ネオ一眼の魅力とは何か
COOLPIX P1100が供給不足になっているとの告知を受けて、改めてコンパクトデジタルカメラ、レンズ固定式カメラの魅力について考えさせられている人がいるようです。この記事で詳しくお伝えします。
(前略)
ニコンのCOOLPIX P1100のページの翻訳によると、新しいネオ一眼カメラは「想定以上の多くの注文を受けたため配送にはしばらく時間がかかる恐れがある」ということだ。発売時に、ニコンは2月下旬までに注文の出荷を開始することを予定していると述べていた。
(中略)
日本での供給不足は富士フイルムのX100VI、ライカのD-Lux 8、さらにキヤノンのG7X IIIなど多くのコンパクトデジタルカメラが見つけにくくなっている需要の高まりの最新の事例だ。しかし、これらの3機種のカメラのトレンドとは異なり、ニコンのP1100は少し異色だ。確かにレンズ交換式のカメラではないが、コンパクトなカメラでもない。COOLPIX P1100をコンパクトと呼ぶ唯一の考え方は、望遠ズームレンズを搭載した交換レンズ式カメラと比べて比較的にコンパクトであるということだ。また、X100VIが成功した要素の一つであるレトロデザインでもない。
しかし、COOLPIX P1100はコンパクトカメラと同様にスーパーズームレンズを搭載したレンズ固定式のカメラが復活すべきだと私が投稿した数ヶ月後に登場した。ズームレンズはスマホには本当に競争力がないものだ。私はミラーレスカメラや望遠レンズに1000ドルも支払うことができないような野鳥や野生動物を撮影する愛好家に超望遠ズームのネオ一眼カメラを長い間勧めてきた。しかし、数年間更新されていないカメラを勧めることに躊躇いを感じていたので、COOLPIX P1100やLUMIX FZ80D、ライカのV-Lux5のようなカメラが登場したことを嬉しく思っている。
レトロでもコンパクトでもないP1100
レンズ固定式カメラの魅力について、改めて考え直す必要があるのかもしれません。記事では、COOLPIX P1100が日本国内で供給不足になっていることに関して、コンパクトデジタルカメラについて考え直すような意見が述べられています。
しかし、このことについて考える前に、まずはこのカメラの名称については様々な名称がありますし、国内と海外で異なる場合もありますので、このあたりを押さえておく必要があるかもしれません。
例えば日本国内では、カメラについて大まかにレンズ固定式カメラと、レンズ交換式カメラという違いがよく知られています。さらに、レンズ固定式カメラを単純にコンパクトデジタルカメラと分類している人や、そのようなサイトが多くあります。そのためネオ一眼レフのようなレンズ固定式の大型のカメラを見て、コンパクトとは想像できないため、ネオ一眼カメラはコンパクトカメラではないだろうと指摘する人がいることも理解できるところです。
なお、レンズ固定式カメラについては、単純にレンズが交換できないレンズ固定式のカメラという意味もありますが、その中に、さらにネオ一眼カメラのようなカメラや、防水性能のあるタフネスコンデジ、大きなセンサーを採用した高級コンパクトなど様々に分類することができます。
このCOOLPIX P1100のようなカメラは、日本国内では、まるでレンズ交換式カメラのような形状でありながら、レンズが交換できないタイプのカメラであるため、あたらい一眼レフのスタイルという意味でネオ一眼と呼ばれることが多い機種となっています。海外ではスーパーズームカメラや、ブリッジカメラと呼ばれることが多いです。ブリッジカメラというのは、コンパクトデジタルカメラと、一眼カメラの間をつなぐ中間にあるカメラでブリッジカメラと表現されており、超望遠撮影が可能なカメラでコンパクトデジタルカメラよりも大きく、超望遠レンズを装着した一眼カメラよりも小さいカメラと解釈されているようです。
これを踏まえて話を元に戻しましょう。最近は国内でも海外でも、コンパクトデジタルカメラがブームとなっています。その理由としては小型で軽量であること、レトロなデザインであること、設計が古く古めかしい写真が撮影できることに魅力を感じている人が多いからと解釈されることが多いです。しかし、もし仮にそれが正しいとして、レトロデザインでもない、小さくもないネオ一眼がなぜ供給不足になるほど売れているのでしょうか?これまでからは説明できないことが起きているということなのでしょうか?
この新しい解釈として記事では、やはり超望遠撮影を実現しているネオ一眼カメラの特殊性に訴求力があるのではないかと考えているようですね。超望遠ズームを取り付けたミラーレスカメラよりも十分に小型で持ち歩きがしやすいということで、野生動物や野鳥を撮影する人に人気がでているのだろうとしています。
野鳥などの撮影でも、実際にバードウォッチングで自分の目で珍しい野鳥を確認することができたという証明目的で撮影している人もいるでしょうし、そういう野鳥をより美しく撮影したいという人もいると思います。前者の場合、機材はそれほど良いものでなくても記録目的で撮影ができれば十分ということで、廉価で超望遠撮影が可能なネオ一眼が好まれ、人気がでているということはあると思いますね。そして、これはスマホではなかなか難しい撮影領域だろうと思います。
そのように考えると、いかに撮影に関しての需要を見極めて、その需要に対して的確な商品を投入していくということが重要なのかなと感じることができますね。いまはレトロデザイン、小型、昔懐かしく撮影できるカメラに人気があるということで、そのような製品を投入することにも意味があるのかもしれません。
しかし、いつかそのような流行が終わってしまったときにどうするかというのは、また悩ましい問題にはなりそうですね。
さらに「海外でNikon Z7IIが約15万円値引き販売中 Nikon Z7IIIの前触れとの指摘も」ではZ7IIIの予想される発表時期について詳しくお伝えします。
センサーサイズ | 1/2.3型原色CMOS |
画素数 | 1679万画素 |
焦点距離 | 4.3-539mm(35mm判換算24-3000mm相当の撮影画角) |
開放f値 | f/2.8-8 |
電子ズーム | 最大4倍(35mm判換算で約12000mm相当の撮影画角) |
手ぶれ補正 | レンズシフト方式(静止画) レンズシフト方式と電子式の併用(動画) |
手ぶれ補正効果 | 中央4.0段(静止画) |
高速連続撮影 | 連写H[約7コマ/秒で約7コマ] 高速連写120fps(約120コマ/秒で60コマ連続撮影) |
動画撮影 | 最大4k 30p |
シャッター | 0.39型有機ELモニター、約236万ドット |
シャッター速度 | 1/4000(広角側、小絞り側時)~1秒 バルブ撮影、タイム撮影( Mモード、ISO感度がISO 100時に設定可能):最長60秒 |
ISO | ISO 100~1600 |
フォーカスポイント | シングルポイントAF: 13×9 / 25×17のエリア選択、フォーカス枠サイズ可変 |
EVF | 0.39型有機ELモニター、約236万ドット |
背面液晶 | 3.2型TFT液晶モニター |
メモリカードスロット | SD/SDHC/SDXC メモリーカード |
サイズ | 約146.3×118.8×181.3mm(突起部除く) |
重量 | 約1410g(電池、メモリーカード含む) |
(source)DigitalCameraWorld
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コメント
コメント一覧 (3件)
P1000 の供給不足から P1100 の発売までの間の満たされなかった需要が一気に発注にむすびついたのだと思うので
初期需要が落ち着いてみないとこの分野の本来の需要は測りにくいのではないかと思います。
業務でもネオイチは重宝されています。裾野は意外と広い割に現行で出しているのはソニーとニコンとパナくらいで選択肢も少ないので需要が集中すると供給不足に陥ることもあるかと思います。
やはり、このサイズで3000mmまでのズームは唯一無二のものだと思いますし、この部分はまだスマホに侵襲されていない数少ない領域ではないでしょうか。
ただ、一定の需要はコンスタントにあるかも知れませんが、その総数は多くないかも知れませんね。私もニコンが再びこの領域に後続のコンデジを投入してくれたことを嬉しく思ってる一ユーザーですが、P1100が常に売上げの上位を占め続けるとは思えません。
仮に20万円越え等になると、かなりユーザーを限定することにもなりますので、レンズ、ボディなど主要な部分をP1000から引き継いだことにより、この価格を実現出来たのは個人的には最も良かったのでは無いかと思います。