Nikon Z fが想定以上の人気でZ 6III、Z 7III発売に影響があるか
Nikon Z fが発売されました。ニコンダイレクトでは、想定以上の予約があり、発売日当日に製品を届けることができない可能性があるという表記が出されました。
しかし、発売日になり、各通販サイトで販売されるようになると、Nikon Z fの詳細な納期が明らかになりました。ヨドバシカメラによれば、いまNikon Z fを購入しても、製品を入手できるのは最短で6ヶ月後になるだろうとしています。
それだけNikon Z fは(少なくともニコンの想定以上に)人気があるということが言えるわけですが、一方で、このことがNikon Z 6III、Nikon Z 7IIIの発売日に影響を与える可能性も考えられるのかなと個人的には考えています。
少し話を変えます。これまで、Nikon Z 8はNikon Z 9とほぼ同時に発売されるべき製品だという意見は多くありました。基本的な機能は同じなので、縦グリがあるNikon Z 9と縦グリのないNikon Z 8で、それぞれ近い時期に発売してユーザの選択肢を増やしたほうがよかったというのが、その理由です。
なぜ、Nikon Z 9から間隔を空けてNikon Z 8を発表したのかということについては、様々な意見があります。一部の人は、ニコンはNikon Z 9の売上げを最大化するためNikon Z 8の発売を遅らせたと考えています。もし同じような機能で異なるカメラを発売した場合、選択の余地を与えてしまうため売上げを最大化できない可能性があります。一方で、Nikon Z 9のあとでNikon Z 8を発売すれば、機能を魅力的に感じた人がNikon Z 9を購入し、その後にNikon Z 9より小型なNikon Z 8が発売されたのを見て、Nikon Z 8も購入してくれる可能性がでてきます。このような考から、ニコンはNikon Z 9の需要が落ち着くまでNikon Z 8の発売を遅らせたのではないか?という意見があったわけです。
もちろん、Nikon Z 9の需要が高いなかでNikon Z 8を発売すると、さらなる供給不足を招いて、入手までかなり時間がかかる可能性があるため、Nikon Z 9の需要が落ち着くまではNikon Z 9の生産に注力したのでは?という意見もあります。しかし、これらのどちらが正しいのかは現時点ではわかりません。
さて、背景の説明はこれで終わりにして、なぜNikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIの発表がなぜ遅れる可能性があるのか。勘のいい人ならお気づきになったと思いますが、Nikon Z fとNikon Z 6IIIの関係を、そのままNikon Z 9とNikon Z 8の関係に置き換えて考えることができるからです。
Nikon Z fはEXPEED 7イメージプロセッサを搭載し、部分的にではありますが、Nikon Z 9やNikon Z 8と同じようなAF性能があるカメラです。今後、登場するはずのNikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIにも同様の機能が搭載されることが予想されます。そうなると、Nikon Z fの売上げを最大化しようと考えた場合、Nikon Z fの需要が落ち着いてからNikon Z 6IIIを発売したほうがいいのではないかと考えることができます。
いまNikon Z fの納期は6ヶ月です。Nikon Z fの売上げを最大化するためにはNikon Z fの需要が落ち着いてからNikon Z 6IIIを発売すると考えたら、来年の2024年の5月以降という可能性がでてくることになります。実際には2024年の5月からすぐにNikon Z fが手に入るようになるということはないでしょうから、完全にNikon Z fの供給が回復するまでにはさらなる時間がかかる可能性があります。最悪のことを考えると、Nikon Z 6III、Nikon Z 7IIIは6ヶ月以上、つまり8ヶ月、9ヶ月後の発売になる可能性も考えられることになります。
もちろん、これは勝手な想像なのでそのようになる可能性があるかどうかはわかりません。
ここでは、もしNikon Z fの需要が高い場合、Nikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIの発売日がどうなるのか、それぞれの可能性を考えてみたいと思います。
Nikon Z 6IIIとNikon Z 7III発売のシナリオ
シナリオ1 Nikon Z fの需要が収まるまで発売しない
このシナリオはNikon Z 9とNikon Z 8の関係と同様に、Nikon Z fの需要がある程度落ち着いてからNikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIが発売されるシナリオです。ほぼ同じようなAF性能があるカメラを発売した場合、シェアを奪い合う可能性があります。そのため、Nikon Z fの供給不足が解消してからNikon Z 6III、Nikon Z 7IIIを発売することになります。この場合、Nikon Z fの供給不足はどんなに早くても、今の納期の6ヶ月から考えると来年の夏ぐらいになると考えられるので、Nikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIの登場は来年の夏以降という可能性があるのかなと思います。
シナリオ2 Nikon Z 7IIIを先に発売する
このシナリオはNikon Z 6IIIは発売しないけれども、Nikon Z 7IIIを先に発売するというシナリオです。Nikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIは、Nikon Z 6とNikon Z 7と同様にセンサーの画素数が異なるはずです。もし、Nikon Z fとNikon Z 6IIIの解像度が近い場合はシェアを奪い合う可能性が高いです。しかし、Nikon Z fとNikon Z 7IIIで画素数が異なる場合には、Nikon Z fとNikon Z 7IIIではシェアの奪い合いが最低限になる可能性が考えられます。実際に、ニコンはNikon Z 6とNikon Z 7をほぼ同時期に発売してきたことから、この両製品がシェアを奪い合うことは想定済みで、そのぐらいなら許容される可能性があるのではないかと思いますね。
また、Nikon Z fはレトロデザインなので現代的なカメラのコントロール類を持っているわけではありません。Nikon Z fの仕様は魅力的だが、コントロール類が気に入らないのでNikon Z 7IIIのほうを購入しようと考える人も一定数いると思います。そうなると、Nikon Z 6IIIよりNikon Z 7IIIのほうが製品価格は当然高いので、ニコンは高いカメラを購入するよう一部のユーザを誘導することも可能になるかもしれません。
その後に現代的なコントロール類のNikon Z 6IIIを発売すれば、画素数的に扱い安いNikon Z 6IIIをあらためて購入するという人も一定数いるので、得られる利益を最大化することが可能になると考えられるかもしれません。また、Nikon Z 7IIIを発売することで、Nikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIの更新が遅れていることに不満を感じている人の、一部の人の不満を解消できる可能性も考えられます。
シナリオ3 Nikon Z fの供給状況に関係なくNikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIを発売する
このシナリオはNikon Z fの需要や供給状況とは関係なく、Nikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIを発売するというシナリオです。もともとレトロデザインで現代的なコントロール類がないカメラと、シェアを奪い合うことはないという立場にたてば、Nikon Z fの需給状況を考えずに、両カメラを発売する可能性はあると思いますね。
ただ、個人的にはNikon Z fと同じような機能でNikon Z 6IIIを発売すれば、Nikon Z fの売上げにはかなりの影響がでるだろうなと思います。
というわけで、Nikon Z fがかなりの人気であることを受けて、Nikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIの発売時期がどのような影響を受ける可能性があるのか検討してみました。
いまニコンで最も待たれているカメラはNikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIであると思いますが(Nikon Z 50IIも)、実際にはどのようなタイミングで発売されるのでしょうか。Nikon Z fが高い人気になっているということで、非常に興味深い状況になってきています。
もちろんニコンがこんなことを考えているかどうかは、完全に筆者の妄想で、実際にそうなるという確証はありません。実際にはどのようになるのでしょうか。
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コメント
コメント一覧 (7件)
シナリオ2が無難かなと思いますね。
おそらくZ 7IIIは最高画素機で61MP以上になると思うのでZ 9/8/fのどれとも食い合わず価格も40万円台かと思うので、例えばZ 8は大きく重くZ fはグリップや操作系がという人には40万円台でもいいからモダンなスタイルでZ 7IIと同等のサイズ感のEXPEED 7世代のカメラが欲しいと思っている人はいると思いますし、Z 9/8/fユーザーも2台目としてそんなZ 7IIIが欲しい人はいると思います。
Z 6IIIやZ 5IIはZ fが落ち着いてからだと思いますがZ 7IIIは来年のCP+前に発表されてもおかしくないと思います。
同時にAPS-CでEOS R7やα6700に対抗するクラスのZ 70もある意味夏季五輪向けとして出てきて、”7″ で共通してZ 7IIIとZ 70で2024年上期を盛り上げる感じになったらなと期待します。
ニコン程度の大きさの企業であれば抱えている協力工場も多数あり
それらの工場の部材、ジグ工具等の準備もあり計画生産で無ければ
立ちゆかなくなり全部とは言わないが多少はニコンから逃げるでしょう。
零細企業ではないので一度決めた生産計画は余程のことが無ければ
変えられません。
協力工場への影響が大きすぎます。
Nikon Z 6III や Nikon Z 7III の発売計画があればそれに従って進めるでしょう。
Nikon Z f の販売量は無関係と思います。
「シナリオ3 Nikon Z fの供給状況に関係なくNikon Z 6IIIとNikon Z 7IIIを発売する」だと思います。
Z 9とZ 8の関係とは異なり、Z fを買った方が簡単にZ 6Ⅲに買い替えるとは思えません。Z fcとZ 50と同じく、Z fとZ 6系は客層が異なります。
キヤノンは大分工場で生産自動化を進めていますが、ニコンはタイでの手工業的な生産体制で、生産機種の切り替えは容易です。
ニコンの生産体制は円安や災害リスクに弱いですが、機種の切り替えが容易なメリットがあります。
Z fの供給不足はおそらく部品調達、例えば真鍮製のダイヤルや旧式になった2400万画素センサーなどの供給に限りがあり、生産数が限られるのだと推測しています。
フジもそうですが、生産数が少ないと部品調達で不利になり、納期が長くなります。
シナリオ3でしょう。
当然、Z6ⅢとZ7Ⅲを出します・・・
だって、ニコンのユーザーがみんなアナログ操作回帰派ではないですから。
特に動きモノを撮っている人たちで、Z8やZ9は高すぎだと思ってZ6Ⅲを待っている人たちをこれ以上待たせるのは、商売的にどうですかね。
ソニーα7ⅣやキヤノンR6Ⅱに対抗するカメラを早く準備したいでしょう。
いわばそこがメインの市場ですから。
たとえ納期が延びても^^;
個人的には3だと思います。新しい技術を持っており、競合他社とのしのぎを削る状況下で持てる機能を具体化した機種を出さないという選択は自殺行為じゃないでしょうか。
Z6ⅢとZ7Ⅲの売れ行きこそニコンの今後を決定すると言っても言い過ぎではないほど重要です。
いくらZ9やZ8が高性能といっても、価格面から躊躇するユーザーはかなりいます。
話題のZ9ですが、生産台数はこれらボリュームゾーンのカメラに比べれば微々たるものかと推測します。
Z6Ⅲが3100万画素、Z7Ⅲが6100万画素程度で、α7無印&α7R系およびR6系&R5系とどれだけ張り合えるのか見ものですね。2024年度はある意味ニコンの正念場かとも思います。
Z9 と Z8 の場合は中身の共通部分が多く両者の供給を両立させにくい、
Z8 が発表されてしまうと Z9 の需要を喰ってしまう、
Z9 の単価の方が高いので Z9 をなるべく多く売った方がニコンの売上が増えるという背景があったと思います。また、顧客もそれを理解していると思います。
単価は Zf の方がおそらく安いことを考えると Zf の好調が Z6III Z7III を遅らせるかは、これらの需要と供給にどれくらい競合するところがあるかに依ると思います。
もし画像処理エンジン Expeed7 の供給に制約があるなら Z6III Z7III はいずれにせよ待たざるを得ないですが、これは次世代カメラは何を出しても数が出ないという意味なのでソニー、キヤノンと伍していくのは難しいという意味にもなります。
それ以外の要因で Zf の需要と供給が Z6III Z7III が被るということだと、プロ志向のカメラと趣味志向のカメラが棲み分けできる設計ではないということで問題ではあるのかなと思います。
なので Z9, Z8 の時とはちょっと違って Z6III, Z7III の遅れについてはニコンは厳しい目で見られるのではないかと思います。
あるいは遅れた分納得させるぐらいの内容が求められるでしょう。
入手し易いZ5Ⅱの登場が一番望ましいと思います。
弱点とされるフォーカス性能、動画、そして連射速度を改善してZシステム入門機種として価格もそれなりの設定であればZシステムが盤石なものになると思います。