ニコン Zマウントに50mmレンズが4種類もある理由
なぜニコンのZマウントでは50mmレンズの種類が4本も発売されているのでしょうか?このことについて説明しているコラムが掲載されています。この記事では、そのコラムの内容について詳しくお伝えします。
ニコンは50mm f/1.4を発表し、Zマウントの50mmのオートフォーカスレンズの選択肢が4つになった(50mm f/1.2 S、50mm f/1.4、50mm f/1.8 S、50mm f/2.8 MC)。これに加え、ほぼ標準レンズである40mm f/2やサードパーティという選択肢もあり、伝統的な「標準」レンズのラインナップはかなり広くなっている。
多くのZユーザが「どうして?」と疑問に思うのも無理はない。
その質問の背景にある考えは理解できる。35mmから50mmの狭い範囲に、これほど多くの単焦点レンズを投入することは過去(フィルム、一眼レフ)と同じことをしようとしているようで、新しい選択肢を探求していないように感じられる。それでもニコンは単焦点レンズで明確な方針を示していると思う。
- Z5とZfユーザ
- 小型で軽量、かつ廉価な単焦点レンズをターゲットにしている。これらのカメラは2400万画素のセンサーを搭載し、エントリー/カジュアルなフルサイズユーザを対象としているため、高解像度での光学的な明瞭さは設計のターゲットではない。このカテゴリーに合うレンズは28mm f/2.8、35mm f/1.4、40mm f/2、50mm f/1.4、50mm f/2.8だ。低価格がこのグループの設計要件の一つになっている。
- Z6とZ7ユーザ
- 1段階上のステップ。これらのユーザの多くは一眼レフからミラーレスカメラに移行した最初の人々で、「ボディの変更」以上のものを求めていた。彼らは最初のf/1.8 Sレンズでそれを手に入れ、現在では20mm、24mm、35mm、50mm、85mmの焦点距離まで拡大している。Micro-Nikkor 105mm f/2.8 S VRをこのカテゴリに入れる人もいるだろう。価格は高くはないが、このグループの価格は「お買い得」と言ったものでもない。
- Z8とZ9ユーザ
- 非常に優れた大口径単焦点レンズをターゲットにしている。まだ発売されていない35mm f/1.2 S、50mm f/1.2 S、85mm f/1.2 S、135mm f/1.8 S Plenaが含まれる。これらのレンズは高価格ではあるが、これらの高解像度のカメラが画素数を増やしても素晴らしい画像を提供している。
ユーザ層別のレンズラインナップ
記事では、なぜニコンが50mmという定番の焦点距離に4本ものレンズを設定しているのか、その思惑について解説しています。
上記を読むと機種別にレンズが分類されているかのように見えますが、実際には、エントリー層、ハイアマチュア層、プロフェッショナル層というように3層にターゲットユーザが別れているという意見になっているようです。
エントリー層にZfが入っているのは機能を見たものではなく、そのデザインから初めてミラーレスカメラやフルサイズカメラを購入する人と解釈しているようですね。機能的にはぜんぜんハイアマチュア層に入る機能があると思います。
その上で、エントリークラスの人はとにかく廉価なレンズを選択し、ハイアマチュア層は各レンズのf/1.8 Sシリーズを選択し、プロフェッショナル層ではとにかく高価であろうとも最高のレンズを選択する人と解説しています。
そのため同じ50mmでも、50mm f/1.4と50mmマクロがエントリー向け、50mm f/1.8がハイアマチュア向け、50mm f/1.2がプロフェッショナル向けとして販売されていて、50mmだけでも4種類のレンズがあるのだと解説をしています。
このうち50mmマクロはちょっと異色ですが、マクロは人気のあるレンズであることと、50mmとすることで標準単焦点でも使えるため、これ1本でマクロと標準単焦点を兼用する人のために設定されているということのようですね。
ニコンが実際にこのように考えているかは不明ですが、そう言われれば確かに、そのような方針があってもおかしくないのかなとは思いますね。
これらのラインナップがどの焦点距離まで適用されるかが問題となるわけですが、定番レンズについては上記のように3層、定番から外れるにつれエントリー向けレンズは発売されなくなり、ハイアマチュア向けとプロフェッショナル向けの2本立てになるのかもしれません。
NIKKOR Z 50mm f/1.4の主な仕様
型式 | ニコン Z マウント |
---|---|
焦点距離 | 50mm |
最大口径比 | 1:1.4 |
レンズ構成 | 7群10枚(非球面レンズ1枚) |
画角 | 47°(撮像範囲 フルサイズ/FXフォーマット) 31°30′(撮像範囲 APS-Cサイズ/DXフォーマット) |
ピント合わせ | マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 0.37m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 62mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約74.5mm(最大径)×86.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約420g |
付属品 | • レンズキャップ62mm LC-62B(スプリング式) • 裏ぶた LF-N1 • レンズフード HB-115 |
レンズ構成図
MTF曲線
(記事元)Z SYSTEM USER
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コメント
コメント一覧 (2件)
各メーカー3本くらいラインナップされているイメージなので特別多いとは思いませんが。
単に多いと言いたいだけかも知れないが、だったら45mmや55mの違う焦点距離の単焦点も作れって事?
35mmと50mmについては、それぞれ2つはF値違いはあっても良いとは思うけど
50mmはマクロレンズもあるから、多くなってしまった
しかも価格.comのランキング見るとZ35mmシリーズは売れてない
Z50mmシリーズはよく売れてる
企業としては売れる商品作りたいから、そうなるのでは?
個人的には70mmの単焦点レンズあると良いなとは思うけど3m半からフルショット、2mからウエストショット撮れる良い距離感で、樽型歪みが少なくなり、強い圧縮効果も出ないバランス取れた焦点距離にも思えるから
35mmの2倍の焦点距離はキリも良い
50mmだって24mmの2倍とも言えるし
その上50mm基準で考えるなら、50mmより少し広い45mmや少し狭い55mmみたいな発想もアリなんじゃないかな