EOS R6 Mark III 使用状況により過加熱の懸念 一般的な撮影には影響なしか

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EOS R6 Mark III
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EOS R6 Mark III 耐熱性能は?

要約

PetaPixelによる新型EOS R6 Mark IIIのレビューでは、同じセンサーを使用し、映像機能も多く共通しているEOS C50と比較して、ファンが搭載されていない点が、映像制作者がシネマ向けボディを選ぶ理由の一つとして挙げられている。EOS R6 Mark IIIに関しては、使用状況によってはオーバーヒートが懸念される可能性がある。

アクティブ冷却機構を内蔵した現代のカメラにおいて、オーバーヒートの問題が発生したことはない。EOS C50もその例外ではない。

すべてのオーバーヒートテストは、室内で気温21度の環境下で実施されている。EOS R6 Mark IIIでは、熱記録のしきい値を「高」に設定し、各テストの間に1時間の冷却時間を設けた。すべてのテストはバッテリーのみで行われ、USB-Cポートからの充電は使用していない。

テスト結果

  • 4K 30p「Fine」設定:103分間録画、バッテリー切れにより停止。オーバーヒートなし
  • 4K 60p「Fine」設定:28分間録画後、カメラがオーバーヒートしてシャットダウン
  • 4K 24p RAW動画:42分間録画後、CFexpressカードがオーバーヒート。カメラ自体はオーバーヒートせず、警告も表示されなかった
  • 7K 30p オープンゲート動画:34分間録画後、カメラがオーバーヒートしてシャットダウン。

これらの結果は、最も一般的な4つの動画撮影用途のうち3つで、何らかの要因により録画時間が制限されることを示している。4K 30pの103分は、バッテリー切れによる停止であり、カメラの最大録画時間の基準となる。フレームレートを60pに倍増すると録画時間は73%短縮され、オープンゲート撮影では67%短縮された。

RAW撮影については、カメラ自体のオーバーヒートではなく、カードのオーバーヒート警告によって録画が停止されたため、より複雑な議論が必要である。これはEOS R6 Mark III固有の問題とは言えないが、EOS C50のようなファン内蔵カメラではこの制限は見られない。したがって、これは制限事項として記載せざるを得ない。RAW撮影では録画時間が最大で59%短縮される。

多くの映像制作者は、EOS R6 Mark IIIに搭載されたC-logオプションを活用しつつ、4K 30p「Fine」動画以上の録画を求めない可能性が高い。そのようなユーザーにとっては、EOS R6 Mark IIIの登場によりEOS C50の魅力は大きく低下した。60pでの長時間撮影は一般的ではないが、EOS R6 Mark IIIではこの点が最も弱い部分である。長時間のRAWやオープンゲート録画を重視する映像制作者は、アクティブ冷却機構を備えたカメラへの移行を検討する必要がある。

このことが意味するのは、映像制作者や映画制作者がこの特定のセンサーを搭載したキヤノン製カメラを選ぶ際に、選択を迫られるということである。すなわち、録画時間に制限のないアクティブ冷却を選ぶか、電子ビューファインダーとボディ内手ブレ補正を得る代わりにその制限を受け入れるかである。

率直に言えば、これは好ましくない選択肢であり、そうなる必要はなかったという点がさらに不満を募らせる。

キヤノンは、EOS R6 Mark IIIにアクティブ冷却を搭載しないことを選択したのと同様に、EOS C50にはEVFやボディ内手ぶれ補正を搭載しないことを選択した。我々は、すべての機能を提供する方法があることを知っている。なぜなら、Lumix S1IIにおいてそれらすべてを搭載しているからである。

動作可能時間は仕様通り!?

EOS R6 Mark IIIの動画撮影時の発熱についてPetaPixelが伝えています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。

さて、今回の記事ではEOS R6 Mark IIIを様々な録画モードで撮影し、どの程度の撮影時間でオーバーヒートするのかまとめています。簡単にまとめると以下のようになるようです。

4K 30p「Fine」103分(基準時間)バッテリー切れ
4K 60p「Fine」28分(-73%)オーバーヒート
4K 24p RAW42分(-59%)メモリがオーバーヒート
7K 30p オープンゲート34分(-63%)オーバーヒート

テストでは4K 30pではオーバーヒートなしでバッテリー切れになったため、これが基準時間になるとしています。また、4K 24pではメモリがオーバーヒートしたためシャットダウンしたようですが、これはEOS R6 Mark IIIが4K 30p以下のフレームレートで録画した場合には、オーバーヒートは発生しないことを示唆しているようです。

そして、4K 60pでは28分、7K 30pオープンゲートでは34分と、バッテリー切れになる前に停止してしまっていることがわかりますね。しかし、仮に本体がオーバーヒートしなかったとしても、ビットレート次第では40分過ぎには、メモリカードがオーバーヒートしてしまう可能性があるようです。

一方で、EOS R6 Mark IIIの仕様では最大動作可能時間を以下のように定めています。

解像度RAW形式/圧縮形式フレームレート動作可能時間
自動電源オフ温度
標準
RAW+2K Proxy軽量RAW+標準LGOP59.94fps23分23分
4K DCI標準LGOP119.4fps28分35分
4K DCI Fine標準LGOP59.94fps23分23分
4K DCI標準LGOP59.94fps(熱による制限なし)(熱による制限なし)
4K DCI Fine標準LGOP29.97fps(熱による制限なし)(熱による制限なし)
4K DCI標準LGOP29.97fps(熱による制限なし)(熱による制限なし)
2K DCI標準LGOP179.8fps120分120分
MP4標準LGOP29.97fps24分36分

PetaPixelがどの解像度や圧縮形式でテストをしたのか正確な設定は不明ですが、上記の動作可能時間、特に4K DCI Fine 60pの項目をみると想定内の耐熱性能になっているようにも見えます。

このような制限があるということは、確かに、記事にもあるように録画制限のないEOS C50を選択するか、録画制限はあるもののボディ内手ぶれ補正とEVFがあるEOS R6 Mark IIIを選択するかという悩ましい問題になるのかもしれません。

しかし撮影スタイルや設定、例えば細かくカット割りをしたり、一般の人が通常の撮影で主に使うだろう4K DCI Fine 30pで撮影するような場合では動作時間に制限はないため、問題とはならない可能性のほうが高そうです。長回ししたり、どのようなアスペクト比にもトリミングできるようにオープンゲートで撮影するような本格的な映像制作を行う場合にはEOS C50を、それ以外のより一般的なフォーマットでの撮影ではEOS R6 Mark IIIでほとんど問題ないのかもしれません。

PetaPixel

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EOS R6 Mark III 最新情報

キヤノン 最新情報

EOS R6 Mark III 主な仕様

EOS R6 Mark III 主な仕様
スクロールできます
センサーサイズフルサイズCMOSセンサー
有効画素数最大約3250万画素
センサークリーニング(不明)
イメージプロセッサDIGIC X
手ぶれ補正ボディー内5軸手ブレ補正(IS)機構
手ぶれ補正効果最大中央8.5段/周辺7.5段
高速連続撮影電子シャッター:最大約40コマ/秒
メカシャッター、電子先幕:最大12コマ/秒
動画撮影7K 60P RAW
シャッター速度メカシャッター/電子先幕設定時:1/8000~30秒
電子シャッター設定時:1/16000~30秒
ISO(静止画)常用ISO感度:ISO100~64000(1/3、1段ステップ)
拡張ISO感度(相当):L(50)、H(102400)
フォーカスポイント測距エリア:横:約90%、縦:約100%
ポジション数:[静止画]最大6097ポジション(91×67)
EVF0.5型 約369万ドット
背面液晶3.0型・約162万ドットバリアングル液晶モニター
メモリカードスロットCFexpress Type B、SDメモリデュアルカードスロット
サイズ約138.4(幅)×98.4(高さ)×88.4(奥行)mm
質量約699g(バッテリー、CFexpressカードを含む
EOS R6 Mark III
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