フランスの通信社と検証を開始
ニコンがフランスの通信社と画像の真正性を確認するための来歴記録機能の開発に向けて検証をしていることが明らかになりました。
AFP通信と協働し、ニコンのカメラへの来歴記録機能搭載に向けた検証を開始
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、フランス・パリに拠点を置く通信社Agence France-Presse(CEO:Fabrice Fries、以下AFP通信)と協働し、ニコンが開発中の来歴記録機能の報道分野における実用性検証を開始します。
ニコンは、近年発生している画像の改ざんや不正使用がもたらす不利益、悪影響から映像産業に携わる人々や企業を守るとともに、安心して創作活動や事業活動を行える社会の実現を目的に、画像の真正性確認をサポートする来歴記録機能の開発に取り組んでいます。特に、報道分野における画像の真正性の担保は重要な課題であり、本機能のカメラへの実装に向けて、AFP通信のワークフローにおける実用性検証を開始します。画像の撮影時点から来歴情報の記録を可能にすることで、報道写真の信頼性を向上し、ファクトチェックをより容易にすることを目指しています。
ニコンは今回新たに、情報を画像に埋め込む技術である電子透かしを来歴記録機能の一部として取り入れており、カメラシステム内で透かしデータつきの撮影画像を生成する機能を開発しています。この電子透かし技術により、Coalition for Content Provenance and Authenticity(コンテンツの出所と信ぴょう性に関する連合、以下、C2PA)の仕様に準拠したメタデータが万が一削除された場合でも、オリジナル画像との関係を把握できるようになり、より質の高い真正性確認システム構築が可能になります。
ニコンは今後も、日々開発が進むC2PA仕様の新たな要素を取り入れつつ、開発・検証を実施していきます。本機能は開発中の製品に搭載する予定です。時期は決定次第改めてお知らせします。
ニコンが来歴記録機能搭載に向けて検証を開始することが明らかになりました。
プレスリリースによれば、ニコンがフランスの通信社と画像の真正性を確認するための来歴記録機能の開発に向けて検証をすると発表しました。
画像がフェイクかどうかを判断するのは難しいわけですが、少なくとも撮影、編集など、画像として出力するまでに何を行ったかを記録することができれば、その画像にどのような操作が行われたのかを判断することが可能になります。もし、これらの情報がなければフェイクの可能性は否定できないということになるわけですね。
ただし、どのようにすれば改ざんを防ぐことができるのか?ということが問題となる可能性がありそうです。例えば、画像ファイルにexifデータのように保存するだけでは、あとから何かしらのソフトでそのデータを改ざんすることが可能になります。生成AIが作成した画像に情報を付与すれば、本物の画像ができあがります。
そのため、画像の撮影情報や編集したという情報は、公開鍵暗号を利用して暗号化したデータとして画像ファイルに付与されていくようです。暗号化しているため、当然ですが、改ざんすることは不可能で、撮影された時の情報や編集したという情報が画像ファイルに残ることになります。
さらに詳しく言うと、恐らくカメラや編集ソフトに秘密鍵を保存しておき、公開鍵を認証局のサーバに会社名や使用者などとともに登録します。撮影/編集データはカメラや編集ソフトにある秘密鍵で暗号化して、公開鍵とともに画像ファイルに添付します。ユーザは画像にある公開鍵について認証局で問い合わせをし、その公開鍵は誰が公開しているものなのかを理解することができます。
そして公開鍵の所有者と実際の画像の公開者が一致すれば、その画像はその人が撮影/編集した正しい画像であることがわかります。また公開鍵で画像に添付されている暗号化されている撮影/編集データを復号し、内容を調べることでどのような状況で撮影し、どのような編集が加えられたのかがわかるということになるのだろうと思いますね。結構面倒です。
とはいえ、これは現在のWebサーバのSSL(httpsの仕組み)とほぼ同じなので、ユーザ的にはあまり負担なく画像の真贋を確認できるようになると思いますね。
問題は、どの機種でテストされるのか?ということです。もし機能的に新ファームで搭載不可能なら新製品にこの機能が搭載されることになり、妄想がはかどるわけですが、ニコンはNikon Z 9でプロトタイプ機を開発していますので、恐らくAFP通信社に貸与されるニコンのカメラはNikon Z 9になる可能性が高いのではないのかなと思います。
あとなぜに日本のメディアとではなくフランスの通信社なのかというのもちょっと気になりますね。
さらに「ニコン 中国の認証機関に製品を登録 Nikon Z 6IIIか? Z 9Hの可能性もあるのか?」ではZ 6IIIの噂について詳しくお伝えしています。
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(記事元)https://www.jp.nikon.com/company/news/2024/0109_02.html
コメント
コメント一覧 (1件)
来歴記録機能はぜひ開発を頑張ってほしいですね。フェイクニュースやディープフェイクなど、偽画像による問題は増えていますし。
ただ、気になるのはカメラ側ではなく閲覧側の対応ですね。JPEGをそのまま使うようですから、EXIFの空き領域に秘密鍵で暗号化したハッシュ値を埋め込んでるのかと思いますが、そうだとするとTwitterやInstagramなど、EXIFを削除してしまうSNS(サービス)上の画像の検証ができません。来歴の無い画像は全て偽物、と言うのは乱暴過ぎて、当分は現実的でないでしょう。
最初から来歴記録対応の新しい画像フォーマットを作るにしても、Webブラウザーや各種サービスの対応は必要ですし……文書を読み込めば何か書いてありますかね?