ペンタックスフィルムプロジェクトにはがっかり
ペンタックスフィルムプロジェクトが新たな動きを見せています。従来のフィルムカメラと一線を画すハーフフレーム、縦撮りの新製品について、その独自性とは裏腹に賛否両論があるようです。
ペンタックスの新しいフィルムカメラは縦撮り用にデザインされたハーフフレームになる。なぜだろうか?
新しいペンタックスのフィルムカメラがハーフフレームになることが明らかになった。なんてもったいないんだろう。
もしペンタックスのフィルムプロジェクトに関してフォローしていたら、専用のインスタグラムのアカウントができたことに気がついただろう。新しいフィルムカメラが、どのような外観になり、どのような機能があるのかについて重要な情報更新を共有したが、これによりフィルム撮影信者の私は打ちのめされた。そして、それは私だけではないと思う。
最新のYoutubeの更新で、プロジェクトデザイナー兼プランナーは、新しいペンタックスカメラが縦撮りに最適化されると説明している。これは若い写真家のターゲットとなる人々が常にスマホで縦位置で写真を撮影しているためで、このカメラは彼らの撮影方法に合わせることで、SNSへアップロードにおける一貫性を得ることになるだろう。
しかしペンタックスが従来の横位置ではなく縦位置での撮影方法を選択したもう一つの理由があり、この一つの機能が私のプロジェクト全体に対する考え方を変えることになった。
プロジェクトデザイナー兼プランナーは、フィルムでの撮影が高コストになること、まずはフィルムの購入価格がこれまで以上に高価になり、次に現像に関するコストに対処するため、新しいペンタックスのフィルムカメラはハーフフレーム形式を採用すると説明している。これは35mmのフレームで二つの画像が得られることを意味していて、それが個人的に興味を削がれるポイントだ。
フィルム送りレバーという機械工学を備えた「ゼロベースからの」開発により、かなりの費用がかかる可能性のある新しいカメラを中古の通販サイトでたった25ドルで販売されている安価なフルサイズ一眼レフよりも悪い撮影を体験するために、なぜ新しいカメラを作る必要があったのだろうか。
この論理は私には全く意味がわからない。例えば、カラー撮影は白黒撮影よりもずっと高価であること、そしてユーザが従来の36枚撮りフィルムから72枚の画像を撮影できることは理解している。しかし、自宅で現像しない場合には、現像コストや送料、そしてデジタル化までのコストを支払わなければならず、すべてが「低解像度」で最悪の体験になるだろう。
またペンタックスは初めてハーフカメラを発売することになるが、何十年ものあいだ最高のフィルムカメラを生産してきたものがハーフフレームのカメラですべてが無駄になってしまった。まったく意味がわからない。
(中略)
このフォーマットの選択には私は同意できないが、フィルムは今後も存続し、ライカやロモグラフィー以外にもフィルム写真を再び真剣に扱うブランドがあることを聞けて喜ばしく思う。そして、このフォーマットの選択についてどう思うだろうか?わたしが正しいのか、それとも間違っているのか。
ハーフフォーマットを採用すべきではない?
ペンタックスのフィルムプロジェクトが製品の研究段階から製造段階に進んで、実際に発売が確定したことは以前に当サイトでもお伝えしました。それにあわせて、どのような製品なのかも明らかになり、今回のフィルムプロジェクトではハーフフレームのフィルムカメラになることが明らかになっています。
まずはハーフサイズとは何かということですが、文章だと説明が難しいので絵を作成してみました。
上記の画像の上の図が通常の36×24mmサイズのフルサイズです。皆さんがご存じの通り、横長になっているのがわかります。下がその36×24mmを半分のサイズ、17×24mmや18×24mmの半分で縦長の画像になっており、これをハーフサイズと呼び、ハーフサイズで撮影するカメラをハーフサイズカメラと呼んでいます。
フルサイズでは横長になっているのに対し、ハーフサイズでは縦長になっていることがわかりますね。フルサイズの半分を利用しているので、フルサイズよりも2倍の枚数を撮影できることになります。
ペンタックスは若い人に撮影してもらうために通常の2倍の撮影枚数になり、縦構図になるハーフサイズを選択したそうです。確かにスマホで撮影して縦長の画像や動画を公開している人も多いですよね。そのため、ハーフサイズにすることで、同じ縦構図になるということで一貫性が保たれることもメリットの一つだとしています。
しかしこの筆者は非常に残念だとしていますね。慣れ親しんだサイズではなく縦構図になってしまうことで、従来のイメージでは撮影できないことになりますので残念に思う気持ちもわかります。
ただ、若い人に購入してもらいたいカメラだとすると、様々なコストを考慮しなければならず、このようになったのも仕方がないのかなとも思いますね。もしこれが大成功ということになれば、36×24mmサイズのフィルムカメラも発売される可能性もあるのではないのかなと思います。
(記事元)DigitalCameraWorld
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コメント
コメント一覧 (4件)
若い人が新品で高価なフィルムカメラを買うんですかね? どんなにコストを抑えたところで、中古で転がってる安いボディを下回ることはないでしょう。長い相棒とすべく最初から修理・保証のことを考えて買う、という想像もしにくいです。
家電量販店から半ば撤収状態の今、どうやってカメラマニア以外にリーチしていくつもりなのかも疑問。マップやフジヤ、地元カメラ店に中古カメラ漁りに来た層狙い……?
そもそも私は「若者のフィルムカメラブーム」自体が虚像に感じられるので、プロジェクトの流れに首を傾げるばかり……良く言っても何周か前のバズり、程度の認識です。
こちらのサイトでも記事になっていたと思いますが、最近の「ブーム」は古いiPhoneカメラでしたっけ? 古いと聞いてiPhone3くらいを思い浮かべたところ「8以前」と書かれていてぶったまげた覚えがあります。2年前まで騙し騙し使ってましたよw
デジタルカメラの国内での販売割合が全出荷量の10%程度だとするとフィルムカメラを新規に発売して国内でどの程度販売できるのか、特に現像を受けるお店が少なくなっている現在は郵送による現像依頼となるとコストがさらにかさみます。販売対象は高価なフィルムを使うことに抵抗が少ない比較的資金余裕のある階層になります。
まして海外となるとどの程度の需要が見込まれるのかが大変興味深いところです。
高額なライカMタイプも日本での販売数量が少なくないようです。
フィルムの復権は、産業界や行政での使用が見込めない現状ではまず無いと考えられます。
やはりフルサイズのカメラからスタートすべきだと思います。
今からでもハーフサイズコンパクトカメラとフルサイズコンパクトカメラ(GR-1vの様な少し高級機)を同時発表されては如何でしょうか。
余談ですが手持ちのペンタックスMEとリコーGR-1vを完動状態で維持しています。
ペンタックスブランドには頑張って頂きたいものです。
フィルムプロジェクトが1台切りで終わる物ではないと公言しているので、ハーフにガッカリするのは尚早だと思います。写ルンです感覚でテンポ良く気軽に撮るならコンパクトハーフは最適だと思いますね。
むしろ続くフルサイズ機は高くても良いので最新のオート機能を備えたしっかりした物が出て来る事を期待したいです。
ハードとしての新型フイルムカメラが出来上がっても、ソフト面でのサポートはどうやって確保するのでしょうか。装置産業としての街のミニラボショップでは、フイルム現像機が老朽化して廃業店が目立つ様になっています。今更安直なフイルムカメラなんて、一時の流行病みたいなものではないでしょうか。PENTAXは、ミラーレス一眼のバスに乗り遅れた悪あがきとしか思えてなりません。