マウントの縛りはない
デジタルカメラ業界における話題の一つが、キヤノンのRFマウントレンズに関するサードパーティーメーカーとの関係です。市場には「キヤノンがRFマウントを他社に開放しないのでは」という憶測が流れていますが、そうした疑問を明確に否定しました。
(前略)
これらの疑問を戸倉氏にぶつけたところ、「キヤノンはRFマウントレンズについて、サードパーティのメーカーともいろんなコミュニケーションを取っている」「縛りというものはない」と即答。写真ファンの間で噂されている推測をスパッと否定しました。
(中略)
サードパーティーからRFマウントの製品はいつぐらいに出るのか、という問いに対しては、明確な回答を避けつつも「コミュニケーションの深さは(製品化までの)半分以上は行っているのではないか」と回答。交渉が順調に進んでいることを示唆しました。
(後略)
コミュニケーションの深さは製品化までの半分以上
キヤノンがRFマウントの開放についてどのように考えているかマイナビニュースのインタビューに答える形で述べています。
インタビューでは「キヤノンは他社にRFマウントを公開しない」「MFレンズはOKでAFレンズはNG」といった方針があるのではないかと聞いています。その返答が上記に引用した内容となっていて、キヤノンいわくそのような縛りは一切ないと否定したということです。
そして実際にサードパーティメーカと様々なコミュニケーションを取っているとし、コミュニケーションの深さは製品化までの半分以上になっているとして、具体的に製品化が進んでいることを明かしました。
このように聞くと期待してしまうわけですが、キヤノンのリップサービスの可能性もあります。また「コミュニケーションは製品化までの半分以上」についても、製品化に至るまでの合意の半分以上と解釈すると実際には製品化が決まったわけではないという可能性もありますので、慎重に考えなければならないと思います。
カメラメーカとしては、サードパーティからレンズが発売される可能性もあると匂わせながら、実際には発売せず自社のレンズだけ購入してもらうというのが、あるいみ理想的な姿ではあるのかもしれません。一方で、お財布に優しいのでサードパーティレンズメーカのレンズを使いたいから、このメーカのカメラを選択するという人もいて、カメラを購入してくれるので、このあたりの塩梅は難しいと思いますね。
しかしメーカが「縛りはない」と言っているのですから、素直に信じたいと思います。
さらに「キヤノンEF-Sレンズラインナップが縮小 18-135mmレンズが生産完了」ではEF-Sレンズ1本がディスコンになったことについて詳しくお伝えしています。
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コメント
コメント一覧 (7件)
現にコシナから発売してますしね
MFだからライセンス料が低いなんて事は理屈にならないでしょうし技術的な問題でしょうね。
キヤノンの方針は昔から一貫しているので互換レンズを作るにしても
特許を侵害しなければ問題ないはずです。
但しRFレンズのプロトコルはソニーの技術者も驚くほど高速なので
開発に時間は掛かるかも知れません。
可能であればライセンス供与ができればいいですね。
ライセンス料は一番高いのがアパレル、玩具類等で(8%程度)、
他の工業製品は商習慣として3%前後(特許と同じ)なのでそんな
話も出来ればいいですね。
RFレンズは、超高額なプロ用レンズか入門者用の何か欠点のあるレンズがほとんどで、その間を埋めるハイアマチュア層が満足できるレンズがあまり無いですね。
SONYで言えばGレンズであったり、NIKONなら非Sレンズ、そしてサードパーティ製レンズです。
広角、標準系でサードパーティ製が参入できればありがたいのですが。
縛りは無い、というのはだいぶ曖昧な表現ですが、私は「メーカーやレンズの種類で縛りはしない」程度の意味に捉えました。コシナはOKでシグマはダメ、MFはOKでAFはダメ、ということはないのでしょう。
ただ、(路端のカスタマーさんとは逆の見解で)実装したい機能ごとに決められたライセンス料を支払うんじゃないかなと思ってます。EXIF通信、フォーカス距離、ジャイロセンサーデータ、収差補正データ、AF等で分かれているイメージです。
コシナのMFレンズはフォーカスガイドが効きますが、手ブレ補正は3軸(ロール・ピッチ・ヨーのみで、シフトが無い?)ですから、AF以外でも通信機能の一部に制限がかかっています。シフト方向は主にマクロで効くため、不要と判断したのかもしれません。
特許など権利侵害をしないなら勝手に作って構わない(というか制限できない)ですが、侵害していれば容赦はしないでしょうね。
路傍のカメラ好きさん
こんばんは。
レンズにはシフトブレ補正機能がありませんので出来ませんよね。
カタログに書いたら出来るわけないと批判が殺到すると思います。
それはボディ側の役務です。(ロールもボディ側のような?)
ただし最近キヤノンはシフトブレ補正の特許を出していますが、
用途はTS-R用と思われます。
特許の権利侵害は怖いですよ。
ある日突然、同業他社から特許侵害の通告書がきますから、
そんなもんつかってねーよと思いながら反論を書いて返送します。
特許はハネウェルとの抗争でミノルタ(現ソニー)、ニコンは多額の
賠償金を払うことになったのでどこもシビアだと思います。
リコーはハネゥエル側の特許侵害で逆提訴、キヤノンはバーターで
払わず済みましたが。
ライセンス料は通常1個あたりの製品価格に対してです。
機能毎にはやりません。
ボディ内ISの何軸を使うか/使えるかの話は、レンズ内ISとは無関係ですよ。
コシナレンズは当然OISを積んでませんが、E用は5軸対応です。距離エンコーダーを内蔵し、必要な情報を通信しているようです。
一方RF用は3軸と明記です。EとRFの鏡筒はよく似ており、RFにエンコーダーが内蔵できない物理的制約があるとは思えません。
Z用も3軸なので、プロトコル制約が原因と断定もし難いですが。
https://www.cosina.co.jp/voigtlander/e-mount/nokton-50mm-f1-aspherical/
https://www.cosina.co.jp/voigtlander/rf-mount-lenses/nokton-50mm-f1-aspherical/
ライセンスの話はあくまで通常、慣例の話ですよね。キヤノンが自社製品にどのようなライセンス体系を設けても(法に則る限り)自由ですし、実際に何を提示しているかはキヤノンと交渉先にしかわかりません。
自社でMFレンズを作る気が無いからEXIFだけなら2%、AFは競合するから追加で5%、など。サブスク的な考え方です。
通信規約に含まれる各機能は規模も価値もバラバラですから、規約丸ごと売るよりも機能単位で切り売りした方が有益、と考えても何ら不思議ではないかなと。
レフ機時代のように、リバースエンジニアリングでサードパーティが勝手に出すのではなくて、あくまでCANONブランドで出せば良いのですけど。
リソースの問題か技術的にか分りませんが、いずれにしても開発製造できないのだから、メイドイン中国工場のレンズがあっても良いと思います。NIKONもそうですから。