカメラについて少しみてみましょう。
- 換算300mmぐらいまでのコンパクトズーム IXY650など
- 換算600mmオーバーのコンパクトズーム SX740やLUMIX TZ99など
- ネオ一眼 LUMIX FZ85Dなど
- タフネスコンデジ OMデジタルのWGシリーズなど
- 換算150mm未満で3万円以内程度の廉価コンデジ コダックなど
このうち今回のLUMIX TZ99に関しては上から2番目の超高倍率ズームレンズ搭載のコンパクトズームに位置づけられそうです。
いま若い人に流行しているのは、3万円以下程度のコンデジで、こちらは写りがあまりよくないのですが、それがエモいとして逆に流行しています。
この他、海や川、トレッキングで持ち歩いたり、子供が取り扱っても壊れにくいようにタフネスコンデジ、野鳥撮影にも利用できるような換算1000mmオーバーのネオイチなど、かなり性能的に特化しているものが揃っているということになります。
この中でも、IXY650やLUMIX TZ99のようなコンパクトズームは、もうほとんど販売されていない状況で、なぜいま発売されるのかと思う人が多いのも理解できます。
発売された可能性としては、最近はこのような換算600mmオーバーのコンパクトズームの種類が減っていることから、製品を発売して残存者利益を得ようとしている可能性は考えられそうです。
またパナソニックはLUMIX TZ99のサイトで、「旅先で心が動いたその一瞬を記録しよう」と旅行についてキャッチコピーを掲げていることから、旅先で利用できる持ち歩きしやすいオールマイティなカメラとして企画されたのではないかと推察することができそうです。また自撮りや4k機能もあることから、手軽に持ち歩けるVlog向けとして発売しようとしているのかもしれません。
そのため大きなカメラを持ち歩くのが辛いお年寄りが、スマホやガラケでなく超望遠も撮影できるカメラとして、LUMIX TZ99のような製品が好まれているような側面はあるのかもしれませんね。また、子供の修学旅行などでスマホの携帯が禁止されているような場合などで、カメラを所持したい場合には便利に使うことができそうです。
この他、会社で工事箇所を撮影して実際に工事したことを証明するために利用したりなど、仕事での利用も考えられそうですし、セキュリティの関係からスマホなどの通信機器の持ち込みを防止したいけど、カメラを利用したいときなどにもカメラ単体としての利用ができることもメリットがあるのかもしれません。
今の流行を追うことはやはり難しい?
ところで個人的に残念だと思うのは、最近のカメラブームの傾向がはっきりしてきているのですが、その時流に乗っていないことです。傾向はいくつかありますが、四角く小さくて持ち運びがしやすいデザイン、低価格であること、見た目がレトロで昔懐かしい感じがすること、撮影された写真が現代的ではなく昔のカメラのように撮影できること、様々なピクチャーコントロール(エフェクト)、そして他のカメラにはない「ギミック」があることです。
四角くて小さいデザインはTZ99にはぴったりだと思います。価格的にも、3万円以下になれば理想的だとは思いますが、高倍率ズームでライカ銘のレンズとなれば、このあたりは仕方がないかもしれません。
ただデザインに関しては黒と白のカラバリがありますが、天板部とレンズ+マウント部をシルバーにして、他の外装をブラックにしたりなど、レトロデザインに近づけることができたら、若い人も興味を持つ可能性があったのではないかと少し思いました。
また、写真へのフィルターやエフェクトに関しても、実際には様々な設定がありますが、それが宣伝されていないので、そのような写真が撮影できるということがわかりにくくなっています。
思い切って普通では考えられないような色味がおかしな写真や、周辺部が歪んだ写真、口径食が目立つ写真、わざとシャッター時間を長くして撮影して被写体ブレが生じるような写真が撮影できてしまうというような特徴的な写真が撮影できるようなカメラとしても面白かったのではないかと思います。そして、そのような写真が撮影できることを宣伝することは、富士フイルムがフィルムシミュレーションダイヤルを搭載したことからも、比較的重要と考えることができるのではないかと思いますね。
他のカメラにはないギミックというのはいろいろ難しい側面がありますが、アタッチメント的に取り付けることができる後付の光学ファインダーを設定したりして、特定の焦点距離だけになりますが、光学ファインダーを除いて撮影できるなどの、失敗してしまうことも写真撮影の一つであるとわかるようなカメラとして発売しても面白かったのではないかと思ったりしています。
まあ、これらは完全に、それこそ自分が欲しい最強のコンパクトデジタルカメラということになると思います。実際に発売することは難しいと思いますが、せっかくの新製品でもありますし、思い切り今の流行に乗ったカメラを発売してみるのも面白いのでは・・・などと勝手に思って想像してみました。
皆さんはどのようなコンデジなら売れると思いますか?
名称 | DC-TZ99 |
焦点距離 | f=4.3mm~129.0mm(35mm換算:24~720mm) |
開放絞り値 | F3.3~6.4 |
最短撮影距離 | 通常:50cm(W端)/2m(T端)~ マクロ / 動画:3cm(W端)/2m(T端)~ |
手ブレ補正 | ○(通常/流し撮り/OFF) |
カメラ有効画素数 | 約2030万画素 |
撮像素子 | 1/2.3型MOS 総画素数 約2,110万画素 |
動画撮影 | 4K:3840×2160, 30p(100Mbps/センサー出力30コマ/秒) |
連写速度(AF追従) | H:5コマ/秒、M:5コマ/秒、L:2コマ/秒 |
記録メディア | SDカード / SDHCカード |
インターフェース | USB Type-C USB2.0(HighSpeed)対応 |
Wi-Fi | IEEE 802.11b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth v5.0 |
撮影可能枚数 | CIPA規格:約380枚 |
外形寸法 | 約 幅112.0×高さ67.8×奥行き43.1mm |
質量 | 約322g(カード、バッテリー含む) |
- パナソニック LUMIX TZ99がの発売はなぜ今必要なのか 流行する仕様のコンデジは作れる!?
- パナソニック さらに1台のカメラを認証登録か!? 最大3製品が登場する可能性!?
- パナソニック LUMIX G99IIを正式発表 ボディ内手ぶれ補正搭載 ボディ9万9000円
- パナソニックの来週の発表は新製品の”ティザー”?! S1R II、S1H IIがいよいよか!?
- パナソニックが来週発表するカメラはコンパクトデジタルカメラだった??
- パナソニック LUMIX新製品を来週に発表との噂 S1R Mark IIいよいよ登場か!?
- パナソニック S1R IIを25年初めにも発表!? ライカSL3に触発された仕様を搭載か
- パナソニック 新たな製品を認証登録 S1H IIの可能性はあるのか?
- パナソニックのLUMIX新製品 年明けの発表に期待する声 S1H II、S1R II発表あるか!?
- パナソニックLUMIX GH7の新ファームを公開 動画にノイズが記録される現象を改善
コメント
コメント一覧 (3件)
高倍率ズームなのにEVFを省略したので、液晶モニターでは望遠側は撮りにくくなったのは残念…
コンパクトデジタルカメラの新製品が出るのはうれしいのですが、パナソニックはなぜか特徴がないものを出すので、うーん、となってしまいます。このタイプでEVF付は貴重だったとは思うのですが、やはり販売的に難しいのでしょうか。アメリカB&Hでは480ドルでキャノンSX740と同価格、しかしLumix FZ80D(これも特徴なし)もほぼ同価格ですね(現在はそこから30ドル引きのようですが)。。。アメリカではコダックも販売機種多いですし、これでどこまで販売力ありなのでしょう? コンデジはあまり儲かる状況でもないように見えますし。しかし、キャノン他もUSB-C対応しなくていいのか、どうもよくわからない状況のように思っています。
光学ズームだと画質が落ちるので、この小さいセンサーで見え易い縦撮りEVF付きの単焦点コンデジが欲しいです。1/2.3型センサーならデフォルトが3:4の縦撮りで使いたい。RAW記録出来る事も大事です。