カメラの発売が延期されているのはマグネシウム不足だから?
カメラやレンズの新製品が発表されない理由は、マグネシウム不足にあるのではないかという観測があるようです。どうしてそのように考えたのでしょうか?
(前略)
キヤノンや他のカメラメーカが、まだレンズやカメラ本体のマグネシウム需要に追いついておらず、新しいカメラやレンズに十分な量を行き渡らせられない可能性がある。しかし、この推測を決定付ける可能性があるかもしれない手がかりが一つあり、それはBG-R10、つまりEOS R5とEOS R6のバッテリーグリップに関するものだ。バッテリーグリップはR6とR5のカメラ本体と一緒に発表され、鋳造マグネシウム合金で作られた。
2020年7月にキヤノンはBG-R10の需要が供給を大幅に上回ったと述べた。
2020年7月9日に発表された以下の製品について、予想以上の注文を受けたため、製品をお届けするまでに時間がかかる場合があります。
【対象製品】EOS R5/EOS R6バッテリーグリップBG-R10
当時、私は疑問に感じた。どうしてキヤノンはバッテリーグリップを売り切ってしまうのか。そして、なぜキヤノンがさらに製造するのに相当な時間がかかるのか。バッテリーグリップには複雑なものは何もない。そして、これは世界最大のカメラメーカであるキヤノンの製品だ。キヤノンの自動組立ラインで大量生産されるものだ。当時はまったく理解することができなかった。
2024年2月、キヤノンは驚くべき行動をとり、BG-R10を密かに終売するか、また大きな在庫問題を抱えているようだった。これは私にとっては驚きで、キヤノンは使用しているカメラがまだ積極的に出荷されている最中にバッテリーグリップを終売にしたことは記憶にない。
しかし、振り返ってみると、キヤノンが深刻なマグネシウム不足になっている場合、彼らはおそらくバッテリーグリップではなく、より高価格な商品にそれを利用しようとするだろう。このことは最初に発表されたときに供給が不足していた理由、そしてキヤノンがEOS R5とEOS R6 Mark IIがまだ出荷されているにもかかわらず、完全に終売にすることを決定した理由だと簡単に説明することができるはずだ。
(中略)
もし実際にマグネシウムが極端に不足している場合、以下の状況も説明できるかもしれない。
- EFレンズとEFマウントカメラはすぐに製造中止になった
- キヤノンがEFマウントのカメラとレンズを突然製造中止した理由はEFとRFのカメラとレンズの製造に使用する材料が手元になかったと考えられる。何かが犠牲になるとしたら、それは製造中止になる予定のマウントで、ユーザが移行することを望む新しいマウントではない。
- RFレンズとカメラが欠品した
- このことがキヤノンがカメラとLレンズの両方が不可解なほど常に供給不足になっている理由と説明できるだろうが、これはこれまで見たことがないことだ。キヤノンは過去数年間で2倍の数のレンズとカメラ本体を生産することに慣れており、その後10年間でそれを最適化したはずであるため、私としてはキヤノンが需要に対して単純に応じることができないという理由に同意できない。
- 新しいカメラやレンズは市場に登場するまで時間がかかっている
- マグネシウムが減少しているため、古いカメラを製造し、それに替わる他らしいカメラを市場に投入するための供給が少なくなる。後継製品の製造は、発売の前から行われる。
記事では、マグネシウム不足がカメラやレンズの生産に影響を及ぼしているかもしれないと伝えています。記事によれば、マグネシウムの主要な生産国は中国で、その中国が使用するエネルギー量を削減する政策を実施したため、非常に多くの電力を利用するマグネシウムの製造に問題が発生している可能性があると指摘しています。
これによりカメラ本体などに利用するマグネシウム合金を入手することができなくなり、カメラやレンズの製造ができなくなっているのではないかと推測しています。
これまで最も早い噂では、今年の初めにソニーがカメラやレンズの製造に何らかの問題を抱えているのではないかと言う噂がありました。そして、最近では、ソニー、キヤノン、ニコンが新しいカメラをかなり長期間にわたって発表していないことが話題になっています。
一部の噂では、欧州のAI規制法により、カメラのAIを利用した被写体認識技術が問題視される可能性があり対応しているのではないかという憶測もありました。しかし、この記事ではマグネシウムの生産に起因しているのではないかとしています。
メーカは個別に様々なサプライチェーンを利用して部品の納入を受けているはずで、多くのメーカで一斉に生産に困るほどの何か問題が発生するとは考えにくいように思います。メーカ全体が影響を受けるとしたら、法律など何かしらのメーカ全体にかかる規制が原因なのではないかという話になり、それで欧州のAI規制法がやり玉にあがりました。
しかし実際にはマグネシウムという基本的な「材料」が入手しにくい状況になっているとしたら、これもすべてのメーカに関係する問題になると思いますので、各メーカで製品の製造ができなくなり新製品発表が遅れている理由も説明がつくのかなと思いますね。
ただ、あまりに壮大な話や推論であるため、確かめるのは難しく実際にどうなのか判断するのは難しそうです。実際はどうなのでしょうか?単なる杞憂なのか、それとも実際に材料や部品不足が発生しているのでしょうか?
(記事元)CanonRumors
- カメラのキタムラ売れ筋ランキング Nikon Z30が首位 EOS R5 IIが2位で猛追
- サムヤンのRF-Sレンズは正式認可を受けている!? キヤノンのレンズ戦略に変化か?
- EOS R1は報道スポーツ写真に理想的だが少し専門的になりすぎたかもしれない
- キヤノンが24-130mm f/4、24-80mm f/2.8のレンズ特許を出願
- キヤノン R6 III、積層センサーのR7 II、プロ向けRF-Sレンズ2本計画中か
- キヤノンRF50mm F1.4 L VCMの供給不足を告知 通常より時間がかかる可能性
- キヤノン EOS R1のテクノロジを解説する特設ページ公開 クロスAFの技術ほか
- RF70-200mm F2.8 L IS USM Zに白と黒のカラバリが設定された理由が判明
- キヤノンのRF200-500mmはf/4ではなくf/5.6になるという噂が急浮上
- RF35mm F1.4 L VCMは複雑なレンズで賛否両論になるのは明らか
コメント
コメント一覧 (5件)
確かに…その線はありそうですね。
BEV自動車も、一部に軽量化のためアルミ-マグネシウム合金が採用されていると思われます。
なにせ中国政府が生産支援しているため、マグネシウムの中国国内優先…ともなりそうですし…。
AI法起因説よりはよほど可能性高そうです。BG-R10の終売は奇妙ですもんね。後継機の予定があるので受注停止ではなく終売、だとしてもせめて後継機の発表後の方がいいでしょうし。
上位機ほどマグネシウムの配分が高いですから、R5IIへの影響は大きそうです。RFレンズはLレンズでも非金属が多いですが、全く使われてないわけでもないですかね。
マグネシウム地金は日本では90%が中国からの輸入に頼っているので
可能性はありますね。
最近は価格が3倍になっているようです。
ただこれは3年前に既にマグネシウム不足が言われ価格も高止まり
でした。
原因は中国の電力不足です。
最近はそれがより顕著になってきたのかもしれません。
ボディ、レンズも外装はプラスチックに出来ても内部の躯体は
金属でしょうからアルミと共にマグネシウムの使用も考えられますね。
強度を考えればプラスチックよりマグネシウム合金を採用した方が
小型で軽く(肉厚を落とせる)作れるので技術屋さんも困っていそうです。
マグネシウムの訳ないだろ(笑)
マグネシウム不足は2021年の話
2023年にはEV車の普及が進まず、逆に暴落してる
そもそもマグネシウムの用途の40%はアルミ合金の添加物向け
マグネシウム単体で不足することは起きてない
自動車のエンジンブロックに使われるにしても、再利用可能な訳で不足する事はない
にしても、こんなトンデモナイDEMA流すならず者がいるとか許せないな
なるほど、
ぐぐったら出てきましたね。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB119VS0R10C24A3000000/
会員ではないので全文読めてないですが…
自分は、中国のBEV車の墓場の写真によりリサイクルされずにうもれてるマグネシウムや、中国のBEV車の過剰生産のニュースを見て、↑と思ったんですが、それ以上に中国でマグネシウムの過剰生産してるようですね。