Nikon 1はNikon D3開発チームが開発していた
Nikon D3の開発チームがNikon 1を開発していたという噂があります。それがニコンのミラーレスカメラ開発にどのように影響した可能性があるのか深掘りします。
(前略)
ニコンは、カメラに対して独立したチームによるアプローチを選択している。そのすべてのカメラを担当するのは同じチームではなく、各カメラごとに個別のチームがある。これらのチームは周期ごとに、各製品の開発へ飛び移っていく。例えば、Nikon D3の多くのリーダーを含むメンバーはNikon 1チームに移行した。その理由の一部は、ニコンが2008年に、すでにオートフォーカスの将来は、別の部品によるものではなく、イメージセンサー中心のものになると知っていたからで、ニコンはそれに取り組むトップチームを働かせたかったからだ。
ニコン内の各カメラチームは、自分たちの設計に関する決定の多くを自分たちで行うことができるようで、これでこれまでに発生した奇妙なことや、ちぐはぐさを説明することができる。
(後略)
さて非常に興味深い内容が公開されていますので、紹介しようと思います。
その興味深い内容というのは、ニコンの1インチセンサー搭載のレンズ交換式カメラであるNikon 1は、Nikon D3の開発チームが開発を担当していたという噂です。ニコンからの公式発表ではなく、あくまで非公開情報ですので、これが正しいかどうかはわかりません。しかし、もし事実であれば、かなり興味深い「妄想」が膨らみそうです。
その内容によれば、ニコンは2008年に、これからは「別の部品」つまり位相差センサーによるAFではなく、像面位相差センサーによるオートフォーカスが一般的になると考えたそうです。そこで、おそらく、当時のニコンの開発チームではトップチームであったNikon D3の開発チームを、像面位相差センサーを搭載した新たなカメラの開発に割り当てたとしています。
その目的はもちろんですが、技術の吸収です。実際にカメラを開発することで、像面位相差センサー、ミラーレスカメラの技術を習得するためにNikon 1という新しいフォーマットを立ち上げて、そして製品をシリーズとして展開した可能性があることを示唆しています。
ニコンのカメラの発表の時系列
もしこれが事実であれば、ニコンはかなり早くから像面位相差センサーの技術に注目していて、その技術を習得しようと動いていたことがわかります。それだけでもかなり興味深い内容ですが、その後のニコンのカメラの発売(開発)状況をみてみると、より一層、興味深いことがわかります。
まず、この噂では、Nikon D3の開発チームがNikon 1の開発に関わったことは事実として語られています。ということは、このあたりから時系列が重要になってくるわけですが、そのことについて記述する前に、これまでのニコンの各カメラの発売日についてまとめてみます。
カメラ名 | 発売日 |
Nikon D3 | 2007/11 |
Nikon 1 V1 | 2011/12 |
Nikon D4 | 2012/01 |
Nikon 1 V2 | 2012/11 |
Nikon D4S | 2014/02 |
Nikon 1 V3 | 2014/04 |
Nikon D5 | 2016/01 |
Nikon DL正式発表 | 2016/02 |
Nikon DL発売予定 | 2016/06 |
Nikon Z 6 | 2018/08 |
Nikon D6 | 2020/02 |
Nikon Z 6II | 2020/11 |
Nikon Z 9 | 2021/12 |
もし仮にNikon D3の開発チームがNikon 1を開発したとします。Nikon D3の発売日は2007年11月、そしてNikon 1の発売日は2011年11月です。このことから、Nikon 1 V1は、およそ4年の期間で開発されたことになります。
この時系列は、Nikon Dxシリーズがオリンピックイヤーで発表されてきたこと、つまり4年に1度に新製品が投入されてきたサイクルと一致します。この頃は、カメラの開発は4年を一区切りで行われていたことの名残かもしれません。
Nikon 1の開発で像面位相差センサーやミラーレスカメラに関する知見を得た開発チームは、おそらくミラーレスカメラの開発に関わったはずです。ニコン初のミラーレスカメラであるNikon Z 6は2018年8月の発売でした。Nikon 1 V1の発売は2011年12月ですので、Nikon 1 V1の開発からおよそ7年経過してからNikon Z 6が発売されたことになります。
Nikon 1 V1の開発チームがNikon Z 6の開発に関わっていたとしたら、おそらく、途中でその他のカメラの開発に関わっていたと思います。そして、その開発が終わり、いよいよニコンもミラーレスということで、Nikon Z 6の開発にNikon 1チーム(旧Nikon D3開発チーム)が投入されたと考えるのが自然だと思います。
また、この発売の流れからみると、Nikon D5とNikon Z 6の発売間隔が2年7ヶ月しかないので、たぶんそれぞれ別の開発チームだろうことが想像されます。少なくともNikon 1 V1とNikon D4の発売日は数ヶ月しか離れていないので、Nikon 1 V1とNikon D4の開発チームは別々だろうと思います。
仮に二つのチームがあるとすると、それらの開発チームの動きとしては以下の可能性が考えられそうです。
チームA Nikon D3を開発 → Nikon 1 V1を開発 → (何かしらのカメラを開発) → Nikon Z 6を開発
チームB 何かしらのカメラを開発 → Nikon D4を開発 → Nikon 1 V3かNikon DLを開発 → Nikon Z 6を開発
チームAは記事にもあるように、Nikon D3開発チームがNikon 1を開発し、そのままいったんは別のカメラの開発を担当して、最終的にNikon Z 6の開発を担当したというパターンです。
チームBは、チームAだけでなくチームBにもミラーレスカメラの技術を習得させるパターンです。チームBはNikon D4の開発を経て、ミラーレスの技術を習得するためにNikon 1 V3か、Nikon DLの開発に加わり、その後にNikon Z 6を開発に参加したというパターンです。
ここで興味深いのは、Nikon DLの発売が中止になったことです。これまではニコンが中国のコンデジ工場から撤退するため、Nikon DLの発売を中止した可能性も指摘されていました。しかし、もしミラーレスカメラの開発に注力することが目的だったとしたら、Nikon DLの開発に関わっているチームメンバーもNikon Z 6の開発に注力させるために、Nikon DLの開発を止めたと考えることも可能なのかなと思いました。
もちろん、これらはすべて妄想ですが、このように開発サイクルと開発チームの動き、新製品の発売日などを考えると、いろいろ裏側が見えてくるようで面白いですね。皆さんはどのように感じたでしょうか?
さらに「Nikon Z fの供給不足解消の兆し ヨドバシ、ビックなどで在庫復活」ではNikon Z fの在庫が復活してきていることについて詳しくお伝えします。
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コメント
コメント一覧 (1件)
Nikon1はコンセプトとしては良かったと思いますがレンズの
絞り機構が壊れやすくこれがネックですね。
皆同じ機構なのにリコール対応したのは標準ズームのみ。
未対応のレンズは有償修理しました。
今でも荷物を少なくしたい時には持ち出し愛用しています。
可能であれば復活して欲しい。
センサーが小さいので天体望遠鏡で月のクレーター、土星の輪、
木星の縞模様等の撮影に便利です。
ニコンとしてはミラーレス開発に良い勉強になったと思います。