EOS R1はニッチなカメラ
EOS R1は退屈なカメラだというレビュー記事が公開されています。なぜ退屈なカメラだと感じたのでしょうか?この記事では詳しくお伝えします。
年間のカメラ賞に関連する内部投票や議論のなかで、EOS R1はすぐに候補から外れることが明らかになった。この非常に期待されていたフラッグシップカメラは長い間待たされてきたが、いざ登場すると未完成であり、さらには退屈に感じられた。
ここで細かい内容に入る前に、EOS R1にとっては楽しい時間にはならないことを考慮して、まず一つ言っておきたいことがある。EOS R1は素晴らしいカメラだ。いくつかの重要な分野において競合としっかり対抗しており、要求の厳しいスポーツや報道のプロフェッショナルが求める速度と性能を提供している。ターゲットとなる顧客にとってほぼ完璧な設計と性能を持ったカメラだ。特定の写真家のグループにとっては非常に優れたカメラだ。
しかし、ここに問題がある。ターゲットとなる顧客が非常に狭いのだ。一方で、競合他社は最上位モデルのユーザの範囲を拡大している。Nikon Z9やα1 IIはEOS R1と同じぐらい高速で、はるかに高解像度のイメージセンサーのおかげで、さらに汎用的に利用できるカメラだ。時代は変わり、写真家たちはますますすべてに適したカメラを求めている。一部の人々は依然として高度に専門化された(つまりそれは制限された)カメラを望んでおり、そういった人々はおそらくEOS R1を本当に愛しているだろう。しかし、他の全ての人にとってEOS R1は、もはやキヤノンのフラッグシップカメラがかつて持っていたように憧れのカメラではなくなった。
(中略)
例えば、様々な理由からα1やNikon Z9(またはNikon Z8)を購入するつもりがないとしても、人々は依然としてこのカメラに興奮している。彼らがそれに興味を持っているのは、それは夢のカメラであり、多くの人が手に入れたいと願うようなカメラだからだ。これらのカメラは技術的な成果を象徴し、あなたの写真撮影技術を向上させることや、少なくとも望む写真を撮影するのを容易にしてくれることを約束している。
(中略)
これは画素数だけの問題ではない。α9 IIIもニッチなユーザ向けに特別に作られた高価な2400万画素のカメラだ。このカメラが1位を獲得した。α9 IIIはEOS R1にはない魅力がある。α9 IIIは画期的で、EOS R1は実現までに長い時間がかかったせいか、予想外のものは何もなかった。
(中略)
EOS R1は非常に強力でありながら、同時に残念なほど退屈だ。キヤノンはEOS R5 Mark IIのような優れたカメラや、RF24-105mm F2.8 L ZやRF100-300mm F2.8 Lのような素晴らしいレンズを含む多くのエキサイティングなことを行っているが、同社のフラッグシップカメラはその中には含まれていない。投票を終えた後、社内のチャットでEOS R1は素晴らしいカメラだが、存在を忘れても何も問題はないだろうと述べた。フラッグシップカメラが注目されないのは全く前例のないことだ。キヤノンの評価すべき点は、2024年に多くの写真家が待ち望んでいたカメラを発売したことだが、それはフラッグシップモデルではなかった。
スポーツ撮影、報道向けのEOS R1
EOS R1に関する感想が記事として公開されています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事ではEOS R1は未完成で退屈なカメラだと指摘しています。いきなり大胆な指摘から入りますね。記事では、EOS R1は非常に優れたカメラだとしながらも、特定のユーザにターゲットを絞りすぎていて、万人受けするカメラではないので、非常に退屈なカメラと感じられるのだそうです。
EOS R1については画素数が指摘されていたり、もっとわくわくするような機能が搭載されることを期待していたようです。画素数が少ないというだけではなく、フラッグシップとして憧れるようなカメラにはなっておらず、これは前例がないことだとしています。
同じ画素数が少ないα9 IIIについては画素数が少ないながらもグローバルシャッターというこれまでにない技術が搭載されており、その点において画期的で素晴らしいカメラだと考えているようですね。Nikon Z9は高速で、かつ画素数も多いので退屈なカメラにはならないようです。
しかし、当サイトで何度も記述していますが、このカメラはまさに記事に書かれている通り、スポーツ写真や報道向けに作られたカメラで、失敗してしまう可能性をできるだけ少なくし、天候などの状態が悪いときにでもしっかりと撮影できるカメラとして作成されていて、順当に進化しておりまったく問題ないと思いますね。おそらく足りないのは画素数と、何かしらのワクワク感のようなもので、画素数についてはアクション撮影のカメラと考えれば、この程度の画素数なのは仕方がないとしか言いようがありません。
またワクワク感についても、このカメラのターゲットを考えれば、わくわくさせるような機能は必要なく、仕事の道具として便利に扱えればそれでよくて、その点でEOS R1は十分に役目を果たしていると思います。
キヤノンは今後、画素数の多いフラッグシップも用意しているかもしれませんし、個人的にはEOS R3シリーズが汎用的なより画素数の多い縦グリ内蔵タイプとして発売されていくのではないかと思っているのですが、そのようなカメラを購入したいのならEOS R3、またはEOS R3が高画素機にならなかった場合にはEOS R5 Mark IIを選択すればいいだけだと思いますね。
何かしらと不満を言われてしまうEOS R1ですが、これはキヤノンに対する期待値の高さの裏返しと考えることもでき、それだけキヤノン製品に期待する人が多いということでもあると思います。人気のあるキヤノンのカメラだけに、このような指摘があるのも仕方が無いのかもしれませんね。
さらに「キヤノン 2025年にf/2.8通しAPS-Cズーム、廉価なフルサイズ望遠ズームを発表する!?」ではキヤノンがAPS-Cレンズを発売するという噂について詳しくお伝えします。
Nikon Z 9 | EOS R1 | |
イメージセンサー | 4571万画素 裏面照射積層型 | 2410万画素 裏面照射積層型 |
エリア全域でのクロスAF | - | 対応 |
イメージプロセッサ | EXPEED 7 | DIGIC X + DIGICアクセラレータ |
常用ISO | 64-25600(拡張32-124000) | 100-102400(拡張50-409600) |
フォーカスポイント | 493点 | 1053点 |
メカシャッター | - | 対応 |
動画(最大) | 8K 30p、4k 120p | 6k 60p、4k 60p |
EVF | 0.5インチ 369万ドット | 0.64インチ 944万ドット |
視線入力AF | - | 対応 |
背面液晶 | 3.2インチ 210万ドットタッチ式4軸チルト | 3.2インチ 210万ドットタッチ式バリアングル |
ボディ内手ぶれ補正効果 | 6.0段 | 中央8.5、周辺7.5段 |
連続撮影(電子シャッター) | 20コマ(4570万画素、RAW) 30コマ(4570万画素) 120コマ/秒(1100万画素) | 40コマ(2410万画素) |
メモリカード | デュアルCFExpress Type B/XQDスロット | デュアルCFExpress Type Bスロット |
バッテリー | EN-EL18d | LP-E19 |
シャッター速度(電子シャッター) | 1/32000~30秒 | 1/64000~30秒 |
シャッター速度(メカシャッター) | - | 1/8000~30秒 |
シンクロ同調(電子シャッター) | 1/250秒 | 1/320秒 |
マイク端子 | 対応 | 対応 |
ヘッドホン端子 | 対応 | 対応 |
GPS | 対応 | 対応 |
最大画像サイズ | 8256×5504ピクセル | 6000×4000ピクセル |
測距可能輝度 | -7~19 EV | -7.5~21 EV |
バッテリー寿命 | 700コマ | 530コマ |
WiFi 6G | - | 対応 |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
サイズ | 1340g、149×150×91mm | 1115g、158×150×87 mm |
価格 | 店頭予想約70万円前後 | キヤノン公式108万9000円 |
(source)PetaPixel
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コメント
コメント一覧 (6件)
ペタピクセル如きが何を偉そうに語ってるんだと言うのが正直な感想
単なる作例写真家レベルでマーケティング含めた話までするのに説得力のある連中じゃないから
それならZ9やα1Ⅱはアイツラが言う憧れのカメラなのか?
ヒエラルキーの構成の仕方は各社違う
それなのに明確な評価軸もないのに、かなり主観的な言い分になる憧れのカメラ云々とか言い出すのは、単に自分達に気に入ったカメラでなく、実用的で保守的なスペックに落ち着いた事が単に気に入らなかっただけの話だろ
α9Ⅲがグローバルシャッターになったり、α1Ⅱ2が50MPになったのに対して、積層センサーのままで、しかもソニーの半分の画素数しかないR1が面白味に欠けるから
読み出し速度の話はグローバルシャッターのカメラが出ると、語るのも退屈になるから話したくないだけだろ
またAFの捕捉力については、なかなか定量的に語るのも難しくなるから議論は避けたいんだろ
憧れ云々とか抽象的な話を持ち出す以上、当然そういう反論を食らうのは覚悟の上で話すことだよな
報道とスポーツのプロに向けて開発されたカメラです。AF追随などはα1やZ9より遥かに優れており、また彼らには高画素はさぼど必要性がないものと思われます。
ワクワク感って何なのでしょうね?
要約すると「『ぼくのかんがえたさいきょうのカメラ』じゃなかった!」ですね。
もちろん憧れやワクワク感をそそるカメラはあって然るべきだし、そういうフラッグシップがあるのも大いにありです。キヤノンの”1″はそうじゃない、というだけの話。
様々な見方はありますがキヤノンはスポーツや報道のプロフェッショナルが
望む尖ったカメラが作りたかったんでしょうね。
それは万能機では無いかも知れませんが用途によっては最高のカメラですね。
このレビュアーさんは EOS R5 Mark IIを選べばよろしいかと思います。
管理人さんの仰る通りR1は確実に撮れる・ミスを無くす・プロ向けの信頼性を重視したカメラであってその中におけるキヤノンの最高のカメラという位置づけでしょうね。ワクワクを求めるならR5IIがあるので、R1がどうこう言われる筋合いは無いわけですし。こういうのも個人としての意見(というか感想)なら別に良いんですけどね。
一眼レフの時代から、1系はずっと特化型カメラなのになんで今更言い出してるんだ?
R100だって一眼レフの時代から発展途上国向け廉価カメラはあったのに、急に文句言い出してるし。
一眼レフ時代をさっぱり知らないやつが、言ってるのだろうか。