NIKKOR Z 35mm f/1.4レビュー
NIKKOR Z 35mm f/1.4のレビュー記事が掲載されています。NIKKOR Z 35mm f/1.4はどのように評価されているのか、この記事では詳しくお伝えします。
私たちのテストで明らかになったのは、低コストで50mm f/1.4の標準レンズを製造することは可能ではあるが、より広角な35mm f/1.4の属性を持つレンズを作るには、はるかに努力が必要だということだ。ニコンはここで失敗したことは明らかだ。
光学設計者たちは、歪み、コマ収差、周辺光量落ちの補正を完全に諦め、同時にわずかに非点収差と横色収差の補正をおろそかにした。また球面収差も明らかなレベルで残っている。このように多くの妥協があり、彼らが何を私たちに提供しているのか不明だ。
この性能は数十年前の古い設計とほとんど変わらないと言える。耐候シーリングが施された鏡筒は全長が変わらず、動画撮影に最適化されているため、フォーカスブリージングが少ないという唯一の利点を確認することができた。NIKKOR Z 35mm f/1.4は、現在は600ドルという価格によって少し救われている。この価格はこの仕様のレンズの中でも最も安価な部類に入るし、オートフォーカスも実装されている。一方、サムヤンのAF 35mm f/1.4 FE IIはわずか50ドル高いだけだ。IIバージョンのレンズをテストすることはできなかったが、初代の設計に注目したところ、光学的には第2世代と違いがなく、ここでテストしたニコンのレンズよりも良い結果を残した。サムヤンは明らかに安価で光学的に優れたレンズを製造することが可能であることを示した。
まとめるとNIKKOR Z 50mm f/1.4は以前に紹介したZ 50mm f/1.8 Sの非常に強力なライバルと見なすことができるが、35mmの焦点距離に関しては、私は個人的に100ドル多くを支払って、光学性能が優れているが少し暗いNIKKOR Z 35mm f/1.8 Sを購入したいと思う。
- 長所
- 密閉された防塵防滴性能がある構造
- フレームの中央の解像度は良好
- わずかな縦方向の色収差
- ピントが外れた部分が素敵
- APS-Cセンサーでは中程度の口径食が見られる
- 明るい光源に対しても優れた性能を示している
- 静かで高速なオートフォーカス
- フォーカスブリージングが少ない
- 短所
- 開放絞り付近の周辺部の画質が弱い
- 大きなコマ収差
- とても大きな歪み
- フルサイズでは明確な口径食
- 非点収差が顕著
短所が目立つ?
ニコンのNIKKOR Z 35mm f/1.4レンズのレビュー記事が掲載されています。上記はまとめ部分で、より詳細な解説やサンプル画像などがありますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、今回のレビューはかなり辛口のレビューとなっていることがわかりますね。50mm f/1.4を作るのは簡単だったようだが、35mm f/1.4を低価格で作るのは難しかったようだとしています。
解像性に関しては少し絞れば十分に周辺部も解像性が増して優れているようですが、開放絞りでの周辺部や、各種収差、フルサイズでの口径食が目立つということで、かなり辛口の評価となっています。他のレビューでは、これほどの指摘をされているレビューをみたことがないので、個人的にはハズレのレンズを引いたのではないかと疑ってしまいますが、自分の目ではとても判別できないので、誰か目のいい方がおられましたら確認して報告していただけると助かります。
レンズのそれぞれの収差に関してですが、色収差は低分散ガラスを部材として利用していないため補正するのが難しかったのではないかと指摘しています。歪みに関しては樽形の歪みがかなり大きく補正できていないと指摘していますね。ただし、これらについてはデジタル補正で、かなり良好に補正できることがわかります。この他コマ収差や非点収差についても言及されており、特にコマ収差については理解ができないほどだとしています。
というわけで、今回はかなり辛口のレビューでした。NIKKOR Z 35mm f/1.4は記事執筆時点の最安値は約9万円となっていて、f/1.4の純正レンズとしてはかなり廉価な価格設定ですが、それなりにいくつかの欠点があるのかもしれません。
そして「Nikon Z9新ファームでの修正点が一部判明 主にZ 28-135mm f/4 PZへの対応か」ではZ9の新ファームについて詳しくお伝えします。
型式 | ニコン Z マウント |
---|---|
焦点距離 | 35mm |
最大口径比 | 1:1.4 |
レンズ構成 | 9群11枚(非球面レンズ2枚) |
画角 | 63°(撮像範囲 フルサイズ/FXフォーマット) 44°(撮像範囲 APS-Cサイズ/DXフォーマット) |
ピント合わせ | マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 0.27m |
最大撮影倍率 | 0.18倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 62mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約74.5mm(最大径)×86.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約415g |
MTF曲線
レンズ構成図
(via)LensTip.com
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コメント
コメント一覧 (3件)
こういうレンズがもっと出て欲しいと言ったばかりなのですが、35mmは50mmよりも設計が難しいのでしょうか、それとも外れレンズなのでしょうか。少々がっかりな結果ですね。
Z35mm f1.4と同程度の値段で、FマウントのシグマART35mm f1.4やタムロンの35mm f1.4新品が買えるので、FTZが気にならなければ、Fマウントレンズを買ったほうが良いかもしれませんね。中古ならもっと安くなりますし。
Lenstipの評価軸は解像感偏重気味だった覚えがあるので、辛辣な評価もやむなしかも。そういうレンズじゃない、という話ですかね。
ただまぁ、オールドな描写が欲しいなら素直に古めのレンズ使えばいい、という向きもあり。AFなどは速いでしょうから、足回りは最新で描写はやや古め、が欲しいなら綺麗に刺さるのかもしれません。
価格コムの所有者のコメントを見ると絞りを少し絞るだけで描写が改善するようで
絞りによる変化を楽しむといった点では良さそうですね。
このようなレンズの方が撮影者の感性が問われるかも知れません。
レビュアーさんの撮影距離が35mmと50mmが同一であれば結果が異なるのは
当たり前です。