RFサードパーティレンズは進行中
キヤノンの最新インタビューによりサードパーティレンズメーカとの関連が明らかになりました。発売は近いかもしれません。
フルサイズのラインナップは充実しているが、APS-C用レンズも開発する予定か?
APS-Cレンズについては、昨年、広角ズームを開発した。そしてAPS-Cレンズを強化するために真剣に取り組んでいる。しかし、再び述べるが、すべては顧客の要望による。顧客が何を求めているか、そしてそのフィードバックをもとに、計画に優先的に取り入れていかなければならない。
しかし、フルサイズレンズでは幅広いラインナップがあり、それらはすべてAPS-Cカメラで利用することができる。また手頃な価格のAPS-Cレンズもあり顧客がそれらを十分に活用してくれることを願っている。
RFマウントがオープンな設計であることを踏まえて、キヤノンがサードパーティ製レンズの開発をどのように承認しているのか教えて欲しい。メーカは技術仕様にのみ準じる必要があるのか、それとも戦略的な要素が他にあるのだろうか?
現時点で述べておきたいことは、オートフォーカス付きのサードパーティ製RFレンズは存在しないということだ。ご存じの通り、我々はオープン戦略は採用していない。
とはいえ、40本以上のレンズがカタログにありながら、顧客の要望を満たすためにはラインナップの多様性が必要だ。これは去年よりも現在はサードパーティメーカとのコミュニケーションを大幅に増やしていることを意味している。現時点で言えることは、我々が他のメーカと秘密保持契約を結んでおり、リリースするレンズの種類や市場でのポジショニングについて話し合っているということだ。しかし、これ以上のことは言えない。
サードパーティ製のレンズはキヤノンのRFカメラの性能や機能に、キヤノン製のレンズと同じアクセスを持って居るのか?
この質問には正直に答えよう。キヤノンのレンズやボディを所有していて最高の機能を得たい場合、それはキヤノン製品の組み合わせでした達成できない。
サードパーティのメーカは彼ら自身の技術を使って最良の結果を得ようとするだろう。一方で我々はカメラ本体に関するすべての情報、レンズの光学性能、仕様を所有している。だからこそレンズの製造のみを行う企業ができることには限界がある。
APS-C用レンズにも取り組んでいる?
キヤノンへのインタビュー記事が掲載されています。
インタビューでは、かなり突っ込んだ内容にまで答えており、キヤノンの発言としては珍しくかなり深い内容まで答えているなという印象です。このインタビューでわかることはいくつがあるわけですが、それをまとめると以下のようになると思います。
- APS-Cレンズに取り組んでいるが顧客の要望次第
- サードパーティメーカと話し合っている
- サードパーティメーカのレンズには性能に限界がある
まずAPS-Cレンズについてはリップサービスの可能性があり、実際にAPS-Cレンズが大幅に拡充されるという可能性はそれほどないのかなと思いますね。しかし、APS-C用の大口径ズームなどは期待してしまいますよね。
そして、サードパーティレンズメーカに関する部分については、おそらくリップサービスではなくすべて本当のことを述べているだろうと思います。まずわかることはサードパーティレンズメーカとは話し合いをしていて、発売を許可するレンズ、メーカ同士の発売するレンズの棲み分けをどのようにするか考えている様子がわかりますね。
さらにサードパーティレンズメーカに、すべての技術的な情報を開示するつもりはないようで、技術的にはすべてサードパーティレンズメーカがリバースエンジニアリングなどして自分で実装しなければならないようです。おそらく、技術的な仕様が流通すると勝手にレンズを製造されてしまう可能性がでてくるので、キヤノンとしては営業秘密にしておきたいという希望があるのだろうと思います。
そしてその結果、RFマウントに関する仕様を完全には理解できないだろうということで、RFマウントが提供する技術を利用して最良の結果を得たいのであればキヤノン製品を購入する必要があるというようなことになっているのだろうと思います。
というわけで、今回のインタビュー記事はなかなか面白いですね。現在のキヤノンとサードパーティレンズメーカの関係性や開発の進捗状況がわかります。どのようなレンズが発売される可能性があるのでしょうか?
さらに「EOS R5、R6 II用縦グリがディスコン R5 Mark IIの予兆?? それとも??」ではEOS R5用縦グリの製造中止で高まるMark IIへの期待について詳しくお伝えしています。
(記事元)https://phototrend.fr/2024/02/interview-canon-cpplus-2024/
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コメント
コメント一覧 (6件)
CP+で某レンズメーカーから聞いた話と概ね同じですね。
ライセンス契約を結んでもマウント情報が全て開示される訳ではなく、リバースエンジニアリングが必要とのこと。その結果、ライセンス料+開発費でコストアップし、製品化も遅れるようです。
ミラーレスの場合、マウント違いの見た目はほとんど同じでも、ソフトウェアの制御が異なり、中身は別物のようです。
ニコンのTラインとも言われる、レンズ設計タムロンの商品もありますが、制御開発は全てニコンで行っているのでしょう。
そのため、価格が上がるものの、Eマウント用よりも写りが良くなったり、テレコンが使えたり、最短撮影距離が短くなるなどのメリットがあるようです。
MFレンズに必要な情報くらいは開示するけど、AF等は非開示、って感じなんですかね。だとするとハードルは高く、サードの利点である低価格提供も難しくなりますね。
また、現代のレンズは大なり小なりソフト補正に依存するものが多いですが、その辺が非開示だと使用に耐えないのも辛いところ。
期待されている方にとっては残念な知らせですね。ただ、数年前の「知らん、勝手にやれ」よりはだいぶ具体化した印象です。
個人的には、既に自身のレンズラインナップを確立したのでサードが出なくても別に構わないですが……常用レンズは買い、スポットで必要なものはレンタル、で行けちゃうんですよね、全然。ただの趣味人ですし。
リバースエンジニアリングに委ねると
調べてわかったことなら何をやってもいいということになりませんか?
ソニーがやっているように基本プロトコルはサードパーティーに公開で上位で高速なプロトコルは非公開、になるということではないでしょうか?
クリーンルームなリバースエンジなら著作権的には合法で、それこそEマウントをリバースエンジして15fps超の高速撮影を独自実装することも可能なはずです。(実装や規格そのものが特許化されていたらアウト)
ライセンス契約内にリバースエンジを縛る文言が入っていそうですし、契約して情報提供された時点でクリーンルーム実現が難しくなりますが、契約せず野良で頑張れば理論上は可能なはず。現実味は無いですが……。
1toZさん
おはようございます。
ソニーが高速連写可能なボディとレンズを出したのは最近なので
Eマウントを開放したときに高速連写は含まれていなかった可能性もあります。
今の所、サードパーティは契約時の規格でしか作れないので技術の進歩に
見合わないことも出てくるかも知れません。
技術力があればリバースエンジニアリングの方が自由に出来ますね。
※以上、想像です。
EFマウントと同じくDPP4で光学補正は出来るがDLOが使えないのでしょう。
ここは現像ソフトメーカーが何とかするので特に心配する必要はないかも
しれません。
オープン戦略は採用しないと言っているのでEFマウントと同じ状況に
なると思われます。
またEマウントのように連写速度制限もしないでしょう。
オープン戦略は採用しないと言った時点で制限は設けられません。
サードパーティの技術力次第です。
1toZさんのおっしゃる通りボディに影響を与えない限り何をしても
良い事になります。