Nikon Z 6IIIのダイナミックレンジ
Nikon Z 6IIIのダイナミックレンジが前モデルのNikon Z 6IIよりも低いことについて、それだけで画質を示すものではないので、現時点で推測するのは安全ではないという意見がでています。
Bill Claffとフォーラムの常連であるHorshackが公開した結果は、Nikon Z6 IIIが前世代の2400万画素センサーよりもはるかに低いダイナミックレンジになっていることを示している。
高速なセンサーの読み取りは、より高いレベルの読み取りノイズと関係していることが多く、これはニコンがNikon Z 6IIIの部分積層化センサーと呼んでいるセンサーでも同様のようだ。Bill Claffのphotons to photosサイトでは、彼独自の「写真ダイナミックレンジ」という測定基準を利用して、最大ダイナミックレンジを10.4EVと報告している。これはNikon Z 6IIの11.3EVという数値と比較される。
ダイナミックレンジが画質と同じものではないことを強調することは重要だ。2台のカメラが同じダイナミックレンジのカットオフを示した場合でも、そのうちの1台はその画像の明るさの範囲の大部分ではるかに良い色調の品質を示すことができる。従って、他のカメラのダイナミックレンジの数値との関連で、Nikon Z 6IIIの全体的な画質について仮定することは安全ではない。
「カメラ全体的に画質をもっとみて、その性能をよりよく理解するまで、速度とダイナミックレンジのトレードオフが価値のあるものであるかどうかは、何も推測できない」
しかし、ほとんどのカメラが非常に低い読み取りノイズのレベルを示し、画像の深い影を明るく画像に組み込むことを可能にした長い期間の後、Nikon Z 6IIIがその前に登場したNikon Z fよりも影ノイズの多いことは確かに注目に値する。その影の性能の減少という引き換えによって、高速撮影モード、動画と電子シャッターの両方で改善されたローリングシャッター歪み、Nikon Z fを上回るAF性能の優位性が示されている。
Nikon Z 6IIIのセンサーはデュアルコンバージョンゲイン設計で、高いゲインステップは低ISOで見られる読み取りノイズの差を克服するのには十分で、Nikon Z 6IIIをNikon Z 6IIと同じレベルにまで戻すが、最も意味のあるのはダイナミックレンジのピークの数値だ(通常はベースISOの場合)。
記事では、Nikon Z 6IIIが、その前に発表されたNikon Z fよりもダイナミックレンジの数値が悪化していることには驚きだとしています。そして、それには積層化されたセンサーが関係しているのではないかと考えているようです。
読み取り速度を速めるとどうしても読み取りノイズが増えてしまうのだそうで、部分積層化によってノイズが増えダイナミックレンジが狭くなった可能性があるようです。しかしダイナミックレンジがカメラの画質のすべてを表すものではないとして、実際に全体的な画像の品質に関して見てみなければならないというような内容になっていますね。
そして、高速な読み取りとダイナミックレンジのトレードオフはある程度仕方がないと考えている様子もわかります。以前のソニーがα9 IIIでグローバルシャッターセンサーを搭載したときも同様の話題がありました。やはりセンサーで複雑なことをすると、読み取りノイズが多く発生してしまうものなのでしょうかね。今後のレビューが非常に気になります。
さらに「Nikon Z 6/Z 6IIIのダイナミックレンジ、高感度耐性を比較する動画」ではZ 6とZ 6IIIの画像を比較した動画について詳しくお伝えします。
(記事元)DPREVIEW
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コメント
コメント一覧 (2件)
Z6IIIにDRを犠牲にしてまでの高速読み取りを求めていた層が、そうでない人と比較してどの程度居るのかは気になります。そのうち、Z6IIIの読み取り速度(歪みの量)で満足する方がどれくらいの割合か、も。
低画素ゆえの高感度耐性や広いDRを求めてた人は多いと思うので……後処理込みでZ6IIと同等なら問題にはならないかもですが。
まあ、これはZ6/Z6II/Zfに採用されている24MP裏面照射型センサーが高感度とダイナミックレンジについては格別良くできているということの裏返しに過ぎないかもしれませんね。