カメラ内アップスケーリング機能は素晴らしい?
EOS R1とEOS R5 Mark IIに搭載されているAIによるカメラ内アップスケーリングはかなり画期的な機能である可能性があるようです。どのような機能になっているのでしょうか?
(前略)
2つの最大のトリックは、400%のカメラ内アップスケーリングと2段分のノイズ除去だ。前者はEOS R1で撮影された2420万画素の画像を9600万画素に、EOS R5 Mark IIで撮影された4500万画素の画像を1億8000万画素の画像に変換する。
Topazのような撮影後の編集ソフトは、画像をアップスケールするときに推測とAIを使用してピクセルデータを完全に作り出さなければならないのに対し、キヤノンの技術では何も推測する必要がない。それは撮影の瞬間にカメラに記録された情報を使用しており、画像についてすべてを知っている。
それはあなたが使用したレンズ、そのレンズによって作られた収差、ISO感度とそれにより入り込むノイズ、f値とそのボケの影響、ホワイトバランス、ビット深度を知っている。簡単に言えば、これらの数値を推測しなければならない第三者のアップスケーリングソフトとは同じ土台に立っていない。キヤノンの技術は、あなたの写真について既に持っているすべての情報を使用して単純に装飾するだけだ。
画像のアップスケールは簡単だ。カメラのメニューからカメラ内アップスケールを選択し、次に画像を選択して新しいファイルとして保存するか、既存のファイルに上書きするかを選択してOKを押すだけだ。
あっという間にカメラはあらゆるフルサイズカメラの画素数を圧倒する新しい超解像度のファイルを生成してくれる。EOS R5 Mark IIなら現在のあらゆる中判カメラの画素数を圧倒する。
(中略)
ノイズ低減機能はアップスケーリングほど派手でも、ただちに印象に残るものではないし、その効果をよく示している画像を実際にみせることもではない。
しかし写真を撮影するためにISO感度を最大限まで高くする人なら、これが本当に画期的なカメラであることは言うまでもない。
(後略)
EOS R1とEOS R5 Mark IIのカメラ内アップスケーリングはEOS R1の低画素への不満を解消する可能性があるかもしれません。
EOS R1とEOS R5 Mark IIにはAIを利用したカメラ内アップスケーリング機能が搭載され話題になりました。キヤノンはその機能について以下のように説明しています。
カメラ内アップスケーリング※
撮影後、縦横の画素数をそれぞれ2倍、全画素数を4倍に変換し、約1億7900万画素まで画像の拡大が可能。作品展などの大判出力にも対応できます。IBISハイレゾ撮影とは異なり1枚の画像で、高解像度な画像を生成。カメラ内で処理するためPCを介さずそのまま投稿/送信できます。トリミングと同時にカメラ内アップスケーリングを行うことも可能で、高解像度の画像を生成してからトリミングを行うよりも処理時間が高速です。生成時は、撮影画像の解像感を保ちながら、元画像から逸脱した画像を描写しないようにアルゴリズムをチューニングしています。
※ 対応画像:JPEG/HEIF画像。アップスケール済み画像をトリミングすることが可能です。RAW/C-RAW画像、同一機種以外のカメラで撮影された画像、カメラ内アップスケーリング済みの画像、動画撮影中静止画記録の静止画、画像サイズ:L以外、[静止画クロップ/アスペクト]:フルサイズ以外、RF-S/EF-Sレンズを使用しクロップされた画像はアップスケーリングすることができません。また、画像処理に時間がかかることがあります。
従来のハイレゾ撮影は、カメラのボディ内手ぶれ補正機能を利用したもので、センサーを少しずつ動かしながら連写し、得られた画像を合成して超解像度を実現する機能でした。しかし、ハイレゾ撮影は短時間で済むとはいえ時間差で連写しているため、その間に被写体が動くとおかしな画像になってしまうという欠点がありました。
しかしキヤノンのカメラ内アップスケーリングは、撮影されたRAWからカメラにあるAI機能を利用して画素数を縦横2倍に変換するもので1回の撮影で済むため動く被写体にも対応が可能だとしています。
記事では、この機能とPCやスマホで撮影後に超解像度にするソフトとは決定的な違いがあるとしています。それはカメラはカメラ自身が撮影したときの情報を持っているのに対し、ソフトはそれらの情報がないためすべてを推測しなければならず、それだけカメラ内アップスケーリングのほうが高性能であるとしています。
いまSNSではEOS R1が低画素機であることに不満を述べている人が多くいます。しかし、このカメラ内アップスケーリング機能を利用すれば、ある一定の場面で問題が解決する可能性がでてきそうです。
AIを利用しているとはいえ、あくまで推測で画素数を増やすことになるわけで、一部の場面では推測できないような状況になる可能性がありそうです。またAIで超解像度化させたものは実際に撮影されたものではないので写真ではないと思う人もいるかもしれません。
しかし、このカメラ内アップスケーリングの機能がかなり優秀な機能で、高解像度化しても問題ないシーンが多いのであれば、一定の割合でEOS R1の低画素問題も解決する可能性がでてくるのではないかなと思いますね。実際に様々なテストがされて、その結果が公開されると思いますので、実際に高解像度化したときにどのような問題が発生する可能性があるのか、レビューがちょっと楽しみです。
さらに「これまでの予約数から判断するとEOS R1は失敗作の可能性が高い!?」ではEOS R1の予約数について詳しくお伝えします。
(記事元)DigitalCameraWorld
Nikon Z 9 | EOS R1 | |
イメージセンサー | 4571万画素 裏面照射積層型 | 2410万画素 裏面照射積層型 |
エリア全域でのクロスAF | - | 対応 |
イメージプロセッサ | EXPEED 7 | DIGIC X + DIGICアクセラレータ |
常用ISO | 64-25600(拡張32-124000) | 100-102400(拡張50-409600) |
フォーカスポイント | 493点 | 1053点 |
メカシャッター | - | 対応 |
動画(最大) | 8K 30p、4k 120p | 6k 60p、4k 60p |
EVF | 0.5インチ 369万ドット | 0.64インチ 944万ドット |
視線入力AF | - | 対応 |
背面液晶 | 3.2インチ 210万ドットタッチ式4軸チルト | 3.2インチ 210万ドットタッチ式バリアングル |
ボディ内手ぶれ補正効果 | 6.0段 | 中央8.5、周辺7.5段 |
連続撮影(電子シャッター) | 20コマ(4570万画素、RAW) 30コマ(4570万画素) 120コマ/秒(1100万画素) | 40コマ(2410万画素) |
メモリカード | デュアルCFExpress Type B/XQDスロット | デュアルCFExpress Type Bスロット |
バッテリー | EN-EL18d | LP-E19 |
シャッター速度(電子シャッター) | 1/32000~30秒 | 1/64000~30秒 |
シャッター速度(メカシャッター) | - | 1/8000~30秒 |
シンクロ同調(電子シャッター) | 1/250秒 | 1/320秒 |
マイク端子 | 対応 | 対応 |
ヘッドホン端子 | 対応 | 対応 |
GPS | 対応 | 対応 |
最大画像サイズ | 8256×5504ピクセル | 6000×4000ピクセル |
測距可能輝度 | -7~19 EV | -7.5~21 EV |
バッテリー寿命 | 700コマ | 530コマ |
WiFi 6G | - | 対応 |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
サイズ | 1340g、149×150×91mm | 1115g、158×150×87 mm |
価格 | 店頭予想約70万円前後 | キヤノン公式108万9000円 |
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コメント
コメント一覧 (4件)
IBISハイレゾ撮影ではないので、解像度は上がらず等倍だと眠いので、元の2400万画素に縮小した時に解像感が上がる感じですね。
ただし、アップスケーリングよりもニューラルネットワークノイズ低減をかけた方が解像感が上がってノイズが消えるので、こちらの方が役に立ちそうです。実際にやってみないと分かりませんが。
RAW現像時にニューラルネットワークノイズ低減をかけ、jpegからアップスケーリングが一番良い感じでしょうか。
今までこの機能をキヤノンで有料で行っていたのを知っている人は
少ないかも知れません。
単なる拡大ではなく補完処理技術でデータを作っているでしょうから
拡大サイズに従って解像感は上がるはずです。
要は歪曲で4隅が足りないレンズでも伸長によりデータが足りなくなった分
補完補正でデータの欠損を埋める事と似ているかもしれません。
余計なことを考えず1枚撮影できれば高精細画像が得られるので
良さそうです。
有料の時に補完処理技術を様々な被写体に対し学習しているでしょうから
どの程度の仕上がりになっているかですね。
サードパーティのソフトではデータの全てを知り尽くしてはいないで
しょうから純正なら期待が持てそうです。
※素人なので上記のコメントに間違いや勘違いもあるかも知れません。
悪しからず。
今のところ、カメラ内Raw現像されたJpegだけ対象なんですね。
できればDPPにも、(R1・R5Ⅱで撮影されたRaw限定でも)機能追加されて欲しいところですね。
風景写真を専門とするプロはどうしてもPCでRaw現像している事が多いので…。
この機能があれば、そもそもIBISハイレゾさえももう要らないじゃない(笑)?
アップスケーリングが駄目で、IBISハイレゾじゃないと撮れないシーンって、RAW現像したいかどうかの場合しか残ってない気がする
RAW現像面倒で、しかもトリミングする時だけ画素数4倍に出来るとか革命的な神機能だよ
望遠レンズ持ってなくて広い絵でしか撮影出来なくても、とりあえず撮影しとけば後からナントカなるとか凄い役に立つ機能としか思えない
人物撮影ならば広めの210×140cmの縦全身で撮って、プリントしたい時にウエストショット105×70cmに出来る
人によっては臨時対応でAPSCクロップしてる人が、それ止めてこのアップスケーリング機能前提で撮影するから、撮り方に変化が出てくる
特にRF100−400mm持ってるけど、重くて高くてRF200−800mm使えない人やRF100−500mm持ってるけど1.4倍テレコン使ってる人はアップスケーリングに乗り換える可能性出て来る
いずれにしても、救えない写真を救える写真に変えられるのは革命的に感じる