Nikon Z50が受注停止に
先日、ニコンがNikon Z50の受注停止を発表しました。発売からかなり時間が経過している中での発表に、SNSなどではなんで受注停止になったのか、Nikon Z50はそんなに人気だったのかなどと驚きの声が上がっています。
ニコンによれば予想以上の予約が入っているためとしていますが、本当に予想以上の予約が入っているのか訝しむ声もあがっていることも事実です。
今回は、このNikon Z50がなぜいまこの時期に受注停止となってしまったのか、そのあたりを考えてみたいと思います。
Nikon Z50は売れている?
まずはNikon Z50が売れているのかどうかの確認です。BCNによれば、2024年5月のデジタルカメラランキングで、Nikon Z50ダブルズームレンズキットは6位にランクインしています。また、現在のBCNのランキングによれば、Nikon Z50ダブルズームレンズキットは9位(前週9位)、標準ズームキットが49位(前週58位)にランクインしています。
最近はNikon Z50の供給数が少なく、それでランキングが落ちているという傾向があるのかもしれませんが、少なくとも2024年5月の1ヶ月間はNikon Z50ダブルズームレンズキットは6位にランクインしていて決して売れ行きは悪くないカメラであることは事実のようです。
ただし、これが受注停止するほど売れているのかどうかというのは、このランキングからはよくわかりません。
Nikon Z50を巡る状況
Nikon Z 50は2019年に発売されたカメラで発売されてから5年が経過しています。とはいえ、最近のカメラの基本性能は高止まりで安定しているため決して画質的に劣るといったことはなく、十分に活躍できるカメラであることは間違いないと思います。ただし最新のAIによる被写体認識/追尾性能にはやや弱いということはあるかもしれません。
そしてNikon Z50はmicro USBを採用しているため2025年以降は欧州で発売することができなくなってしまいます。そのため現在は少なくとも現在のZ50の端子をUSB Type-Cにするか、もしくはUSB Type-Cを搭載したNikon Z50IIの発売が近いのではないかと見られています。
また現在、Nikon Z50IIの納期は約3ヶ月となっています。
Z fc ボディ ブラック | 約2ヶ月 |
Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット ブラック | 約2ヶ月 |
Z fc 16-50 VR レンズキット ブラック | 約2ヶ月 |
Z 50 ボディ | 約3ヶ月 |
Z 50 16-50 VR レンズキット | 約3ヶ月 |
Z 50 ダブルズームキット | 在庫あり |
Z 30 ボディ | 納期未定 |
Z 30 12-28 PZ VR レンズキット | 約1ヶ月 |
Z 30 16-50 VR レンズキット | 納期未定 |
Z 30 ダブルズームキット | 納期未定 |
Z f ボディ | 在庫あり |
Z f 40mm f/2 SE レンズキット | 約2ヶ月 |
Z 5 ボディ | 約1-2週間 |
Z 5 24-50 レンズキット | 約1-2週間 |
Z 5 24-200 レンズキット | 約1ヶ月 |
Z 6II ボディ | 約1-2週間 |
Z 6II 24-70 レンズキット | 約1-2週間 |
Z 6II 24-120 限定セット | 約2ヶ月 |
Z 7II ボディ | 約1-2週間 |
Z 6III ボディ | 約3ヶ月 |
Z6III 24-120 レンズキット | 約3ヶ月 |
Z 8 ボディ | 約1ヶ月 |
Z 9 ボディ | 約1-2週間 |
これが大まかなNikon Z50を巡る状況です。
それでは、続いてこのZ50の受注停止が何を意味しているのかを考えてみたいと思います。
可能性1 Nikon Z50IIの発表が近く生産を絞っている
上記で説明したようにNikon Z50IIは欧州で発売できなくなるためニコンがZ50IIを開発しまもなく発表することは間違いないとみられています。そのため在庫を残さないために、ニコンはすでにNikon Z50IIの生産量を少なくしているか、もしくはすでに生産を止めている可能性もあるのかなと思います。
この場合、すでにNikon Z50は3ヶ月待ちの状態なので、このまま受注を続けるとZ50の生産を翌年に持ち越しせざるを得ない可能性があることから、受注を停止し、このまま生産を終了してしまうという可能性があるかもしれません。
これまでは新製品が発売されても旧モデルを販売していたケースはよくありました。しかしZ50に関しては欧州で販売できなくなる製品であるため在庫を抱えてしまうリスクが高くなると考え、なるべく事前に在庫を減らしたいと考える理由があるのかもしれません。
可能性2 実際に爆発的に売れていて生産がおいつかない
次の可能性はNikon Z50が実際に売れていて、本当に生産がおいついていない可能性です。価格.comをみるとダブルズームレンズキットはまあまあ在庫はあるようですが、標準ズームレンズキットやボディ単体は多くの店で在庫切れになっています。
全国チェーン店系のショップ、例えばビックカメラ、ヤマダ、コジマなどでは全滅で、実際に人気がでている可能性は否定できませんが、それならばもっとランキングで上位に入っていてもおかしくないとも思えますし、このあたりは想像するしかなさそうです。個人的には売れているというより、供給が細くなっている可能性が高いのかなという印象です。
可能性3 サプライチェーンが混乱している
3番目の可能性はサプライチェーンの混乱です。現在、イスラエルとハマスの武力衝突でスエズ運河を通行するコンテナ船が攻撃を受けるという状態になっています。これを回避するため南アフリカの喜望峰を経由するコンテナ船が増えているようです。そのため見かけ上、コンテナ船の数が足りない状況になっていて、中国などからの部品が届いていない可能性があり、それにより生産が滞っている可能性は考えられそうです。
可能性4 生産リソースをZ6IIIに割り振っている
ここからは(ここからも)想像(妄想)になりますが、Nikon Z6IIIは比較的在庫のあるショップも残っていて、まだヨドバシカメラなどには在庫があります。これは、より人気の高い汎用機としては珍しいことで、ニコンはZ6IIIの供給不足のお知らせをだしていますが、以前のZ9やZ8ほどの状況ではないようです。
この状況から考えるとニコンはZ6IIIの発売に向けて、このようなことが可能なのか不明ですがZ50の生産リソースをZ6IIIに割り振っていて、かなりの在庫を積み上げた可能性があり、そのためZ50の供給量が細くなり受注を停止するような状況になってしまった可能性があるのかもしれません。
可能性5 生産リソースを他の新製品に割り振っている
最後の可能性はニコンが他の新製品発表のため、その製品の製造にリソースを割り振っておりNikon Z50の供給が追いついていない可能性です。他の新製品というのはNikon Z70(Z90)またはNikon Z7IIIのいずれかで、その製品発表も近いためNikon Z50を生産している余裕がなく新製品の製造を行っている可能性です。
可能性としてはNikon Z5IIの可能性も考えられるわけですが、Z5IIはZ6IIIの需要が一巡してから発売しないとZ6IIIの販売による利益を最大化することができないため、Z6III発表されたばかりのいまZ5IIが発表される可能性は限りなく低いのではないかと思いますね。従って新製品が発表されるとしたらAPS-Cフラッグシップか、高解像度のZ7IIIの可能性が高いのではないかと思います。
というわけで、なぜこの時期になってNikon Z50の受注が停止される事態になったのか、その理由について想像してみました。単純にサプライチェーンの問題や、実際に製品が売れている可能性もありますし、Z50IIの発表が控えているなかで受注を制限している可能性も考えられると思います。
実際には理由はわからないわけですが、皆さんはどう思いましたか?
さらに「ニコン Zシリーズの命名方法をZ6IIIから変更する!? Zと6の間のスペースがなくなる!?」ではZシリーズの命名方法が変わった可能性について詳しくお伝えします。
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コメント
コメント一覧 (5件)
いずれにせよ、今年の秋には出てくると思うんですよねZ50Ⅱ。
デザイン、どうするんだろうなあ?
Z8に似たペンタ部?のデザインにすると、カメラボディの縦が短いので難しいんじゃないですかね。
デザインそのままで、画像エンジンだけ最新にしてAF強化して出してほしい。
もちろんUSB-Cで。
お値段据え置きでm(__)m
ちなみにAFをオートにしておいて、出会い頭でパッと撮ると、キャノンR10だとけっこうな確率でピントくるんだけど、Z50だとぐっと精度が落ちるんですよね。
それ以外はZ50のほうが好きなんだけどなあ。
あくまでスナップ機として見た場合ですけど。
現状ではIBISの搭載とUSB-C対応、EXPEED7搭載くらいの変更で良いという意見が多いですが、果たしてそれだけで大幅な認識・AF精度の向上が実感できるのかネガティブな意味で気になります。
R7やR10に関してはDP CMOSAFやR3譲りのアルゴリズムがあるので下位機種でもある程度のAF精度は担保されてるし、使った上でも実感としてあるのですが、仮にZ50のセンサーをそのまま流用だと、例え処理エンジンが変わったとしても厳しいのでは?と感じてます。
NikonZ50 はヨッドバシカメラ、ビックカメラで販売終了ですね。
ボディ単体からレンズキットすべてです。
ヨドバシは販売終了品は表示しないにすると出てきませんし
ビックカメラは販売終了商品と出てきます。
実際の所は販売休止ではなくて生産終了ですね。
またヨドバシで値引き販売していたことから多くの実店舗で
値引き販売され売れ行きが増加した可能性が高いでしょう。
大手販売店では実店舗とネット販売では価格が異なることが
多いです。
それぞれの店舗固有の値引率なので急に売れ出すというのは
店舗の値引率が大きくなったと考えた方が良さそうです。
ヨドバシ等ではネット販売と実店舗は別会社なので注意が
必要です。
Z50Ⅱの登場が近そうです。
「可能性1 Nikon Z50IIの発表が近く生産を絞っている」だと思いますよ。
既に販売終了しているショップがあり、もうすぐ8月ですから欧州の対応も鑑み、Z50Ⅱへの切り替えを進めているのでしょう。
単にUSB-CとExpeed7対応に留まるのか、センサーも一新してくるのか、上位機種も出るのか、興味深いです。
Z50iiが楽しみです。
視察やらでさすがにZ8は大き過ぎるので、小さいは正義です。
クルっと180°展開する謎のチルト(?)仕様も、みんなで自撮りする時には便利ではあるんですよね、賛否あるでしょうが。
AF精度と手ぶれ補正、これがどうなるか。
Z50と変わらないサイズでも、SONYのAPS-C機では手ぶれ補正入ってますからね。技術的には可能でしょう。あとはサイズが大きくならないことを願います。