複雑な充電/給電条件
EOS R5とEOS R7に充電/給電できる充電器やモバイルバッテリーに関する記事が掲載されています。とても興味深い記事でしたので、ちょっと紹介したいと思います。
それでは記事をみてみます。
その結果、充電に関してはEOS R7、EOS R5の両機ですべて問題なく行うことができた。USB PDに対応しているものはもちろん、非対応のBelkin製バッテリーでも充電は可能だった。本体に記載の5V定格電流はすべて3Aだ。
ただし、USB Type-A端子を用い、Type-A to Type-Cケーブルを用いた場合はいずれの機器も充電できなかった。今回用いた機器のUSB Type-A 5V定格電流はいずれも2.4Aだったため、充電に用いる機器は5V 3A(15W)の出力に対応している必要がありそうだ。
給電はPDに対応していてもできるものと、できないものが分かれているため注意が必要だ。今回の結果から推察する限りにおいては、給電をするには「9V 3A(27W)」の出力が必要だった。
デジカメWatch
記事では、様々なモバイルバッテリーや充電器でのテスト結果や、細かな充電/給電条件なども記述されていますので、全文き記事元リンクからご覧ください。
さて、まずは充電と給電の違いですが、簡単に説明すると以下のようになっています。
・カメラにバッテリーを入れて充電すること
・カメラを動作させるためにUSB経由で直接、電源を供給すること
もっとかみ砕いて言うと、充電はバッテリーへの充電、給電はカメラへの電源の供給という感じです。
そして記事によれば、充電と給電ではそれぞれ可能な条件が異なるとしています。それが以下のような条件です。
・充電 5V 3Aの出力に対応していること
・給電 9V 3Aの出力に対応していること
そのため、ご利用の充電器やモバイルバッテリーがEOS R5、EOS R7の充電/給電に利用できるかは、それぞれの仕様を確認してもらって上記の出力に対応しているかどうか確認したほうがいいと思いますね。そして、また今後、充電器やモバイルバッテリーを購入する場合、もしEOS R5やEOS R7を所有している/購入を検討している場合には、上記の仕様に合致する充電器やモバイルバッテリーを購入したほうがEOS R5とEOS R7用に流用することができ、結局安上がりになる可能性があります。
しかし規格に対応しているからといって確実に利用できるかというと、必ずしもそうでない場合があります。ここがUSB充電界隈の難しいところです。そのあたりをもうちょっと深くみていきましょう。
USB Type-Aは確実に不可能、USB PD対応機でも利用できない可能性
USBの仕様はもの凄く複雑で一言で説明するのが難しいような状況になっています。同じUSB PowerDeliveryという規格を採用していても、製品によっては利用できたり、利用できなかったりする可能性があります。
まず、USB Type-Aの端子のある一般的な充電器、モバイルバッテリーはほぼ利用することができません。一般的な製品は、5V 2.4A出力までです。これは安全性を考慮してでのもので、大手メーカー製の充電器/モバイルバッテリーで5V 2.4A以上の出力が可能な製品はありません。なのでUSB Type-A端子を利用しての充電/給電は不可能です。
ではUSB Type-Cの端子があり、さらにUSB PowerDeliveryに対応していれば問題ないのかというと、そうとも限りません。まず、本来、5V 3Aの出力に対応していなければならないのに、USB PowerDeliveryに準拠、「PowerDeliveryのほぼすべての出力に対応」などと記述したうえで、USB Type-Cでも5V 2.4Aまでの出力しか対応していない製品があります(充電器やケーブルといえば誰でも思い浮かぶあのメーカーの製品にも)。このような製品は実質的にはUSB PowerDeliveryには非対応です。
また、USB PowerDeliveryは、充電器と製品側が通信し、互いにどの電圧、どの電流で充電が可能かデータをやりとりし、それに従って充電電圧と電流が決定します。しかし、一部の充電器では、本来、USB PowerDeliveryの規格に則ったデータのやりとりをせず、この電流と電圧を決めてしまっている機種があります。このような規格に則っていない充電器やモバルバッテリーだと、製品側(この場合はEOS R5やEOS R7)から充電を拒否される可能性もあるので注意が必要です。
結局まとめると、信頼できるメーカで、USB Type-C端子、USB PowerDeliveryに対応し、5V 3A、9V 3Aの出力に対応しているバッテリーを購入する必要があるということになります。ただ、通信手順についてはユーザには確認のしようがありませんので、実際にはネットで調べて、目的の充電器/モバイルバッテリーが実際にEOS R5、EOS R7で充電/給電できるかどうか調査しなければならないということになると思います。
USB充電器はその規格も複雑なわけですが、その規格をちゃんと守った製品を作っていないメーカがあることで、より状況を複雑にしていますね。最近は、メーカ側にこういう指摘が多くあるようで、かなり改善されていますが、まだ規格に準拠していない製品もあるので注意が必要です。
キヤノンEOS R7の記事はこちらからも
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コメント
コメント一覧 (1件)
USBは技術の発展と共に機能を追加したりiphoneのように独自機能を追加したりと
混乱に拍車を掛けている部分はありますね。
USBの規格自体が細かいところまで規定していないのでしょう。