キヤノンカメラを使う野生動物写真家が少ないのはなぜか
野生動物写真家がキヤノンを選ばない理由は何でしょうか?この記事では、キヤノンの望遠レンズのラインナップと価格、重量が影響していると論じています。
過去数ヶ月間に、いくつか人気のある国際的な野生動物の撮影場所を訪れた。本題から言うと、途中で他の写真家たちと話をしていて最も印象的だったのは、キヤノンユーザがほとんどいないことだった。私が話しをした野生動物の撮影愛好者の数がどの程度だったのか数えていないのでわからないが、たくさんの人がいた。しかし、キヤノンのカメラを持っていた人の数は数えてある。それは一人だった。EOS R5とRF 100-500mmレンズを持つ一人の写真家だけだった。Nikon Z 8、Nikon Z 9はどこにでもいて、私の手の中にもあった。申し訳ないが、オリンパスのカメラのほうを多く見た。野生動物写真市場に一体なにが起こっているのだろうか?
誤解して欲しくないのは、キヤノンの野生動物写真家が不足していることと、キヤノン全体が衰退していることを混同しているわけではないということだ。私はキヤノンの販売実績を疑っているわけではなく、彼らはまだミラーレス市場においてNo.1だ。それでも、10年前に私が現場で出会ったほとんどの人々が大きな白いレンズを装着したキヤノンのデジタル一眼レフカメラを持っていた頃とは明らかに違う。
(中略)
野生動物の写真家にとって、レンズはカメラと同じくらいか、それ以上に重要だ。ソニーの人気は2019年の200-600mmレンズの発売と、α1の鳥/動物の瞳検出AFによって野生動物の写真家の間で大幅に増加した。現在、300mm f/2.8 GMは、そのテレコン性能で人々の心を鷲づかみにしている。そして次はニコンだ。ニコンは過去2年間でZマウントレンズのカタログを完全に一新し、どのブランドよりも強力な望遠レンズのラインナップを提供している。180-600mm、400mm、600mm、800mm、テレコン内蔵の400mm f/2.8と600mm f/4レンズは誰にとっても便利なレンズだ。
キヤノンは野生動物の写真家の興味を引くようなことをしただろうか?私はキヤノンRF 200-800mm f/6.3-9 ISを所有しているが、価格の割には悪くないレンズだ。レンズの予算が2000ドルであれば、これはまずまずの仕事をし、同じ価格のソニーの200-600mmとニコンの180-600mmとかなり競争力があるが、それでも3本のレンズの中では私の最も好きではないレンズの一つだ。
その価格帯とRF 400mm f/2.8、RF 600mm f/4の間にはRF 100-300mm f/2.8がある。このレンズの問題点は、ほとんど常にテレコンと一緒に使用するレンズの高価さだ。さらにそれが2.6kgも重いという事実だ。必要になるテレコンバーターを両方ともバッグに追加すると、RF 400mm f/2.8より重くなり、かろうじて安くなる。予算が無制限で重量が気にならない場合は100-300mmと600mm f/4を併用すればいい。それは素晴らしい組み合わせだ。しかし私は100-300mmを良い単焦点レンズの代替となるものや軽量と呼べるものとは見なしていない。しかし回折光学を利用した400mmについてはどうだろうか?これがキヤノンがさらに何人かの野生動物写真家をキヤノンに取り戻すために必要なレンズなのだろうか?
(後略)
小型軽量で安い望遠レンズが欲しい
なぜキヤノンのカメラを利用する野生動物写真家がいないのかといったことが論じられています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、かいつまんでいうとキヤノンのカメラを利用した野生動物写真家がいないのは、キヤノンの望遠レンズのラインナップに問題があるということを述べているようですね。キヤノンには100-300mm f/2.8や今後登場するかもしれない200-500mm f/4と、ソニー、ニコンのレンズのラインナップとを比較しています。
100-300mm f/2.8は非常に重く価格も高いし、100-300mmが9500ドル(日本円で約140万円)だとしたら200-500mm f/4は14000ドル(おなじく約210万円)以上になることは間違いないとしていて、さらに重量も重くなることが予想されるので野生動物の撮影では実用的ではないと考えているようです。
また噂されている小型軽量なDOレンズを利用したRF 400mm f/4 DOについても期待しているようですが、EFマウントの400mm f/4 DO IIが6900ドル(約100万円)で販売されていることを考えれば、RFレンズではこれより価格が高くなるため、やはり小型軽量だとしたも廉価なレンズにはならないだろうとしています。そしてニコンには、わずか3000ドルで手に入る小型なZ 400mm f/4.5 VR Sがあるのにとしていますね。
さらにシグマから安い望遠レンズを期待したいが、それは手に入れることはできない、なぜならキヤノンのカメラだからだとため息をついています。
というわけで魅力的な望遠レンズが少ないことで結果的に野生動物のカメラマンはキヤノンを選択しないのだと言う流れです。
しかし、個人的に思うのは、キヤノンはオリンピックやEOS-R1の発売に向けて、プロフェッショナル向けの望遠レンズに注力しているのだろうと思います。プロフェッショナル向けということで大きくて重いレンズ、また価格が高くても許容されると思っていて、廉価なレンズ、軽量なレンズは現在のところ後回しになっているのだろうと思いますね。
なので屋外を歩き回って撮影できるよな小型軽量でさらに廉価なレンズというのは、今後に期待できるのではないのかなと思います。しかし、それまでは確かにキャノンユーザの野生動物写真家は増えないのかもしれませんね。
さらに「キヤノンがレトロデザインカメラ開発中はデマ?? 発売可能性はあるのか」ではキヤノンがレトロレンズを発売する可能性について詳しくお伝えします。
(記事元)SHUTTERMUSE
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コメント
コメント一覧 (9件)
RFレンズは、f値が暗いレンズが多い事
明るければ、値段は高い
動物認識に対しては、SONYが勝利
R5を購入するのであれば、6000万画素のα7Ⅴを選ぶ
トリミングする前提とすれば、R5よりα7V
現状、野鳥撮影の人は、SONYに移行している人が多い
R5のファームウェア2.0も期待してたが、どうでも良いファームウェアだった
EF400mm f4 DO IS Ⅱを使っているから、なかなかSONYに移行出来ない自分がいます
野生動物と一括りに言っても、昆虫(トンボ・ハチ・蝶)なのか哺乳類なのか鳥なのかで必要なレンズはまるで違います。
おそらく海外では多種多様な哺乳類も身近に生息していてそれを被写体としている人も多いでしょう。しかし日本では野生動物撮影となるとほぼほぼ野鳥になると思います。となると必要なレンズは最低でも400mm以上長ければ長いほど好まれます(自分はそうは思いませんが)。
今のRFレンズのラインナップでは
600mmF11、800mmF11、100-400mm、100-500mm、200-800mm、ヨンニッパ、ロクヨン、ハチゴロ、1200mmF8と十分揃っているように思います。
筆者は忘れているみたいですが問題点はそこではなくて、F値と焦点距離そして価格のバランスです。
3桁万円を除くレンズはどれもテレ端F値が他社設定と比べて暗いのが特徴的です。1/2、1/3段位がなんだ?誤差では?という意見はおそらくはあまり撮影現場に出られた事がない意見ですね。その数段の差がキッチリ差として出るのがネイチャーです。NRソフトを使えばという意見も現場では無意味です。野鳥の繊細な羽毛のディテールは低ISOでないと後からリカバリー出来ません。
レフ機時代は野鳥撮影といえばキヤノンでした。数十人〜百人規模の撮影地に行けばズラッと白レンズが並んでいたものです。現場では少しずつ変わって来てはいますが、ボディはRシリーズ、レンズはEFを使っている人が今でも大半です。
まずはEF時代にラインナップされていた単焦点レンズを出来る限りそのままブラッシュアップ(軽量化・F値はなるべく明るく焦点距離を伸ばす)してRFマウントとして出すべきではないでしょうか。そして価格帯も今は安価な30万程度までと高級な100万円以上にラインナップが集中しています。ニコンにあるような400mmF4.5や663、863、SIGMAの556などの中級レンズはハイアマやプロにも可搬性が良く非常に刺さります。これらをヒントにラインナップを再検討すべきでしょう。
ここまでのキヤノンの開発思想を見る限り、「EFレンズもラインナップの一部で、特に中間層を担わせる」「暗さは高感度耐性で解決」だと思うんですよね。
それこそ上のお2方が書かれたように、EFに必須レンズがあるから移行できない、あるいはボディだけRFにしてアダプターを使う方は多いです。もちろんMC-11等での流出はあるものの、新たなレンズを作って拡充がしやすくなります。
高感度については、少なくともキヤノンは差が無い、無視できる、作るにしても後回し、と考えているのだと思います。
もしくは、明るくすることで得られるユーザーと、暗くすることで得られるユーザーを利益の天秤にかけて、後者を優先したか。
RF拡充が一区切りついたら、EFレンズの置換が本格化するかもしれません。それが変節なのか、予定通りなのかはわかりません。RFの高級志向も、それできちんと利益になっているから続けているのでしょうし。
メーカーの指向が自分の嗜好と合っているかは大事なので、合わないならスッパリ切り捨てるのも手ですね。将来に備えてEFレンズは残しつつ、でもいいでしょうけど。
合わないのにレンズは買う、ってやってると「やっぱこの路線が正解だ」と思われて一層乖離が進むでしょう。
設計技術が無くてやむなく暗くしている、という可能性は……私はそうは思いませんが、そう思うのならそれこそ早く切り捨てた方が吉ですね。レンズと違って技術は庭から採れませんから……。
RFマウントは、超望遠レンズの頭数はあるけれど、アマチュアが使いたいレンズがあまりない印象です。800mm f11とか、200-800mmはいいけど、f値が9とか、どうしてこんな企画をしたのだろう?と思ってしまいます。
よく見れば、200-800は150-600にテレコンつけたようなf値ですし、100-500も400mm近くまで確かf6.3なのでそんなに悪くはないのですが、100-500は40万円近くしてSONYやNikonに比べると割高感がありますよね。
Nikonは400、600、800とアマチュアがなんとか買える単焦点があるのが大きいと思います。
キヤノンの場合はEFマウントレンズが制限も支障も無くRFマウント
カメラで使えるので”路傍のカメラ好き”さんのおっしゃる通りかと
思います。
キヤノンユーザーでしたら全然困らないでしょう。
マウントアダプターが邪魔と言えば邪魔ですが。
低価格ですがf値暗く性能が良いレンズを多く出しているのは
キヤノン入門者に様々な撮影体験をして欲しいと考えているのかも
しれません。
ニコンが回折格子組み込みの廉価版の望遠レンズの種類を多く出して
しているのも同様の考えなのかもと思えます。
キヤノンのミラーレス、R7、800mm f11、100-400mmと検討したのですが、結局購入に結び付きませんでした。
何となく中途半端というか、あと一つ足りない感があります。
現状、ニコンとOMDSで満足しています。
日中ならRF200-800mmで十分
一脚持ってればなんとかなるでしょ
野生動物に一脚使って良いかなんて許可もらう訳じゃないんだしw
しかもR5Ⅱ出たら積層センサーで連写も速いんだろうから、使う人も増えるるのでは?
日中しか野生動物撮影しないという考えが視野が狭いと言わざるを得ません。それに日中といっても曇り・雨天、朝夕など屋内より光量の無い条件ばかりです。
一脚を使うかどうかは個人の自由ですが、足場の悪い自然環境では一脚を使っている人はほとんどいません。待ち伏せならブラインドにビデオ三脚、それ以外なら車内か手持ちです。
自身は現状に見切りをつけて、一昨年からメインシステムを全て他社へ移行しましたがキヤノンにはもっとユーザーからのニーズよ吸い上げと市場調査を強く求めます。
視野が狭くて結構
野生動物撮影してる人はそもそもカメラマンの0.1%もいないんだから
自分がその狭い僅かな分野のニンゲンだって自覚持った方がいいんじゃないの(笑)
掘れに屋内より光量がないって露出計算した事ないだろアンタw
EVの勉強し直した方がイイよ
それに足場の悪い環境でも一脚使えなんて誰が言った?
勝手にこじつけないでくれ
少なくともアンタみたいなのは市場調査しなくてもターゲットから外すべきだとキヤノンも認識してるよ