シグマ Foveonセンサーのハイレゾ撮影の特許
シグマがハイレゾ撮影の特許を出願していることが明らかになりました。どのような特許なのでしょうか?
それでは、その特許についてみてみます。
【0011】
フィルタを有する撮像素子を用いて画素ずらしにより8枚より少ない画像データを取得して高解像度化された画像データを合成処理する場合、高解像度化された画像データの色フィルタの配列を通常の画像データと同じにすることができず、これを補うための補間処理や置換処理等が必要となってしまう。さらに、この場合には、合成処理により最終的に取得される高解像度化された画像データを高画質で取得することが難しくなる。【0012】
一方、積層構造の撮像素子は被写体光の波長成分に対応する画素値を各画素においてそれぞれ直接取得することができる。このため、積層構造の撮像素子を用いて画素ずらしにより高解像度化された画像データを取得する場合には、画素ずらしにより取得すべき画像データの数を少なくすることができる。【0013】
IPForce
しかしながら、積層構造の撮像素子により取得された画像データの各層は被写体光の波長成分ごとに同程度の情報量の画像データをそれぞれ有しているため、積層構造の撮像素子により取得される画像データの情報量は非常に大きくなってしまう。積層構造の撮像素子を採用して画素ずらしにおいて取得された画像データの情報量が大きくなると、画像データを転送処理するための負担や合成処理を行うための負担が大きくなってしまう。
上記は特許の内容を一部引用したものになります。興味のある人は全文を記事元リンクからご覧ください。
というけでみてみると、この特許の主眼はハイレゾ(ピクセルシフト)撮影するときに、できるだけ少ない画像データで処理をしようという特許になっているようです。
まず、ハイレゾショット(ピクセルシフト)とは、ミラーレスカメラのボディ内手ぶれ補正の機能を利用し、撮影時にセンサーを少しだけ移動させた写真を数枚撮影し、その画像を合成して出力することで、より解像性の高い写真を撮影しようという仕組みです。
このとき複数枚の写真を撮影し、それをソフトウェアで合成するという処理を行うため、データ量が多いと演算処理に時間がかかり実用的でなくなってしまう可能性があります。もし最低限のデータ量で、ハイレゾ撮影ができるようになれば、それだけ演算処理にかかる時間が少なくなりますし、より連写性能を高めることが可能になるかもしれません。
データ量がネックになる積層構造の撮像素子
しかし他のカメラではすでにハイレゾ撮影が実現できているのに、どうして、シグマはこのような仕組みを必要としているのでしょうか?それはFoveonセンサーの特性に関係がありそうです。
通常のイメージセンサーは平面に各色の画素が敷き詰められたような状態になっています。
イメージセンサーのカラーフィルターパターン
Wikipedia
これが通常のイメージセンサーのイメージ画像です。しかし、Foveonセンサーの場合は縦にRGBの各色の画素が積層されているような状態になっています。特許にあるFoveonセンサーのイメージ画像を引用してみます。
このように縦に光が浸透していくような構造になっているため、通常のベイヤー配列のイメージセンサーと比較して、画素数が同じであればFoveonセンサーは単純計算で3倍のデータ量を持つことになります。
そうすると、通常のイメージセンサーで撮影した写真を合成することはできても、Foveonセンサーだと莫大な計算量が必要になる可能性があるので、それをなんとか回避するために、これらの仕組みを考えたのだと思いますね。
ということは、シグマは詳細に発売すると噂されているフルサイズFoveonのミラーレスカメラについて、ハイレゾ撮影の機能が搭載されている可能性が高いということになるのでしょうか?まだまだイメージセンサーの開発中のようですが、どのようなカメラとして発売されるのか楽しみです。
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