α7R VI ダイナミックテスト測定結果公開
α7R VIにおいて非常に魅力的なパッケージを作り上げることに成功した。デュアルゲインモードのON/OFFに関係なくローリングシャッターの数値は十分に実用的な範囲に収まっており、さらにダイナミックレンジ測定結果はデュアルゲイン “ON” の威力を示している。SNR=2基準で最大14ストップに到達しており、これは我々がこれまで測定した中で最高の結果である。
ただし、IMATESTやチャート測定の結果は、CineDスタジオで行うような実際のシーンを反映するものではない。そしてラチチュードテストでは、10-bit内部コーデックの限界が露呈し、ソニーは民生用フルサイズ機の王者であるLUMIX S1IIを打ち破るには至らなかった。
露出ラチチュードについては、おおむね快適に9ストップまでは到達できる。しかし10ストップになると、デュアルゲイン “ON” であっても「ゲームオーバー」となる。さらに、デュアルゲインが利用できない8Kモードでは、9ストップにすら届かない。このことは、ソニーのデュアルゲイン実装がいかに大きな効果を持っているかを逆説的に示している。
総じて言えば、このα7R VIに搭載されたデュアルゲイン技術が、将来登場する可能性のある次世代 α7S系モデルへの布石だとするならば、少なくとも個人的には非常に期待できる内容だと感じている。
最も利用されるシナリオではLUMIX S1IIに軍配
α7R VIのセンサー読出し速度とダイナミックレンジテスト結果をCineDが公開しており非常に興味深い内容となっています。上記はまとめ部分を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。それでは実際の測定結果と評価を見ていきましょう(当サイトの解釈です)。
記事はα7R VIのラボテスト結果について記述されてますが、特にα7R VIとLUMIX S1IIの比較すると、さらに非常に興味深い内容となっています。ただし、この比較を読む際にはまず大前提として理解しておきたいポイントがあります。それは、両機がまったく同じ条件で比較されているわけではない、という点です。
α7R VI側は4Kの10bit内部記録でテストされている一方、LUMIX S1II側は5.8K 12bit ProRes RAW、さらにDR Boost(デュアルゲイン出力) ONという非常に高負荷なモードでテストされています。つまりこれは単純な「センサー性能対決」ではなく、読み出し速度、内部処理、ノイズリダクション、コーデック、bit深度、RAW収録まで含めた“最終映像録画過程全体”の比較として見る必要があります。
なぜこのような異なる条件で比較しているのかというと、まず厳密に同じ条件に設定することができないことと、それぞれのデジタルカメラで、それぞれのユーザーが最も利用するであろうモードでテストしたいからということのようです。さらに、この比較は静止画ではなく動画撮影のものであることにも注意が必要です。
まずローリングシャッター歪についてですが、ここではα7R VIがかなり高い評価を受けています。CineDの測定では、8K 25pで13.5ms、4K Dual Gain ONで15.6ms、さらに4K Dual Gain OFFでは7.2msという非常に高速な読み出し速度を記録しています。特に7.2msという数値については、フルサイズ機として最速クラスとかなり高く評価されていました。
この結果には、ソニーの設計思想が大きく反映されています。α7R VIは4K内部記録を中心に最適化されており、10bit内部収録と高速読み出し設計を組み合わせることで、実用性とスピードを非常に高いレベルで両立しています。動体撮影やパン時の歪み耐性という意味では、明確に有利なカメラという印象です。
One Point!:bit深度(10bit / 12bit)って? “色や明るさを何段階で記録できるか”を示す数字だよ。 12bitは10bitより情報量が多く、階調が滑らかになるんだ。
一方のLUMIX S1IIは、5.8K 12bit ProRes RAW、DR Boost ONという“最高画質優先”のモードで測定されており、その結果として27.5msというかなり大きなローリングシャッター値になっています。ただし、これは単純に「LUMIX S1IIが遅い」という話ではなく、むしろセンサー全域を高bit深度RAWで読み出しながらDR Boostも動作させているため、非常に重い処理負荷を抱えていると見たほうがいいようです。
One Point!:ProRes RAWって? Appleの高品質RAW動画フォーマットだよ。 12bitで膨大な情報を保持でき、後処理での耐性がとても高いんだ。
もしLUMIX S1IIを4K内部記録やDR Boost OFFといった軽めのモードで比較した場合、差はかなり縮まる可能性がありますが、それでもα7R VIの7ms級という速度は依然として非常に優秀であり、動画用途における読み出し速度能力という点ではソニー側が強い、というのがレビューのニュアンスと考えたほうがよさそうです。
ダイナミックレンジについては、さらに複雑な評価になっています。CineDはα7R VIについて、SNR=2で最大14ストップという極めて高い値を報告しており、「これまで測定した中でも最高クラス」とかなり高く評価しています。つまりセンサーそのものの性能は非常に強力です。さらに、高画素センサーでありながら高速読み出しとDual Gainを両立している点も高評価でした。
One Point!:SNR(Signal-to-Noise Ratio)って? “信号とノイズの比率”のことだよ。 SNR=2 や SNR=1 は、どれだけノイズが少ない状態で階調を測ったかの基準なんだ。
しかしその一方で、α7R VIには10bit 4:2:2内部記録という制約があります。CineDは特に、ソニーのノイズリダクション処理が比較的強く介入していること、シャドウを大きく持ち上げた際に色情報が崩れやすいことを指摘しています。つまり、測定上のダイナミックレンジ値は非常に高いものの、実際の映像耐性という意味ではRAW記録機には届かない、という評価です。
一方でLUMIX S1IIでは、5.8K 12bit ProRes RAWとDR Boost ONを組み合わせることで、センサー情報を非常に多く保持しています。測定値自体はSNR=2で12.9ストップ、SNR=1で14.2ストップですが、CineDが特に重視しているのは実写ラティチュードのようです。実際の露出復元テストでは、+5 / -5 ストップに近い広いラティチュードを示し、シャドウ復元時の色保持やノイズの自然さも非常に優秀と評価されています。
One Point!:ラティチュードって? 露出をどれだけ外しても復元できる“耐性”のことだよ。 RAWの情報量が多いほど強くなるんだ。
ここで重要なのは、LUMIX S1IIの強みが単純なセンサー性能だけで生まれているわけではなく、12bit RAWによる情報量の多さ、ノイズリダクション依存の少なさ、そしてポストプロダクション前提の設計思想が、この高いラティチュード性能につながっているようです。
そのため、CineDは最終的に「ソニーはまだLUMIX S1IIを超えていない」という結論を下しています。ただしこれは、「α7R VIの性能が低い」という意味ではなく、むしろ記事全体を通して見ると、α7R VIは4K 10bit内部記録機としては驚異的に高性能であり、高速読み出しと高ダイナミックレンジを非常に高い次元で両立している、とかなり好意的に評価されていると考えてもよさそうです。
つまりCineDの比較では、α7R VIは「驚異的に高速で、内部記録として非常に強いデジタルカメラ」、LUMIX S1IIは「重い処理を実行する代わりにRAW込みの最終画質耐性で依然トップクラスのデジタルカメラ」という評価になるようですね。
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α7R VI 主な仕様
| センサーサイズ | 35mmフルサイズ Exmor RS CMOSセンサー |
| 画素数 | 静止画時: 最大約6680万画素 |
| センサークリーニング | アンチダスト機能 |
| イメージプロセッサ | BIONZ XR2 |
| 手ぶれ補正 | センサーシフト方式5軸補正 |
| 手ぶれ補正効果 | 中央最大8.5段、周辺最大7.0段 |
| 高速連続撮影 | 電子シャッター 最大約30コマ/秒 メカシャッター 最大約10コマ/秒 |
| 動画撮影 | 最大8k 30p |
| 静止画シャッター速度 | 電子シャッター 1/8000-30 秒 メカシャッター 1/8000-30 秒 |
| フラッシュ同調 | 1/250 秒 |
| ISO | 標準:100 – 32000 拡張:下限ISO 50、上限ISO 102400 |
| フォーカスポイント | 静止画時: 最大759点 |
| EVF | 0.64型 約943万ドット |
| 背面液晶 | 3.2型3方向タッチパネル式液晶 約209万ドット |
| メモリカードスロット | SD (UHS-I/II)カード、CFexpress 2 Type Aカード用マルチ デュアル |
| サイズ | 約132.7 x 96.9 x 82.9 mm |
| 質量 | バッテリーとメモリカードを含む 約713 g |



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