お勧めできるAnkerの充電器について調べてみる
最近はスマホ、ノートパソコン、様々なゲーム機などでUSB Type-C端子が採用されることが一般的になっています。またスマホやノートブックなどでは、USB Power Delivery対応が一般的になっていますよね。なので、個人的にですが、充電環境をUSB Type-Cを中心にしていこうと計画をしています。そのため、様々な情報を調べたところ、充電器を購入するに当たり気をつけたほうがいいことなどがわかりました。
Ankerといえば、最近では人気のある充電器やケーブルを発売しているメーカの一つですが、今回は、そのAnker製品の充電器のそれぞれの特徴について考えながら、充電器についてどのように考えればいいのか記述してみたいと思います。
まずはUSBで充電できる最大ワット数を考えてみる
USBの充電規格は様々あるのでいろいろ難しい状況になっています。まずは、通常のUSB、いわゆるUSB Type-Aという一般的なUSB端子で充電できる規格について調べてみます。すると以下のようになっていることがわかりました。
USB Type-Aで充電できる最大ワット数
・USB 2.0 5V 0.5A → 2.5W
・USB 3.0 5V 0.9A → 4.5W
・USB BC 5V 1.5A → 7.5W
・メーカ独自規格 5V 2.4A → 12W
・メーカ独自規格 5V 3A → 15W
・メーカ独自規格 9V 1.66A → 15W
このようにUSB Type-Aで充電できるワット数に関しては、USBの規格によって異なり、かなり違いがあるようです。一般的には5W以下の充電しかできないのですが、各メーカが独自に拡張することにより、今のところ5V 2.4Aの12Wが一般的で、製品によっては5V 3Aや9V 1.66Aの15Wまで可能という製品が多くなっているようです。
では、USB Type-Cを利用したUSB PowerDeliveryでは、どの程度のワット数まで充電できるのでしょうか?各電圧の最大ワット数は以下のようになっています。
USB PowerDeliveryで充電できる最大ワット数
・5V 3A → 15W
・9V 3A → 27W
・15V 3A → 45W
・20V 5A → 100W
このようにUSB Type-Cを利用したUSB PowerDeliveryは、USB Type-Aでの充電より、かなり高いワット数で充電できることがわかります。
これをみるとわかるのですが、USB Type-Aでは電圧(V)は5V固定で、電流(A)のみが変わっていることがわかります。逆にUSB PowerDeliveryは電圧が可変になっているのが特徴的ですよね。電流が同じ3Aでも電圧が可変なのでワット数が向上する仕組みになっていることがわかります。
このように、より高い電圧、ワット数に対応していると、より高速充電できるということになります。
製品による対応充電規格について
次に充電しようとするデバイスが、どのような充電規格に対応しているかを知ることが重要になります。というのも、せっかく高性能な充電器を購入しても、充電される側が、そのワット数に対応していないと意味がないからです。
というわけで調べてみると主なデバイスについては以下のようなワット数に対応しているようです。
iPhone、iPadの対応するワット数
・iPhone 6以降 12W 5V/2.4A
・iPhone 8以降 18W 9V/2A 15V/1.2A
・iPhone 12以降 20W 9V/2.2A
・第6世代iPad 12W 5V/2.4A
・iPad Pro 10.5 30W 15V/2AMacBookの対応するワット数
・MacBookAir 13インチ 45W
・MacBook Pro Retina 13インチ 60W
・MacBook Pro 15インチ 85WSwitchの対応するワット数
・Switch テレビモード 40W 15V/2.6A
・Switch 携帯モード 7.5W 5V/1.5A※ 当サイト調べ
※ この数値が機器の仕様として正しいことを保証するものではありません。参考としてご覧ください
大切なのは、充電器が対応している電圧と電流の組み合わせと、充電しようとする製品が対応している電圧と電流の組み合わせを一致させることです。
では、これらの観点から、現在販売されている主なAnker製品をみてみたいと思います。
AnkerのUSB Type-C1個口タイプ
Anker PowerPort III 65W Pod
出力 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V=3.25A / PPS:3.3V-21V=3.09A
価格 2990円
まずは64Wの出力に対応したAnker PowerPort III 65W Podをみてみます。この商品は65Wという、かなり大きなワット数の出力が可能であるのも関わらず小型化を実現した充電器です。
まず、規格を見てみます。上記で出力にの関して引用していますが、5V/3A、9V/3A、15V/3Aまでは順当に対応しています。それぞれ、15W、27W、45Wに対応していますので、iPhoneやiPadを充電するには十分そうです。さらに高い電圧では20V/3.25Aにも対応しています。20V/3.25Aは65Wになりますので、65Wのワット数で充電できるのは20Vでの充電に対応できる機種に限られます。
なので20Vで充電可能かつ65Wまでのワット数に対応している製品ですと、最大で65Wの充電が可能なので購入するメリットがあると思います。ですが、仮にiPhoneなど、一般的なスマホを充電する場合には、今のところ9V/3Aの能力があれば十分ということになりますので、オーバースペックと言えるかも知れません。
そのため、充電したい製品が20Vでの充電に対応し、65Wの充電ができるかどうかというのが、この充電器を買うかどうかの判断材料になると思います。iPadやMacBookなどを所有している人は仕様を調べて合致しているかどうか確認する価値はあると思います。
Anker PowerPort III Nano 20W
USB Type-Cを搭載した小型モデルです。こちらは出力が20WとUSB PowerDeliveryに対応したモデルとしては、比較的廉価なモデルとなっています。
仕様としては出力が5V/3Aの15Wと、9V/2.22Aの20Wまでに対応しています。iPhoneでは、いまのところ9V/2.22Aまで対応していれば、それが最高速度で充電できていることになりますので、スマホの高速充電に向いているタイプだと思います。小型軽量ですし、外出時や旅行にも利用できるタイプです。
ただし、さらに高ワット数に対応したiPad、MacBookなどでは、充電には物足りなさを感じるかもしれません。なので、あくまでスマホ用、または20Wまでにしか対応していないタブレット用と割り切って使うのがいいと思います。
Anker PowerPort Atom PD 1
こちらの製品は30Wまでに対応した小型なタイプです。仕様的には、15V/2Aと20V/1.5Aに対応していて、最大で30Wを実現しています。ですが、Anker PowerPort III 65W Podは65Wまで対応していながら、しかもAnker PowerPort III 65W Podのほうが価格が安い(2990円)ですので、積極的こちらを選択する理由は乏しい製品です。Anker PowerPort III 65W Podはサイズが大きいので、30Wで十分でかつできる限り小型な充電器が欲しいという場合には選択肢になるかもしれません。
PowerIQが不必要な人にお勧め
もう一つのこの製品のメリットは、この製品はUSB PowerDeiliveryのみに対応し、Ankerの独自技術であるPowerIQには非対応ということです。
スマホなどなかにはUSB Type-Cを採用していながら、USB PowerDeliveryには対応せず、独自の充電規格を採用している機種があります。また、MicroUSBなどを採用しているスマホなども独自の充電禁句を採用している機種もあります。PowerIQに対応しているAnkerの充電器の場合、USB Type-C-MicroUSBというケーブルを利用して、それらのスマホに充電する場合、USB PowerDeliveryには対応していないけど、独自の充電規格には対応しているので、PowerIQにより高速充電が可能になるといった場合があります。
なのでUSB PowerDelivery対応でありながら、PowerIQにも対応しているということはメリットにもなりえます。ただ、それは独自規格なので、今後はUSB PowerDeliveryに統一されていくことを考えると、余計な充電規格に対応している充電器は要らない、むしろへんな挙動をする可能性があるから不安という人も一定数存在します。
なので、この製品はUSB PowerDeliveryのみに対応しPowerIQは搭載していないということで、余計な充電規格は要らない製品が欲しいという人に向いている製品といえそうです。
Anker PowerPort III mini
30Wまでに対応した小型軽量なタイプの製品です。低価格で小型でいいのですが、65Wまで対応しているAnker PowerPort III 65W Podが2990円で販売されているなかで、やはりこちらも積極的に選択する理由はありません。
また、この製品はUSB PowerDeliveryの規格に適合していません。通常、15W以上の出力のある充電器の場合、規格上は5V/3Aまでの対応が必要ですが、この製品は2.4Aまでの対応です。
Anker PowerPort III 65W
出力 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V=3.25A
価格 3690円
65Wに対応したタイプです。5V/3Aにも対応し、USB PowerDeliveryにしっかりと準拠しています。PowerIQに関してもPowerIQ3.0(Gen2)と第2世代のPowerIQにも対応しているので、他の急速充電規格に対応した製品にも安心して利用できます(それが不必要という人もいるかもしれません)。
機能的にはAnker PowerPort III 65W Podとほぼ同じです。違いは、様々なソケットに交換が可能なユニバーサルタイプということですね。端子を交換することで、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地でも利用できる充電器です。
世界各国で利用できる優れた製品ということになりますが、通常、海外で旅行したり生活する人は、220Vまでの電圧に対応した製品を購入していて、そして変換プラグも所有しているという人がほとんどだと思います。変換プラグを利用すればいいので、わざわざこの製品を選択する理由というのは少し乏しいのかな?とも思いますね。複数の多用途の変換プラグを持ち歩くのは面倒だから、専用のものが欲しいという人にはいいのかもしれません。
Anker PowerPort III Nano
18Wまでに対応した小型で可愛い感じの充電器です。こちらは低価格でいいのですが、18Wまでしか対応していないので、iPhoneや旧型のiPad、Androidスマホなどの高速充電にぎりぎり対応という感じです。
でも、それだったらAnker PowerPort III Nano 20Wのほうが安いですし、最新のiPhone 12の20W充電にも対応しているので、こちらの製品を積極的に選択する理由はありません。
さらに、この製品も5Vは2.4Aまでの対応なので、本来のUSB PowerDeliveryの規格に準拠していないこともマイナスポイントになりそうです。
AnkerのUSB Type-C 1個口、USB Type-A 1個口の複数口タイプ
Anker PowerPort PD 2
こちらはUSB PowerDeliveryに対応したUSB Type-Cと、PowerIQに対応したUSB Type-Aの2口タイプです。USB Type-Cの端子は9V/2Aの18Wまでに対応し、iPhone12の20Wには少したりないですが、iPhone11までの18W高速充電に対応しているので、実力的にはスマホやタブレット用途としては十分です。
ただし、ノートパソコンなどを充電するには最低でも30W対応が欲しいところですので、この充電器はモバイル機器専用と考えたほうがいいですね。
そしてUSB Type-CにPowerIQという余計な充電規格が採用されていないというのも一つのポイントです。USB PowerDelivery対応の製品しか充電しないよということであれば、Ankerの独自機能であるPowerIQを採用していない充電器のほうがスッキリしていて無難です。逆に、PowerDeliveryに対応していない各メーカの独自高速充電規格に対応した製品に高速充電したい場合にはPowerIQ3.0に対応した充電器のほうがお勧めできます。
USB Type-Aは5V/2.4Aの12Wまでの対応で一般的な高速充電規格に対応した充電器としては平均的な商品です。可能であれば5V/3Aの15Wに対応した製品がいいのですが、たった3Wの違いですので許容範囲です。
合計出力が不明
ただ、この製品の問題点は合計出力で何ワットの出力があるのかという記述がないところです。例えば、両方とも最高のワット数を出力できるということであれば、9V/2Aの18Wと5V/2.4Aの12Wで合計30Wの出力が可能となります。
ですが、製品の中では最高出力が制限されていて、それぞれ排他的な利用になっている場合があります。例えば、最高のワット数が20Wだとすると9V/2Aで18Wの充電ができるが、5Vでは5V/0.4Aの2Wでしか充電できないという可能性がでてきてしまいます。
そのため全部のポートで最高ワット数の充電ができるかどうかを確認したいところなのですが、残念ながらこの製品にはそのような記述がありません。いちおう「2つの機器を同時にフルスピード充電できる」という記述がありますが、同時に最高のワット数で充電できるか確認できないので、選択肢になりにくい製品と言えると思います。
Anker PowerPort Atom III (Two Ports)
USB-C出力 5V=2.4A / 9V=3A / 15V=3A / 20V=2.25A (最大45W)
USB-A出力 5V=2.4A / 9V=1.66A / 12V=1.25A(最大15W)
価格 4299円
こちらの製品はUSB Type-Cで20V/2.25Aの45Wまで対応した充電器でスマホやエントリーのタブレットだけでなく、ハイエンドタブレットやノートパソコンへの充電も可能にしている機種です。
USB Type-Aの充電もPowerIQ2.0に対応し、USB Type-Aでありながら9Vや12Vの充電にも対応していて、通常の5V/2.4A 12Wの制限を超えて最高で15Wまでの充電も可能な機種となっています。また、合計で60Wの出力に対応しているという明記があるので、USB Type-CとUSB Type-Aの両方で最高のワット数で充電することが可能です。
なので、USB Type-Cでタブレットやノートパソコンを充電し、USB Type-Aでスマホなどを15Wまでの高速充電するといった用途や、USB Type-Cでスマホを充電し、USB Type-Aでゲーム用のコントローラーなどを充電するといったことにも向いている機種だと思います。
ただ一つ気になるのは、USB PowerDeliveryに対応していながら、5V時の充電が2.4Aまでにしか対応していないことです。規格では15W以上のUSB PowerDeliveryに対応した製品は5V/3Aの出力がなければいけないので、規格外の製品になってしまいます。なので、この点から、この製品はちょっと手を出しにくい製品ということになります。
Anker PowerPort ll PD – 1 PD and 1 PowerIQ 2.0
USB-C出力 5V=3A、9V=3A、15V=2A、20V=1.5A
USB-A出力 5V=3A、9V=2A、12V=1.5A
価格 3299円
もう長いこと記述してきました。続けると冗長的になるので、ここからは簡単に記述していきます。
まずUSB Type-Cは30Wまで、USB Type-Aは12Vまでで最高18Wまで対応しています。なので、こちらもノートプック、ハイエンドタブレット、スマホなどほとんどの機器に対応できる充電器です。
USB Type-Cは、ちゃんと5V時に3Aまで対応していますし、USB Type-Aは高電圧に対応しているので優秀です。
ただし、こちらも合計の最大ワット数の記述がありません。合計で48W出力に対応していればいいのですが、同時に最高出力で充電できない可能性があるので、こちらの製品は手を出しにくいという製品です。
Anker PowerPort PD+ 2
USB-C出力 5V/3A、9V/2A
USB-A出力 5V/2.4A、9V/1.67A、12V/1.25A
価格 3980円
USB Type-Cは9V/2Aまでですので、スマホやエントリータブレット向きの機種です。USB Type-Aは15Wまで対応していて一般的な5V/2.4Aの12Wまでの充電器より高速充電が可能です。
ですが、これも合計のワット数が記述されていないので、両方の端子で最高ワット数で充電できない可能性があります。このあたりがネックになりそうですし、価格的にも300円差だったら、Anker PowerPort Atom III (Two Ports)のほうがいいのではないのかな?と思います。
Anker PowerPort Speed+ Duo
USB-C出力 5V – 3A / 9V – 3A / 15V – 2A / 20V – 1.5A
USB-A出力 5V – 最大2.4A
価格 2799円
USB Type-Cは30Wまで対応していて、ノートブックなどにも利用できる性能があります。そのかわりUSB Type-Aは5V固定で最大5V/2.4Aの12Wまでなので、こちらはちょっと見劣りするスペックですね。なので、スマホ、タブレット、ノートブックをUSB Type-Cで充電し、その他の機器、例えばワイヤレスイヤホン、ゲーム機器のコントローラーなどを充電するのはUSB Type-Aでといった用途が向いていると思います。
ただ、こちらも最大の合計ワット数が記述されていないので、やはり同様に手を出しにくい製品です。
終わりに
このように充電機器を購入する場合には、いろいろ考えなければならないことが多く、注意して購入する必要があります。この記事を一通り読んでみると、何を考えて購入すればいいのかが少しわかると思いますので、参考になれば幸いです。
また、Switchの充電を考えている人もいると思います。Switchの場合、テレビモード以外では5V/2.4Aに対応していれば充電は可能なようですが、テレビモードでは15V/3.0A(正確には15V/2.6A)に対応している必要があります。
また15V/3.0A出力が可能な充電器でも、ちょっと特殊な方法で充電しようとする充電器があるので、確実にSwitchのテレビモードで充電できるとは限らない場合があります。なので、Switchのテレビモードでの利用を考えている場合には、対応する機器にSwitchのテレビモードに対応と明記してある充電器を購入するようにしたほうがよさそうです。
これらの記事は自分で調査した内容をもとに記述しています。記述内容が正しいことを保証するものではなく、記述内容に誤りがある可能性がありますので、様々な情報をご確認のうえ、製品選択の最終判断をしていただければと思います。
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