新規事業創出に向け、ニコンがデザイン部門を改編した。その成果が20年初頭にも出るもようだ。デザイン部門を社長直轄の戦略組織として位置付けたことで、映像やヘルスケア、産業機器などさまざまな事業の枠を超えてデザインの力をブランド価値向上や新規事業創出に活用できるようになる。
従来は映像事業部内にデザイン部があり、プロダクトデザイン課とグラフィックデザイン課があった。それを、2019年7月にデザインセンターと名称を変え、さらにプロダクトデザイン課をID(インダストリアルデザイン)グループに、グラフィックデザイン課をエクスペリエンスデザイングループにした。また、ソフトウエアのデザインを担当するUI(ユーザーインターフェース)&インタラクションデザイングループと、新規事業創出を狙うLife Imaging Labを追加した。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00306/
ニコンがデザイン部門を格上げ?
日経クロストレンドがNikonのデザイン部門に関する記事を掲載しています。記事元は記事の見出しと、一部の記事しか掲載されておらず全文を読むのは有料会員登録が必要になるようです。
その記事からわかるところによると、ニコンはこれまで映像事業部内にあったデザイン部を社長直轄の戦略組織として組織変更したということのようですね。その目的はデザインの力を利用して、ブランド価値を向上させたり、新規事業の創出に活用することとしています。その組織変更は2019年7月あたりに行われたことが記事から解り、そしてそれは早ければ2020年のはじめにも、その成果がでるかもしれないとしています。
それまでのデザイン部はプロダクトデザイン課とグラフィックデザイン課の二つがあったようですが、その二つに加え、ソフトウェアのデザインを担当する新規部署と、新規事業創出を狙う部署も追加したとも記述されています。このうちプロダクトデザイン課というのは製品に関するデザインに関わる部署で、グラフィックデザイン課というのは製品のパッケージのデザインやポスター、宣伝パンフレットなどを担当する部署のようです。これらの部署を拡充、格上げすることでイメージ戦略をより補強していこうという考えなのかもしれませんね。
全社的な統一デザインの採用と新たな事業創出が目的?
上記の文章ですと、ちょっとイメージとしてわかりにくいと思いますので、具体的にどのような変化になるのが画像で記述してみました。
従来は上記の図の上側のような組織があり、映像事業部内にデザイン部があったようです。上記の図でいえば例えばA部の中にデザイン部があったようなイメージになるわけですね。ですが、そのデザイン部が独立し社長直轄の組織になるということで、上記の図の下側の組織のように、デザイン部がトップ直属の組織になるということのようです。つまり、これまでは特定の部に属していたデザイン部ですが、社長直轄になることですべての部に関係できるような立場に格上げされたということが言えそうですね。
経営学用語では上側のような組織をライン組織といい、下側のような組織をラインアンドスタッフ組織といいます。通常の会社ですとライン組織のような一元的な流れになっている組織が普通ですが、ラインアンドスタッフ組織は高度な専門的な知識をもった人を社長などトップ直属の組織とすることで、より専門的な知見から各部署に関係することができたり、より集中して仕事ができるなどのメリットがあるとされています。
今回、デザイン部をスタッフ組織とすることで、社長直轄で意思決定がしやすくなること、各部の製品のデザインに積極的に関与することができるようになるという目的があるのだと思われますね。
またデザイン部門にデザインを利用した新たな事業創出を目的とする組織が新設されるというのは面白いですよね。何かデザイン的な観点から新たな面白い商品がつくられる可能性があるということなのでしょうか?しかも早ければ今年にも、新たなデザイン部門が関係した製品が発売される可能性があるようで楽しみですね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
改革はどんどん進めて頂きたい。ただ、ここ数年の業績悪化を招いた経営陣の入替えをまずはすべきではて個人的に思う。
社長の直下に置かれても良いものが出るとは限らない。その影響をもろに受けるから。
以前の会社は社長の意見が否定されず困ったデザインが多かった。
ただ良い方向に向かってくれることを望む。
個人的には、責任を取る組織体制、仕組みが必要ではと思う。