シグマのFoveonセンサーの特許
シグマが積層型撮影素子のイメージセンサー、いわゆるFoveonの特許を2022年7月19日に出願していることがわかりました。この特許は、積層型撮像素子を備える撮像装置において、高いフレームレートでの画像データの読み出しを達成するもののようです。
- 【出願日】2022-07-19
- カラーフィルターを備える撮像素子に対して積層型撮像素子が提案されている。積層型撮像素子は、波長成分により異なる半導体の光の吸収深さを利用して、各画素において複数の色の波長成分に対応する複数の画素信号をそれぞれ同時に取得することができる。
- 一方で、積層型撮像素子では、読み出される画像データのデータ量が大きくなってしまうという課題がある。
- 同等の解像度のカラーフィルターを備える撮像素子と比較して、読み出される画像データのデータ量は3倍になってしまう。
- ところで、撮像素子から読み出される画像データは、専用の焦点検出用センサーを備えないミラーレスカメラでは、記録用画像データや表示用画像データだけでなく、焦点検出用画像データにも利用されている。
- 撮像装置では、合焦動作が高速であることが要求され、焦点検出において焦点検出用画像データが高いFPS(Frame per second)で撮像素子から読み出されることが要求される。
- 読み出される画像データのデータ量が特に大きい積層型撮像素子では、各層の光電変換層から画像データをそれぞれ読み出すため、設計が困難となるほどの高速な画像データの読み出しが必要となってしまう。
- たとえば、焦点検出用画像データの読み出しにカラーフィルターを備える撮像素子が120FPSを必要とするときに、これと同じ解像度を有する3層構造の積層型撮像素子は、同等の焦点検出の性能を得るため、360FPSを必要とすることとなってしまう。
- 本発明は上記の課題を解決するものであり、積層型撮像素子を備える撮像装置において、高いFPSでの画像データの読み出しを達成することにより、合焦動作の高速化及び高精度化を達成した撮像装置及び撮像装置の画像データ読み出し方法を実現する。
シグマが積層型撮像素子のイメージセンサーの特許を出願していることがわかりました。
シグマが積層型撮像素子のイメージセンサー、いわゆるFoveonの特許を2022年7月19日に出願していることがわかりました。内容的には上記のような問題点を解決する特許となっています。
すこしわかりにくいので解説します。
まず、通常のセンサーは下記のようにカラーフィルターがモザイク状に配列されており、それぞれの色の光量を測定するようなことをしています。緑のフィルターが多いことがわかりますが、これは人間の目が緑色をその他の色よりも強く感じるからだそうです。
この方法では、例えば青色のフィルターの画素では、緑色、赤色の光量を測定することができません。なので、事実上、測定できる光量が少なくなるし、それぞれの色で画素の欠損が発生することになります。
しかし、上記の図のようにFoveonセンサーの場合は、青、緑、赤の素子が積層されているため、すべての画素ですべての色の光量を測定することが可能になり、より高感度耐性に強くなりますし、画素数も増えることになります。
センサー面積の増加でデータの転送に問題か?
コントラスト検出方式のAFでは、イメージセンサーからの画像データが必要になるわけですが、上記の特許の内容を見ると、どうやら高速なAFを実現するためには、高速な画像データの転送が必要になる可能性があり、それが問題となっているようです。
シグマはAPS-CサイズのFoveonセンサーの実用化に成功し、カメラも発売していました。なので画素数が少ないと特に問題がないのかもしれませんが、フルサイズになり画素数が増えるとデータの転送時間や、単位時間あたりの画像取得数に問題が発生し、それがフルサイズFoveonセンサーの開発に支障が生じていた原因になっていた可能性がありそうです。
この特許の出願日は2022年7月ですので、この時点ではフルサイズFoveonの画像データの転送に何らかの問題が生じていて、それで商品化できなくなっていたのかもしれません。
シグマは今もFoveonセンサーは諦めていないとして開発を続けているとしています。上記の問題を解決して、実際に製品として発売されることはあるのでしょうか。気になりますね。
さらに「シグマが2月に新製品を発表との噂 以前2月にRFマウント用発表との噂も」ではシグマがRFマウントレンズを発売するという噂について詳しくお伝えしています。
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