XF23mmF2.8 R WR レビュー
XF23mmF2.8 R WRは、多くの点で良い意味で驚かされたレンズだった。これほど小型なレンズのテスト前には多くの妥協を覚悟していたが、実際にはその数は非常に限られていた。光学的に優れたレンズであり、唯一の欠点は周辺光量落ちの大きさだが、このサイズであればそれもごく自然なことだ。
もしオートフォーカスの問題がなければ、理想に限りなく近い“パンケーキ”レンズになっていただろう。残念ながら、フォーカス機構は現代の基準では明らかに弱く、テストした中で最大の欠点となっている。
これらを総合的に考えると、価格はやや割高に感じられる。もちろん、優れた光学性能が金属製のしっかりした鏡筒に収められていることは理解しているが、開放F値の明るさやAF性能を考慮すると、この価格を「手頃」とは言いがたい。
- 長所
- スマートで軽量かつ堅牢な鏡筒構造
- 中央部での優れた解像性能
- 周辺部でも良好な解像度
- 軸上色収差はわずか
- 倍率色収差は認識できないレベル
- 深刻な歪曲の問題がない
- 低い非点収差
- このクラスの仕様としては自然なボケ描写
- 短所
- RAWファイルで目立つ周辺光量落ち
- フォーカスブリージングが大きい
- オートフォーカス機構の動作品質が物足りない
限りなく理想に近いパンケーキ
XF23mmF2.8 R WRのレビューをLensTip.comが公開しています。上記はまとめ部分を引用したものになり、より詳細なレビューや作例がありますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
レビューによると、XF23mmF2.8 R WRは開放F2.8から非常に高い解像力を発揮し、特に中央部ではF5.6まで絞ることでさらにシャープさが増すとのことです。周辺部の描写も良好で、小型レンズとしては驚くほどのパフォーマンスを見せているようです。
また、非点収差が少なく、画面全体で安定した描写が得られる点も高く評価されていました。ボケ味についても、F2.8という控えめな開放値ながら、自然で滑らかな印象を与えるとされています。
軸上色収差や倍率色収差に関しても、非常に良好な補正が施されており、実写において目立つような色ズレはほとんど見られなかったとのことです。さらに、歪曲収差はほぼゼロに抑えられており、建築物の撮影などでも安心して使用できると評価されています。
XF23mmF2.8 R WRの大きな魅力のひとつが、わずか180gという軽量さと防塵防滴仕様。これにより、日常のスナップ撮影や旅先での使用にも最適で、Xシリーズのクラシックなボディと組み合わせると、非常にバランスの良いセットアップになるようです。
一方で、いくつかの弱点も指摘されています。特にRAW撮影時の周辺減光が目立つとのことで、開放F値では画面の四隅がやや暗くなる傾向があるようです。また、フォーカスブリージングが大きいため、動画撮影時には注意が必要とのこと。さらに、オートフォーカスについては、最新のボディでは問題ないものの、X-T2などの旧型機では迷いやすく、動作音がやや気になるという指摘もありました。
特に指摘されているのはオートフォーカスに関連するもので、記事ではX-T2では動作が不安定だけれども、X-T30にすると随分よくなると指摘しています。しかし最新のX-E5で利用してもその差はあまり違わず、パンケーキであることで効率的なAFシステムを搭載できないのではないかともしています。このオートフォーカスの挙動さえ許容できれば、非常に使えるレンズになるようです。




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