ニコンはAPS-Cをどう考えているのか
ニコンへのAPS-Cカメラやレンズに関するインタビューが公開されています。ニコンはAPS-Cに関してどのように考えているのか、この記事で詳しくお伝えします。
(前略)
ニコンのマーケティング資料やNikon Z50IIがターゲットとするユーザについての説明を聞くと、ニコンがスマートフォンからの移行を検討している新しいユーザに焦点を当てながらも、小型のカメラの機能の一部も利用したいと考えている新規ユーザに重点を置いていることは明らかだった。
「初代のNikon Z50は2019年に発売されたので、それから5年が経過している。この5年間でインスタやTikTokなどのSNSが登場し、多くの人々が高品質な動画を作成し編集する機会を得たと考えている。すべてのカメラメーカは同じ問いに直面している。スマホしか利用したことがない人々に、どのようにカメラを販売するのか?新しいNikon Z50IIでスマホユーザにとって魅力的なものにするためには、どのようような選択がされたのか?そして、電話からNikon Z50IIのようなカメラに移行することで得られる最も重要なメリットは何か?」と述べる。
ニコンはこれらのユーザがモバイルデバイスの限界を超えつつあり、意味のあるアップグレードのためにスタンドアロンのカメラを探すようになるだろうと述べている。
「Nikon Z50IIについていえば、ターゲットはスマホで撮影した画像に満足していないスマホユーザだ。次のレベルに進みたいということだ。」
(中略)
「Nikon Z50IIの主なターゲットはアマチュアのエントリーレベルの写真家だ。それが私たちのターゲットだが、アマチュアの写真家の撮影体験を妨げることなく、プロフェッショナルの写真家にもアピールできる機能をアップグレードし、Nikon Z50IIがセカンドカメラとしても機能できるようにいくつかの高度な技術を取り入れた。」
APS-Cユーザに関する話題は当然のことながらニコンのAPS-Cに関する全体的な戦略にまで及び、ニコンの将来の製品にD500のようなカメラが戻ってくる可能性があるのかどうかを聞いた。日本のカメラやレンズメーカは、将来の製品に関する質問に直接的に答えることはしないが、ニコンのAPS-C分野における戦略について、ある程度の考えを示した。
「Nikon Z50IIに限ったことではないが、APS-Cカメラを選択する人々は、通常は初めてカメラを使うアマチュアである傾向がある。私たちのAPS-Cレンズ戦略はエントリーレベルのカメラユーザ向けの提供を拡大することを目指している。」
(後略)
D500後継は実現するのか?
ニコンへのAPS-C製品に関するインタビュー記事が掲載されています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事ではニコンにAPS-C関連製品について聞いたところ、まずNikon Z50IIはエントリークラスのユーザ、しかも主にスマホから移行するユーザをターゲットにしているとしています。さらに、その上で、フルサイズを使用している人やプロフェッショナルも利用できるように高度な機能を取り入れたとしていますね。このことからNikon Z50IIはあくまでエントリークラスのカメラであることがわかります。
実際にはNikon Z50IIは一眼レフでいうところのNikon D7x00レベルの機能を搭載していて、ハイアマチュア向けといってもいいぐらいだと思いますが、いまは廉価な製品が売れなくなっているので、Nikon Z50IIクラスのカメラでもエントリークラスとなってしまうのだろうと思いますね。
そして気になるのは、今後のAPS-Cに関する考え方です。ニコンにNikon D500のようなカメラが登場するのかどうか聞いたところ、直接的な返答はなく、APS-Cカメラを購入する人は初めてカメラを購入する人が多いとして、Nikon D500には答えていません。記事では、答えていないということも答えの一つとして、Nikon Z70の発売があるかどうかは、このインタビューを読んだ人次第だとしてまとめています。
そして、このインタビューからわかることは、ニコンはAPS-Cレンズについてはエントリーレベルのカメラユーザ向けの提供を拡大しようとしていることです。このことから、残念ながらプロフェッショナル向けのAPS-Cレンズの発売はニコンからは期待できないのかもしれません。
エントリーレベル向けのAPS-Cレンズとはどのようなレンズになるのでしょうか?いま発売されているAPS-Cレンズについてみてみましょう。
- NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR
- NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
いまのところニコンから発売されているレンズは上記の5本です。まずはVlogや動画向けのパワーズーム、そしてキットレンズの標準と望遠が1本ずつ、さらに高倍率ズームと24mmの単焦点です。
メジャーなサードパーティーからはどのようなレンズがでているのでしょうか?シグマのレンズをみてみましょう。
- 16mm F1.4 DC DN [ニコンZ用]
- 30mm F1.4 DC DN [ニコンZ用]
- 56mm F1.4 DC DN [ニコンZ用]
こうみると、割といろいろとカバーできていると思いますが、もし動画に焦点を当てるなら標準域のパワーズームも欲しいのかなと思いますね。あとは標準マクロでしょうか?広角ズームも欲しいところですが、NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRで代替できると考えれば可能性は低いのかもしれません。
こうして考えると、さすがにf/2.8やf/4通しのレンズはニコンからは期待できないかもしれないですね。タムロンやシグマからはあるのかもしれません。またインタビューではエントリーユーザ向けのレンズの拡充と述べていますが、これを自社で行うとは書かれていないので、他社にお願いするケースもあるのかなと考えると期待が高まりますね。
そして「Nikon Z5II? Nikon ZfcII? 次にニコンからどのカメラが発売されると思いますか??」では次にニコンから発売されるカメラについて考えます。
(via)PetaPixel
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コメント
コメント一覧 (11件)
APS-Cの利点を生かした小型・軽量で安価な400mm(換算600mm)以上の望遠レンズを出して欲しいですね。
Z50IIにはせっかく鳥モードがあるので、夫婦で野鳥撮影したいのですが、キットの50-250mmだと換算375mmで、ちょっと足りない気がします。
そこそこ安い?と言われるタムロンの150-500mmはフルサイズ用なので重いですし、ニコンの28-400mmは軽いですが、高くてちょっと暗いです(今は私の180-600mmを二人で使い回して撮っていますが、奥さんは重くて大変らしいです。落として壊されそうで少し心配)
とりあえず運動会で使うのでDZキットを予約しましたが、奥さんの野鳥撮影に使う望遠レンズでかなり悩んでおります(しかも、フルサイズ用はどれもZ50II本体より高いです)
ぜひ、APS-Cでも野鳥(最低600mm)や動物園(200mm~。これはキットでOK)、運動会(400mm以上欲しい)に使える望遠レンズをお願いします!安価な望遠はエントリーモデルこそ必要なレンズだと思います。
Z50はD5600かD7500クラスの製品です。
バッテリーは小さく、バッテリーグリップも付かない。ボディ内手ブレ補正もなくシャッター速度も1/4000です。望遠だけでなく単焦点レンズの使用にもあまり適していません。
Z5、Zf等のクロップでは、11M程度になり、常用するには画素数が足りません。
APS-Cを買った方が皆フルサイズへ行く訳ではなく、APS-Cの中上位機へと思う方も少なくありません。レンズの買い替えが不要になりますので。
お金をカメラに次々使える方は限られますので、Z50ⅡがニコンのAPS-C最上位で、中級者はフルサイズへというのは、極めて考えにくいと思います。
APS-Cのレンズが少ないといいますが、他社でも超望遠、F2.8ズーム、単焦点はフルサイズ用かサードを使うのが一般的です。
APS-C専用レンズは18-140mmと広角ズームがあれば、ほぼ足ります。
出しているものを見てもそうでしょうね、という感じです。まぁ、語られたのはレンズ戦略ですし、ハイエンド側の需要は概ね超望遠なのでフルサイズと共用、というのは今までもそうでした。
とはいえ、ボディについて尋ねられての回答がレンズ戦略なあたり、意図的に言及を避けたと見えます。Zfの時のように「需要を認識している」的なマクラも無さそうですし。(元記事が省略しただけ?)
そのレンズ戦略は、シグマ18-50やタムロン11-20がZ向けに出てないのが不思議です。
自前で一揃えする戦略には見えませんし、中韓メーカーの動きを見ていると技術的・契約的な制限も考え難いのですが……
前回の記事と併せて、ハイエンドDX機は出ないと言っているように感じられました。
REDスーパー35mmセンサーの流用もあまり期待できないかも?
DXレンズの拡充自体は大歓迎なので、純正・OEMに関係なく積極的に出してほしいものです。
ソニーの認識と近くなってきましたね。正直残念です。
コンシューマが難しいということであれば、法人用のAPS-C機をぜひとも検討していただきたいですね。ネイチャー(超望遠)の現場では未だにハイエンドAPS-C機のニーズはあります。現状のFXミドル機にはDXクロップしたとしても代替できるような機種がありません。
そもそもAPS-C機からステップアップした先がフルサイズ機という認識も理解できません。昨今では安価なフルサイズ機が市場に溢れていますし、フルサイズ機が使いたい人は最初からフルサイズ機を選ぶんですよね。APS-C機に求めるのはそこではないというのをメーカー側が理解することが必要に思います。
D500 後継ミラーレス機の開発が水面下で進んでいたとしても
Z50II 発売前夜に水を指すようなことは言わないでしょう。
ニコンがターゲットとしているスマホからのステップアップを考えるユーザーはセンサーサイズよりもボディ+レンズのトータルコストで導入を検討していることが多いです。
レンズ含めAPS-Cラインナップを比較的低価格帯で出しているニコンの場合であればなおのこと、エントリー層に選ばれることが多くなるでしょう。
ニコンは最近大小問わず様々なイベントに協賛しカメラ・レンズ(と双眼鏡)の貸出を行うなど、エントリー層獲得に向けた広報活動にも力を入れているようですから、APS-Cレンズの拡充は十分期待できるかもしれません。
一方のハイエンド機は…少なくとも直近で出ることは無さそうですね。
一応原文も読んでみましたが、明らかにD500後継機登場への期待感を持たせない反応の様で…
まぁ30万近くはすると思われるハイエンドAPS-C機を買う層がどれだけいるかっていう話ですからね。
全くいない訳では無いでしょうが、収益に見合う数がいるかと言われればやはり怪しいのではないでしょうか。
短期的、或いは長期的に見ても割に合わないと判断されているのだと思います。
REDとの協業による相乗効果に期待するしかありませんかね。
APS-Cについては、センサーサイズによる写りの悪さは現状では無視できるレベルとなりつつあります。APS-Cがフルサイズの下位という位置づけではなく、特性の違いがある同等の機種と考えてもらいたいですね。
自分の身近なカメラ好きのおっちゃん達は、年齢に合わせて軽量なソニー機やAPS-C機へ移行しています。機能の充実したAPS-C機の需要は一定数あると思います。
レンズに関してはフルサイズ機のを使う事も出来るから高級ラインは拡充させない方針なんだろう。
APSのハイエンドが使いたい超望遠の人はすでにキヤノンかOMに流れていそうだし(後者はセンサーサイズ小さいけど)、否定派の人が頑張ってるのも手伝って出ないムードが日に日に強くなってきている。この辺のユーザーはもう切り捨てる方針なのかもしれないね。
どうしてもAPSで超望遠やりたい人はZ8でクロップかZ50Ⅱ買ってねって事ならそれは難しい話だ。前者は価格が高すぎる。50万あれば他社ならボディとレンズが揃えられる。後者は認識機能こそ充実してるけど、肝心のスペックが動体撮影にはしんどすぎる(せめて1/8000あればワンチャンあった)。本当にどうするつもりなんだろうね。せめてバッテリーがフルサイズ機と同型のが入るボディは出しそうに思うけど。
ニコンだけこのようなスタンスでいいんですかね。
ソニーですらIBIS搭載、FF機と同じ大容量バッテリーのα6600 / 6700を出しているのに、ニコンのAPS-C機は完全にエントリー層向けという位置付けのようで。
しかしこれはミドル層以上にはFF機を充実させるということなのか、Z5の後継機が出ることや10万円台後半のFF機を出すことも決まっているのでしょうか。
Z5IIはZ6IIIの発売から1年後の来年7月辺りには出るのではと予想してますが最廉価のZ3も出たり?
スマホからのステップアップなんだからエントリーじゃなくてミドルクラスのほうが良いのでは?
小さいボディと明るいパンケーキレンズとかの方が撮影しててスマホと違う楽しさを体験できるし。
apscでf3.5のズームレンズで撮影してもスマホと変わらんでしょ。