なぜNikon Z 30は売れているのか?
Nikon Z 30が売れています。どのぐらい売れているのかというと、ヨドバシカメラの6月下旬のランキングで2位になり(上旬は10位)、そしてBCNランキングでは6月24日の週のランキングではついに1位になっているほどです(前週は5位)。BCNランキングでは Nikon Z 30はトップ10の常連になりつつあり、かなり売れているカメラであることがわかります。
現在、APS-CでEVFのない動画向けとして発売されているカメラとしては、現在ではNikon Z 30とZV-E10しかありません。マイクロフォーサーズまで目を向けるとPEN E-P7もありますが、E-P7は現在、品不足になって購入することができません。従って、EVFのないタイプで動画向けで、APS-Cとなると、自動的にNikon Z 30とZV-E10が該当することになります。
そのためユーザの需要にぴったりとはまったNikon Z 30やZV-E10が売れている可能性があるのですが、なぜこれらのカメラが売れているのでしょうか?そして、動画向けであればZV-E10でもかまわないはずなのにNikon Z 30が売れているのか、正直、自分には理解ができませんでした。
最後にも触れますが、自分はZ 30が発表されたときに売れるかどうか確信が持てませんでしたが、結果的には売れているわけで成功していると考えていいと思います。今回は、自分を納得させるためにNikon Z 30がなぜ売れているのか、その理由について考えてみたいと思います。
可能性その1 デザインが人気?
まずデザインについてですが、最近は軍艦部のないデザイン、つまりカメラの天板の部分の山のように出っ張りのないタイプのカメラが人気になっている可能性があるのではないかと推測してみました。
最近、人気となっているカメラは比較的、四角い形で”のっぺり”としたカメラが多いです。例えば、富士フイルムのX100VI、パナソニックのLUMIX S9についても四角形のタイプです。シグマで最近また人気が復活しているSIGMA fpや最近発売されたPENTAX 17もそうですし、いまではα7より売れているα7Cも同様です。このことから、全体的に四角形のカメラ、すなわち場所を取らない小さなカメラや、カバンのなかでもひっかかりなく取り出せるカメラの人気が高まっているように思います。
考えてみればスマホ、オールドコンデジ、最近人気の廉価コンデジ、中古フィルムカメラも基本的には同じような四角形の形をしています。
そこでデザインが同じように四角いNikon Z 30やZV-E10が選ばれている可能性がありそうですが、これを裏付ける何らかのデータがあるわけではないので、筆者の想像でしかありません。
可能性その2 レンズの性能が良い
様々なレビューをみると、ニコンのキットレンズの性能の良さが取り上げられています。ZV-E10のパワーズームは少し写りが悪いという評価も多く、商品を選択するにおいてレンズの性能が高いこと、望遠ズームの望遠端が250mmまでとZV-E10よりも若干長いことで人気が高まっている可能性があるのではないかと推測してみました。
また静止画の撮影で考えるとパワーズームではすぐにズーミングできないことがあり、マニュアルのほうが便利だと考えられているのかもしれません。しかし動画向けと考えるとパワーズームのほうが便利なはずで、このあたりは一長一短ということになりそうです。
ユーザが製品を購入するときに様々なレビューや口コミを見ている可能性は高く、その結果、より画質良く撮影できるレンズがあることでNikon Z 30が選択されている可能性は確かにありそうです。しかし、これも何らかの裏付けがあるわけでもなく推測でしかありません。
可能性その3 操作性が良い
ZV-E10は当たり前ですが動画向けなので比較的、カメラの操作系は動画を撮影することに割り切っていると評価している人が多いようです。一方でNikon Z 30にはPSAMダイヤルがあり、背面にも操作系が多くあるので比較的に静止画撮影にも対応できる設計と考える人が多いのではないでしょうか?
動画の撮影で考えれば、カメラ本体にズームレバーのあるZV-E10のほうが便利に扱えると思いますが、静止画と動画をそれぞれ切り替えて、思い通りに撮影したいとなるとISOボタンや露出補正ボタンがあり、背面のボタン類も充実しているNikon Z 30が選択されているのかもしれません。
可能性その4 製品在庫がある
ひょっとしたらZV-E10は製品在庫がなく、購入しにくい製品なので、消極的選択としてNikon Z 30が売れているのではないかと仮定してみました。ランキングの集計期間のことは過去のことなので調べられないわけですが、現在の両機種を価格.comで調べてみると、むしろNikon Z 30のほうが販売しているショップが少なく、特に全国チェーンとして有名なショップが販売をしていない状況でした。
このことから考えると、ZV-E10が供給不足になっていて、Nikon Z 30が消極的に選択されている可能性は低そうに思えます。
一方で、似たような価格で販売されているEOS R50のダブルズームキットですが、こちらは多くのショップで在庫切れになっています。そのため全国チェーンの有名ショップではほとんど問い合わせ状態になっており購入することができません。従って、EOS R50ダブルズームキットを購入したいが、購入できないのでNikon Z 30やZV-E10のほうに流れている可能性は考えられそうです。
ただ、それでもEVFありのEOS R50を購入したいという人が、EVFのないカメラを代替品として購入するかどうかについては未知数です。
可能性その5 価格が安い
その次の可能性として、カメラの価格が安いから売れているのではないかという推測は当てはまるでしょうか?これを調べるために価格.comでそれぞれのカメラの最安値を調べて見ました。
- Nikon Z 30ダブルズームキット 13万5630円
- ZV-E10 ダブルズームキット 10万3542円
- EOS R50ダブルズームキット 13万5591円
というわけで、Nikon Z 30はEOS R50とほぼ同じ価格で、さらにZV-E10よりも価格が高くなっています。このことから、積極的に価格が安いカメラだから選択されているわけではないことがわかります。
結局のところ・・・
というわけで、いろいろ可能性を推測してみましたが、残念ながらこれという理由はよくわかりません。強いて言えば、四角い形のデザインと、背面液晶だけで小型、動画向けとなっている製品、静止画向きの操作性があるといったことの組み合わせで総合的に評価されていて売れているというような、ふんわりとした答えになりそうです。
発表された当時は、このようなカメラは売れないのではないかと思っていたのですが、想像以上に売れているので驚いています。
さらに「Nikon Z 6IIIのダイナミックレンジの悪さは(ほとんど)問題ではない」ではZ 6IIIのダイナミックレンジのコラムについて詳しくお伝えします。
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コメント
コメント一覧 (4件)
その5でしょ。
値段が安い^^;
ただ、おっちゃんとしたらファインダーのないカメラはカメラじゃないので・・
時代遅れと言われようがどうしようが、ファインダーのないカメラをニコンには出してほしくない(;_;)
売れている理由の可能性の5項目それぞれが組み合わされた複合的な理由があると思います。
その他に、Z9,Z8の大ヒットでニコンのブランド価値が、昔のニコンの名声を知らない若者達にも浸透し始めたとも考えます。
それが発売当初はそれほどでもなかったZ50のロングセラーにもつながったのではないでしょうか。
SNS (X) で見てると Z30, Z50, Zfc の3つは解像感で R50 を大きく上回っているのがパッと見てもわかるのでレンズの良さの貢献は結構ありそうです。
Z6III のピクチャーコントロールがのったら SNS での存在感はさらに増すと思いますね。
同クラスのカメラを比べた場合に、画素などスペック上はソニー・キャノンの方が上という事はよくありますが、ヨドバシやマップカメラの実写レビューでの作例を見ると素人目にもニコンがぱっと見一番美しく目を引く写真が多いですね。
Z50、Z30、Zfc購入層は初心者やこれからカメラを始める方が多いと思いますが、そういう方が作例やYoutubeでの比較動画を見ると、やはりニコンが頭一つ飛びぬけて綺麗に思えます。
あと、実際に店頭で触ってみると、以外にも無骨なニコンが一番使いやすくて好感触なのかもしれませんね。
私も仕事ではソニー、画質優先の仕事や趣味でニコンといった使い方をしていますが、使っていて楽しいのはやはりニコンですね。
きっと、ミラーレス初期の不遇の時代(私は早々にキャノン→ソニーに移ってしまいましたが)にも負けずに、真面目に製品作りをしてきた結果なんでしょうね。