OM-1のAF性能を向上できない理由
OM-1 Mark IIのAF性能をOM-1で実現できなかった理由が明らかになったかもしれません。なぜ新ファームでOM-1 IIの機能をOM-1に搭載できないのでしょうか?
OM-1 Mark IIは速く、バッファのサイズが2倍以上になっている
OM-1 IIはいくつかの部分で改良されている。2倍のバッファメモリにより、これまでの2倍の画像をバッファに保存することが可能になった。これはND128の前提条件だった。従って、ファームウェアのアップデートによって機能を後付けすることはできない。
しかし決定的な違いは別のところにある。ソニーのプリプロセッサとTruePicXの間の中間メモリが、2倍の速度のメモリに置き換えられた。
問題:これにはより多くの電力が必要で、発熱する。そのためカメラの熱管理を変更する必要があった。カメラには新しい基盤と、より省エネになった新しいディスプレイになっていると言われている。
外見からはそれが分からないのだが、一つ違いがある:センサーとTruePicXの間の通信が突如として2倍の速度になった。そして、それが新しいAI-AFを可能にしている。古いOM-1に対するファームウェアのアップデートでは、この性能を提供することができない。従って、ファームウェアのアップデートによってOM-1をOM-1 IIのレベルに引き上げることができると思っているのであれば、それは不可解なことだ。
それにも関わらずファーウェアアップデートによりOM-1に新しいAFアルゴリズムを実装することができるという。ただし、OM-1ではOM-1 IIの速度を達成することはできない、そしてもちろんGND・・それは非常にシンプルなソフトウェアだ。
OM-1 Mark IIには大きな変更が?
なぜOM-1 Mark IIのAF性能をOM-1に搭載することができないのか、その理由が判明したかもしれません。
OM-1 Mark IIにはいくつかのハードウェア的な違いがあるようです。これまではOM-1 Mark IIのバッファがOM-1と比較して倍になっていることは明らかになっていました。しかし、それ以外にも複数の内部的な違いがあるようです。
その違いとは、イメージプロセッサと(おそらくイメージセンサーの)ソニーのプリプロセッサの中間メモリの動作速度が2倍になっていること、液晶が省エネのものになっていることの2点なのだそうです。
速度が2倍になっているということは、おそらく高速なメモリを利用していることもそうですが、接続する信号線を2倍にするか、単純に動作クロックを2倍にする必要があります。そのいずれも電力を多く消費することは間違いないので、これを解消するための背面液晶などの部品を、より消費電力が少ないものを採用してカバーしようとしているようですね。また速度を速めることで熱が発生することになるため、熱管理方法を変更したり、基盤に変更を加える必要があったのだとしています。
そのため見た目にはわからない大きな変化があり、そのおかげで新しい機能を実現しているため、OM-1 Mark IIに搭載されている機能の一部はOM-1では実現できないそうです。
しかし、そうなると一つの疑問が生じます。それはOMデジタルが将来的にOM-1のAFのアップデートを行うと告知していることです。
- 「OM-1」に対する新しいファームウェアの公開を今年の秋頃に予定しています
- 以下の項目のアップデートを計画しています
- AF性能:S-AF と C-AF のオールターゲット時に、主要被写体をより捉えやすくする等の一部のAF 性能の最適化
- 操作性: 撮影時のゴミ箱ボタンでのメニュー操作に対応し、右手でのメニュー操作を可能にする操作性の向上
この説明が事実であれば、OMデジタルはOM-1ではできるはずないアップデートを行うことになってしまいます。ただし、この内容は単に「一部のAF性能の最適化」ということしか記述していないため、OM-1 Mark IIと同等になるという保証はありません。なので、おそらくOM-1のソフトウェアに含まれる被写体認識アルゴリズムを改良し、なんとかAF性能を高めようとしているのだろうと思います。従って、説明が正しければOM-1 Mark IIと同等のAF性能をOM-1には期待しないほうがいいかもしれません。
問題は、OM-1 Mark IIが、単にOM-1のマイナーアップデートのように感じさせてしまったことだと思いますね。これにより、新ファームで対応できるような内容ではないのかと感じさせてしまい、OM-1ユーザは困惑するとともにOMデジタルに向けて声を上げてしまって、そしてOMデジタルはその声に対応しなければならなくなってしうという連鎖を発生させてしまいました。
もしバッファが2倍になったことと併せて、内部的な動作速度を向上させたこと、それにより基盤や熱管理方法も変更したことを公表し、だからOM-1 Mark IIでAFを進化することができたと説明していれば、今回のような問題は起こらなかったかもしれません。もちろん、それでもOM-1 Mark IIはマイナーアップデートだと言われた可能性はありますが、少なくともOM-1では不可能であることは周知できたと思いますね。
また個人的にはOMデジタルはオリンパスの名称を利用できるのは2024年3月31日までだったと思っていて、その結果、OM-1 Mark IIをはやく発表しなければならなかったため、中途半端な機能向上になってしまったのではないのかなと思っています。もし名称がOM-1 Mark IIではなくて、OM-1sとかOM-1xとかマイナーバージョンアップであることを示す名称だったら、今回のようなユーザの反応はなかった可能性が高いのではないかと思います。
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コメント
コメント一覧 (3件)
OM-1 mkⅡでは、センサーとTruePicXの間の通信が2倍の速度に改良されているとのことですが、AFが暴れるのは通信速度と無関係と思います。
例えばキヤノンのEOS R6系は積層型センサーではなく、センサーとDIGIC Ⅹの間の速度はそれほど速くないと思われますが、AFが暴れる現象はないはずです。
初代OM-1は被写体認識のAI学習が不十分なのでしょう。
ただ、初代OM-1は不揮発メモリの容量が小さく、十分に学習させた被写体認識プログラムを搭載することが困難なのかもしれません。
2倍になったのがメモリの読み出し速度なのか、メモリを介した通信速度なのか判然としませんが、影響すると明言してるならまぁ、するんでしょう。真因はハードではなく実装の拙さかもしれませんが。
広報がヘッタクソなのは管理人さんの書かれた通りです。バッファ増設の話しか書かないから、AFやIBISはソフト面の改善=ファームアップで行けるだろ、との反応を生むわけですね。
元OM-1、現OM-1 mark IIユーザーとしては、もうそっとしておいてくださいという感じですが…
OM-1 mark IIで改良されたAFも、他社カメラと比べてそこまでアドバンテージはないように思うので、まだまだ地道に頑張ってほしいところですね。
とくに今回C-AF+TRが少し良くなっていたので希望が見えましたが、問題は今後も継続的にAFを改良する気があるのかどうか…