開発は予定通り 出来映えは120%
EOS R1の発売を受けキヤノン幹部へのインタビュー記事が掲載されています。EOS R1はどのように開発され、そしてなぜ今発表されたのでしょうか?
(前略)
「お待たせしていたEOS Rシリーズのフラッグシップがようやく出せた。カメラのフラッグシップモデルは作り上げるのが非常に難しく、開発に相当なパワーや時間を要する。開発陣は、100点満点ではなく120点満点の完成度を目指して開発してきた。そうでないと、プロのみなさんに満足してもらえないからだ。事業を考えれば新製品は早く出せた方がよいが、消費者に歓迎されるための品質が備わっていなければならない。特にカメラのフラッグシップはそうだ。急ぐのではなく完成度を高めることに力を注いだ結果、これだけの時間がかかってしまったが、結果的にはほぼ計画通りだと思っている」と振り返りました。
(中略)
ソニーの「α9 III」が搭載して高い評価を得ているグローバルシャッター方式のCMOSセンサーを採用しなかった点については、「キヤノンでもCMOSセンサーの開発部隊が研究開発をしているが、画質など今まで確保できていた性能が落ちる点があることが分かった。全体のバランスを勘案した結果、EOS R1では採用を見送った」と語ります。
(後略)
記事ではEOS R1の開発目標や発表時期について記述されています。より詳細なインタビュー内容となっていますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さてEOS R1は120点満点の完成度を目指して開発し、そのために時間がかかってしまったが、ほぼ計画通りの製品ができたとしています。つまりEOS R1は120点満点の出来ということになりますね。そして発表がオリンピックの直前になったことについては、EOS R1はオリンピックに合わせて作られたと、フラッグシップを開発するときにオリンピックを意識しないことはないとしています。ということはEOS R1 Mark IIは4年後に登場することになりそうです。
そして気になるのはEOS R1がグローバルシャッターセンサーにならなかったことについてです。ソニーはα9 IIIでグローバルシャッターセンサーを採用していますが、特にベースISOが高く低ISOでの画質に問題があることを指摘されていました。キヤノンもグローバルシャッターセンサーを開発しているようですが、画質などの性能が落ちることがわかったため、採用を見送ったとしています。逆に言えば採用しようと思えばできたということになり、キヤノンもすでにグローバルシャッターセンサーの開発が進んでいて量産可能な段階にあるらしいことがわかりますね。
このように内部の話を聞くのは楽しいし、その意図がわかり面白いですね。
さらに「EOS R1をテストしたときEOS R3 Mark IIのように感じずにはいられなかった」ではEOS R1のレビューについて詳しくお伝えします。
| Nikon Z 9 | EOS R1 | |
| イメージセンサー | 4571万画素 裏面照射積層型 | 2410万画素 裏面照射積層型 |
| エリア全域でのクロスAF | - | 対応 |
| イメージプロセッサ | EXPEED 7 | DIGIC X + DIGICアクセラレータ |
| 常用ISO | 64-25600(拡張32-124000) | 100-102400(拡張50-409600) |
| フォーカスポイント | 493点 | 1053点 |
| メカシャッター | - | 対応 |
| 動画(最大) | 8K 30p、4k 120p | 6k 60p、4k 60p |
| EVF | 0.5インチ 369万ドット | 0.64インチ 944万ドット |
| 視線入力AF | - | 対応 |
| 背面液晶 | 3.2インチ 210万ドットタッチ式4軸チルト | 3.2インチ 210万ドットタッチ式バリアングル |
| ボディ内手ぶれ補正効果 | 6.0段 | 中央8.5、周辺7.5段 |
| 連続撮影(電子シャッター) | 20コマ(4570万画素、RAW) 30コマ(4570万画素) 120コマ/秒(1100万画素) | 40コマ(2410万画素) |
| メモリカード | デュアルCFExpress Type B/XQDスロット | デュアルCFExpress Type Bスロット |
| バッテリー | EN-EL18d | LP-E19 |
| シャッター速度(電子シャッター) | 1/32000~30秒 | 1/64000~30秒 |
| シャッター速度(メカシャッター) | - | 1/8000~30秒 |
| シンクロ同調(電子シャッター) | 1/250秒 | 1/400秒 |
| マイク端子 | 対応 | 対応 |
| ヘッドホン端子 | 対応 | 対応 |
| GPS | 対応 | 対応 |
| 最大画像サイズ | 8256×5504ピクセル | 6000×4000ピクセル |
| 測距可能輝度 | -7~19 EV | -7.5~21 EV |
| バッテリー寿命 | 700コマ | 530コマ |
| WiFi 6G | - | 対応 |
| Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
| サイズ | 1340g、149×150×91mm | 1115g、158×150×87 mm |
| 価格 | 店頭予想約70万円前後 | キヤノン公式108万9000円 |
(記事元)+Digital
- キヤノン 1.4倍テレコン内蔵 400mm f/2.8、600mm f/4ほかの特許
- キヤノン 200mm f/1.8、300mm f/2.0レンズの特許を出願
- EOS R3 Mark IIが本当に登場する可能性があるのか語ろう
- キヤノン 高解像度EOS R3 Mark IIを開発中 冬季五輪でテスト実施の新情報
- キヤノン AE-1 発売50周年記念モデルとなるレトロカメラを2026年に発表か
- WiFi6搭載の次のキヤノンの新製品はどのような製品なのか?
- キヤノン 2026年にレトロデザインのカメラをついに発売との新情報
- キヤノン 低価格な非L RF70-200mm F2.8 STMレンズを来年投入との情報
- キヤノン 2026年5月にフラッグシップクラスのカメラを発表との新情報
- EOS R6 Mark III 供給不足解消へ キヤノンが供給状況を更新


コメント
コメント一覧 (0件)
キヤノンもグローバルシャッターセンサーを開発しているようですが、画質などの性能が落ちることがわかったため、採用を見送ったとしています。
この辺りがキヤノンとソニーのわかりやすい方針の違いですよね