タムロンの28-75mm f/2.8 G2の発売に驚きの声
ニコンは自社に同等の製品があるのに、なぜタムロンに28-75mm F2.8 G2の発売を認めたのでしょうか?
ちょっとした驚きだが、タムロンはZマウント用の28-75mm f/2.8 G2レンズを発表した。驚きというのは、ニコンが以前のモデルのライセンスを受けてNIKKOR Z 28-75mm f/2.8を製造しているなかで、タムロンが新しいモデルを自社ブランドで市場に投入している点だ。G2はZのオリジナルよりも低価格だ(G2は999ドル、ニコンが発売しているオリジナルレンズは1199ドル)。
両社の間には違いがある。ニコンは自社のバージョンをニコンが望む方向に寄せており、ステッピングモーターを使用しているが、タムロンは可変の最短撮影距離があり、ボイスコイルモーターを採用している。
これはニコンが他社とのマウントライセンスについて話していたときにでた疑問への回答となっているようだ。それはニコンが自社が提供するレンズと競合するサードパーティレンズのZマウントでの販売を許可するのかどうかということだ。その答えは明確に「はい」だった(さあ、キヤノンもそうしよう)。正直にいって、これが私たちが常に望んでいたものであれば、最初に3本のf/2.8のタムロン設計ニコンズームレンズをライセンスしたニコンにとって本当の利益は何だったのかわからない。タムロンは今後、大三元レンズの独自のバージョンを提供することになるのだろうか?
ニコンのレンズ販売戦略がわからない?
ニコンがなぜタムロンに28-75mm F2.8 G2の発売を許可したのか、困惑している人が多いようです。
ニコンは2022年1月にタムロン設計のレンズを使用したNIKKOR Z 28-75mm f/2.8を発売しました。このレンズはタムロンの28-75mm F2.8の光学設計を流用した作られたと言われています。この他にもf/2.8通しの広角ズーム、望遠ズームも同様にタムロン設計の光学系を採用したレンズを発売し、廉価な大三元レンズが完成したことになります。具体的には以下のレンズです。
- NIKKOR Z 17-28mm f/2.8
- NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
- NIKKOR Z 70-180mm f/2.8
そして、驚かれているのは、その2年後にタムロンが28-75mm F2.8 G2を発売したことです。このレンズは28-75mm F/2.8 Di III RXDの後継レンズでいわばMark IIとなります。オリジナルのMark IはNIKKOR Z 28-75mm f/2.8としてニコンより発売されています。つまり、最新型で性能がよくなっているはずのMark IIが発売され、しかもニコンのNIKKOR Z 28-75mm f/2.8よりも価格が安いということで、そうなるとニコンのNIKKOR Z 28-75mm f/2.8の存在意義はいったい何なのか?という状況になっていることになります。
いまアメリカではMark IのNIKKOR Z 28-75mm f/2.8が1199ドルで販売されています。現在はキャッシュバックがあり999ドルで販売されています。Mark IIの28-75mm F2.8 G2は999ドルで販売されており、現在、価格はまったく同じとなっています。最新製品の28-75mm F2.8 G2(Mark II)のほうが性能的には上のはずで、だったらニコンのMark Iを購入する意味がありません。
28-75mm F2.8 G2(Mark II)の製品ページにはニコンとのライセンス契約のもとに開発、製造、販売をしているという記述があり、このレンズはニコンの許可を得て発売されていることは明らかです。
ではなぜニコンはタムロンに28-75mm F2.8 G2(Mark II)の発売を認めたのでしょうか?もしニコンが自社の利益を最大限に考えるのであれば、タムロンに28-75mm F2.8 G2(Mark II)の発売を許可せずに、自社の廉価なレンズNIKKOR Z 28-75mm f/2.8(Mark I)を発売し続けたほうがいいはずです。
しかし、このように書くと28-75mm F2.8 G2(Mark II)のほうが確実に良いレンズと聞こえてしまうかもしれませんが実際には他にも考慮しなければならないことがあります。NIKKOR Z 28-75mm f/2.8(Mark I)は光学的な設計はタムロンかもしれませんが、鏡筒、モーター、電子部品などはニコンが設計、開発していると考えられます。いわばニコン純正レンズとなりますので互換性の問題は発生しませんし、デジタル補正、AF、手振れ補正などはニコンの技術によりニコンのカメラ向けに最適化されているはずです。
そういう意味ではニコンの名前入りのレンズのほうが使用するにおいては安心できることは間違いありません。従って、価格差はその「安心料」と考えれば決して高いとは言えず、NIKKOR Z 28-75mm f/2.8(Mark I)を購入するメリットは十分にあると思います。
それではなぜニコンは28-75mm F2.8 G2(Mark II)の販売を認めた(少なくともライセンス契約をした)のでしょうか?可能性はいろいろ考えられそうです。
- Zマウントのカメラを購入してもらいたいので認めざるを得なかった
- そもそもどちらを販売しても得られる利益はほぼ変わらない
- ニコンブランドのほうが絶大なブランド力があり売れると考えた
- 2年後に28-75mm F2.8 G2(Mark II)を発売してもいい代わりにZ 28-75mm f/2.8(Mark I)の光学設計を入手した
理由はわからないわけですが、少なくともサードパーティレンズメーカに自社のレンズと競合するレンズの発売を認めたということは何かあるはずで、その理由は非常に気になりますね。
今後はシグマなどのメーカにも認める方向なのでしょうか?
さらに「【検証】Z 28-400mm f/4-8 VRの過去の噂は正しかったのか徹底検証」ではZ 28-400mmの噂が正しかったかどうか詳しくお伝えします。
(記事元)Z System User
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コメント
コメント一覧 (8件)
タムロンとニコン両社で利益最大となる協議があったのでしょう。
ソニーEマウントでマークⅡが使えてニコンのZでは使えないよってαを購入する。ニコンとしてはこのパータンを避けたかったと思います。
マークⅡのZマウント登場前にZマウントの標準域ズームレンズは十分すぎる状態です、
使用者としては24-70mmf4、24-120mmf4、24-70mmf2.8、24-200mmf4-6.3から選ぶのも悩ましいのにタムロン系の二種類の28-75mmf2.8まであってどうやって選定するかといったところでしょう。
財布に余裕があれば2本くらい買いますか。案外これが答えかも知れません。
タムロン目線で考えてみたのですが
G2 の設計と量産の目処が立ったときに
G1 の部品在庫が大量に残っていたのでは無いかと
ニコンはレンズラインナップの拡充が課題だったので
G1 の部品在庫を安値で買い取ったか
Z 28-75mm の製造委託をしたのかと
そしてその在庫も捌けたので満を持して
G2 を Z マウントに投入したのかと
他のレンズも G1 が捌けたところで G2 投入が行われ
次第にタムロンレンズの E とZ の発売時期は近くなって来ると予想
ニコンとタムロンの間にどのようなライセンス契約があるか
知りませんがタムロンがZマウントレンズを発売する事に関し
何も制限事項がないのでしょう。
ただしニコンは一切のサポートは行いませんと言うことでしょう。
両社にどのような駆け引きや取引があったのか興味の尽きないところです。
必ず両社どちらとも得をする話となっているでしょうね。
しかし、Z28-75mmF2.8の発売からわずか2年で実質の後継レンズが登場とは…
つまりはレンズ2本買って…ということなのでしょうか?
Z24-120mmやZ24-200mmは便利ですが、F値が4もしくは4-6.3と暗い。
10万円でF2.8の準広角ズームを用意できるのは大きいでしょうから。
もしも「2本買って?」の戦略なのだとしたらだいぶ引いてしまいますわ……単に高いよりもアコギな感じ。
よほど喫緊の入り用か純正への強いこだわりでもない限り、”T-Line”はもう買うべきではないと個人的には思ってしまいます。そもそもこれ以上は出なさそうですが……70-180/2.8G2は来年あたり出そうですし、17-28G2はEとZの同時発表かもしれませんね。
まず、キヤノンと違ってニコンはライセンス先の製品ラインナップを制限していないようです。
そして、タムロンはライセンスを受けているものの、仕様の全てが開示される訳ではなく、リバースエンジニアリングが必要とのことで、AFや画像補正が純正と同等ではないのでしょう。
画像補正が重要な広角やAFが重要な望遠は、ニコンブランドの優位性があると思われます。
標準域の28-75mmであれば、画像補正やAFがあまり問題にはならないという判断で発売されたのかもしれません。
AFは完璧な応答性、収差も少なくとも歪曲に関してはレンズ組み込みのものが使えるようです。また、既に超望遠の150-500mmがZ用に発売されていますね。
リバースエンジは、RFに関してはCP+で役員がそのような意のことを発言していた気がしますが、Zもそうなんですかね?
https://phototrend.fr/2024/03/test-tamron-28-75-mm-f-28-di-iii-vxd-g2-nikon-z/
ちばちばさん
おはようございます。
キヤノンは特許を侵害しない限り自由に互換レンズは作ってかまいませんよ
但し補助もサポートもしませんと言うのが公式見解だったと思います。
どちらかと言えばRFマウントのAF等に関わる高度なプロトコルが他社では
作るまで解析できていない用に思えます。
また数社からライセンス供与に関し依頼はあるようですが上記の見解は
変えてないようです。
コシナのMFレンズについてはよく分かりません。