キヤノンが互換バッテリーを排除しようとしている?
先日、キヤノンが米国でのカメラ用バッテリーなどの模倣品を販売する業者に対して提起していた訴訟に関して、販売業者に勝訴していたことが報じられました。これは互換バッテリーを排除することが目的なのでしょうか?この記事で詳しくみていきます。
キヤノン株式会社およびCanon U.S.A., Inc.は11月22日(金)、同社製品の模造品販売者に対して提起した商標権訴訟において勝訴したと発表した。Amazon.com, Inc.およびAmazon.com Services LLCと共同で2023年5月に提起していた訴訟。
(記事元)デジカメWatch
模倣品の排除については問題ないと思うのですが、中にはこれは模倣品の排除ではなく互換製品そのものを排除する目的で行われたのではないかと指摘する声が出ています。
これは本当に互換製品そのものを排除する目的で行われたのでしょうか?まったくの素人ではありますが、実際にはどのような訴訟が行われていたのか調べることによって、このあたりのことを少し眺めてみようと思います。
あくまで商標権の侵害訴訟か
今回のバッテリーの模倣品で勝訴したことに関して、キヤノンは以下のようなプレスリリースを出しています。
キヤノンとアマゾンがカメラ用バッテリーなどの模倣品販売者に対する米国での商標権侵害訴訟で勝訴
キヤノン株式会社およびCanon U.S.A., Inc.(以下、キヤノン)は、Amazon.com, Inc.およびAmazon.com Services LLC(以下、アマゾン)と共同で、米国のアマゾンストアにおけるカメラ用バッテリーと充電器の模倣品販売者に対し、2023年5月に提起した商標権侵害訴訟において、勝訴しました。
今回の訴訟は、米国のアマゾンストアにおいて、キヤノンのカメラ用バッテリーと充電器の模倣品を販売していた販売者(29セラー)に対し、キヤノンの商標権を侵害しているとして、2023年5月にワシントン州西部地区連邦地方裁判所に提起したものです。提訴後、いずれの被告からも法廷での反論がなく、2024年11月に侵害行為の停止および損害賠償などを命じる判決が裁判所より下され、キヤノンおよびアマゾンが勝訴しました。
(記事元)キヤノン
これをみると、対象とする相手は「模倣品販売者」に対してとあり、さらに「キヤノンの商標権を侵害している」ことを理由として訴訟を起こしていることがわかります。
さらにキヤノンは模倣品を撲滅するとして、以下のような対策をしていると述べています。
模倣品はブランドを傷つけるものであり、キヤノンブランドを信頼して製品を購入したお客さまに対して、故障や品質不良などの経済的損失をもたらし、さらには身体に危険を及ぼす可能性もあるため、決して見逃すことはできません。
キヤノンでは、商標「Canon」を全世界およそ190の国と地域で登録し、キヤノンを装った模倣品がどこで出現しても商標権を行使して取り締まることができる体制を整備しています。さらに、日本、アメリカ、イギリス、中国、シンガポール、インドおよびオーストラリアの担当チームが各地の法律事務所、調査会社、取り締まり機関、Eコマースプラットフォームなどと密接に連携し、模倣品を市場から排除するための活動をグローバルに展開しています。
(記事元)キヤノン
上記のようにキヤノンは商標である「Canon」を登録しており、キヤノンを装った模倣品に対して取り締まることができる体制を整備しているとしています。
今回の訴訟に関しても理由は「商標権の侵害」において勝訴したとしており、これはキヤノン製ではないのにも関わらず、キヤノンのロゴなどを使用した製品やパッケージで販売したことを問題視しているに過ぎないのだろうと思います。もし技術的な特許侵害品に対しての訴訟であれば、「特許を侵害した」という理由になると思いますが、今回はあくまで商標権に関しての訴訟です。
従ってキヤノンのロゴなどを利用していない互換バッテリーに関しては、この訴訟の対象外となるのではないかと思いますね。
というわけで、今回のバッテリーに関する訴訟は、キヤノンというロゴや名称を利用して販売をしていたから勝訴できたわけで、互換バッテリーであることを理由にはしていないため、互換バッテリーを排除する目的ではないと思いますね。もちろん、中身は品質はともかく互換バッテリーなので互換バッテリーの排除であることは確かですが、キヤノンのロゴなどを利用して互換バッテリーを販売することを問題視しただけであり、互換バッテリーそのものを排除することが目的ではないと思われます。
とはいえ、これはこの手のことについてまったくの素人が勝手に想像しているだけですので、実際のところはどうなのかはわかりません。しかし、中身を表面的に眺めると商標だけを問題にしているように受け取れます。実際はどうなのでしょうか?
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コメント
コメント一覧 (2件)
考察された通りで、今回の相手はあくまで模倣品ですね。互換品とは似て非なるもの。
互換品の排除は独禁法違反の可能性が割とあるので、こんな風に大々的にはやらんでしょうね。インク周りはブラザーがエレコムに敗訴してますし。Amazonにも多数残ってます。
電気系は万が一が怖いので高くとも純正を買う、という思いを不意にしかねないですから、模倣品排除には大賛成です。
ココでは模倣品と互換品を分けて考えてる様に見受けられるが、違いって何なんですかね
模倣品は駄目で、互換品はOKって理屈なんですかね
仮にその前提に立ったとしても互換品の排除をしたくて訴訟起こすのは問題ないと思えますよ
それぞれの会社の立場があるから
善悪の話じゃなくて
法律の解釈って大抵法律できた時と変わってくる事も場合によってはあり得る話
結局互換バッテリーでカメラに不具合起きてもメーカーは困る
中には出火したケースやカメラが故障したケースもある
それは消費者が選択した判断だとしても、その様な事象が起きる事は想定してないはずだし、望んでもいない
結果的に消費者にはメリットになる話
しかしリチウムの相場が昨年から暴落してるにも関わらず、カメラのリチウム電池は高騰してますよね
その辺は解せない話
そう言う後ろ指指されない為にも値段は上げるべき話じゃないし、ミラーレスカメラになって撮影可能枚数が激減してるのはメーカーの問題
仕組み上そうなるなら、ミラーレスカメラ登場の時点で大容量バッテリーを用意すべき
例えば1万mAhとかに
確かにそうすると重くなるし、レフ機でミラーボックス無くして軽量化してきたモノを帳消しにするなんて考えもあるんだろうけど、それは致し返しでしょ
バッテリーだけで200g程度あるのも仕方ない
全てのカメラでそうしろとは言わないが、ミドル機レベル迄はそう言った大容量化は必要だと思う
いつまでも2000mAh程度のバッテリーでお茶を濁してる場合じゃない
まさかモバイルバッテリーでの給電を常態化させる前提で考えるのは残念
長時間動画撮影に置いてはモバイルバッテリーを給電して使用する考えは理解可能だし、スチル撮影でも長時間大量に撮る場合はその運用も受け入れるべき事情はあるが、メーカーとしては何の工夫や対策もなく、レフ機のバッテリー容量をそのまま継続させるてる現状は余りにもお粗末過ぎる
カメラの省電力は進めてもらって結構だが、今の状況見るとそれには限界あるし、時間も掛かる
それなら最低でも5000mAhとかに増やす事は取り組むべき課題だと思うわ
イマドキのミラーレスカメラは記録メディアの処理能力にも依存するので、早くCFexpressの普及進めるべく、採用するカメラを増やして欲しい
処理能力増えると省電力にもなるから
今から10年前にUHS-Ⅱが発表され採用されたのはそう言う事情もある
ミラーレスカメラは軽いってのをアピールしたいから、バッテリー容量は少な目でカードの処理能力に頼った経緯もあるんだし
これ程CFexpressの書込速度が上がり、ギガ単価も30円台とかに下がってるなら、躊躇する必要はない
もう電子シャッター採用で一気に枚数増えるし、今後EVFの明るさ増大や高ドット化見込むと手っ取り早くバッテリーを増やすしかないでしょ