Eマウントはいずれ行き詰まる?
Eマウントはいずれ行き詰まって廃止される可能性があると主張している意見があるようです。どのような理由で、なぜEマウントが廃止される可能性があるのでしょうか?
これは少しクレイジーに聞こえるかもしれないし、「クリック稼ぎ」のように感じるかもしれない。しかし、マイケル・ライデル氏は、これが今後、数年間以内に起こりえる理由を示し、一連の議論を提示した。要約すると以下のようになる。
Eマウントレンズは飽和状態
彼によれば、私たちは新しいレンズを販売することが難しくなる段階に近づいているという。なぜなら、すでにあらゆる種類の写真家向けに優れたレンズが多くあるからだ。そして、現在、出ている新世代のレンズは画質、AF性能、サイズにおいて改善されているが、この状況がこれ以上続くとは期待できない。
そして「カメラの販売」のみに依存してシステムを利益をもたらすものにするには不十分だ。誤解のないように言うと、最終的にはすべてのシステムこのことが発生すると述べている。キヤノン、ニコンなどもだ。しかし、ソニーはその長い歴史のおかげで、すでにその分岐点にある。
彼によれば、この解決策にどのようなものがあるのだろうか?それは、完全に新しいマウントを立ち上げ、人々が一から完全に新しいレンズを購入しなければならなくさせるというものだ。
いま、どのような編集システムが必要かについては、推測されていていない。私の個人的な意見を述べると、私は次の二つの可能性しかないと思う。
- 新しい中判システムへの切り替え
- Eマウントを維持しながら湾曲センサー技術を搭載した新しいフルサイズカメラの発売
中判システムへの移行
問題はソニーが富士フイルムやハッセルブラッドで使用されている「小さい」中判センサーを採用するべきか、それともフェーズワンやハッセルブラッドのデジタルパックで使用されている、より大きなフォーマットを選択するべきかということだ。小さなフォーマットはフルサイズに近すぎて実際のメリットを提供することは難しいが、大きな中判センサーは非常に大きなレンズを使用する必要があるという欠点がある。
湾曲センサー
これはフルサイズセンサーというスイートスポットを引き続き使用し続けるための最良の解決策だ。レンズは画像の角の歪みを修正する必要がなくなるため、3分の1小さくなる。より大きなカメラとそのはるかに大きなレンズが必要になるという欠点なしに、中判フォーマットの品質を実現することができる。本当のチャレンジとなるのは、生産コストと歩留まりだ。このような複雑なデザインを大量生産することが、どれほど困難かわからない。
上記は記事の一部になりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。さて記事では、Eマウントレンズはすでに様々なレンズで飽和状態にあり、これ以上、レンズの販売による利益を得られることができないのではないかと主張しているようです。レンズの性能もすでに十分なほど向上し、AF速度も速くなり、新しいレンズを発売する必要性も減っているとしていて、そうするとレンズを購入する人はいなくなってしまう可能性があるとしています。
もしレンズが売れなくなるとレンズ販売により得られる利益がなくなるため、利益を最適化するためにはカメラ本体の価格を値上げしなければならなくなるため、レンズ販売だけでEマウントシステム全体を支えることは不可能であると論じています。
そして、これはソニーだけでなく、いずれキヤノンやニコンにも起こりえることだとしています。しかし、ソニーはEマウントレンズを販売していた期間が長く、キヤノンやニコンより先に飽和状態になっしてしまう分岐点に達するだろうとしていますね。
確かに必要なレンズを購入してしまえば、同じようなレンズをさらに購入することはほぼないと思いますので、そのような状況になる可能性はあると思います。あとは、若い人が新たに職業カメラマンになって、レンズを買い支えるようなことはあっても、いまのように多くの本数を販売することは難しいかもしれません。
思えば、かつてはオートフォーカスが実用化されたり、デジタル化して高画素化したりして新しいレンズに買い換えなければならない技術の進化がありました。しかし、同じように新しいレンズを購入しなければならないような新技術によるレンズが開発されなければ、新しいレンズを購入せずに済むかもしれません。
そしてレンズを購入してもらう方法としては、新たなマウントに移行するか、湾曲の中判センサーを開発してEマウントを利用して新しいレンズとともにカメラも発売するという方法が提案されています。
しかし、ソニーはすでに多くのカメラを発売しており、シネマカメラでもEマウントを採用していたりするので、Eマウントそのものは存続することは間違いないと思いますね。しかし、いつかレンズの販売数が少なくなってシステムの維持ができなくなってしまうような時は本当に起こる可能性があるのでしょうか?個人的にはあまり信じられません。
さらに「ソニー 85mm f/1.4 GM II、ZV-E10 Mark IIが間もなく発表される可能性」ではZV-E10 IIの噂について詳しくお伝えします。
(記事元)SonyAlphaRumors
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コメント
コメント一覧 (6件)
ソニーは財務体質を見る製造業と言うよりエンターティメント会社に
なっているのでEマウントを手放す事もあながちデタラメとも
思えませんね。
ソニーは以前、自社の磁気コーテイング技術を利用した測長器を開発し
販売していましたが手放してしまいました。
またコンピュータも同様ですね。
幸い2社とも順調のようですね。
カメラ部門もコニカミノルタから受け継いだ物なのでソニーがどう
考えているかですね。
カメラ部門を別会社にしても不思議ではないかもしれません。
ソニーはPCだけでなく、リチウムイオン電池、液晶、有機EL、ソニーケミカル、メモリカードのnextorageも手放してます。Aマウントも数年で見切りました。
これ以上光学性能を向上させにくいEマウントを手放したとしても、不思議ではないでしょう。
レンズだけではなくてアマチュア向けのカメラが必需品ではなくなり、本当の意味で趣味のものになって市場が縮小している段階だとは思いますが、それにしてもレンズが揃ってしまったからマウントは廃止だというのは飛躍した議論だと思います。
Canonはマウントは何回か変更していますし、Nikonも一眼レフのAF化ではFマウントを堅持しましたが、ミラーレス化ではさすがにZマウントになってしまいました。
ですが、それも技術的に必然性があっての話で、レンズが揃ってしまってそれ以上売れなくなったからという理由ではなかったはずです。
SONYはこの数年でレンズの技術を大幅に引き上げたので(特に軽量化)、II型のレンズが売れていますね。
隙間を埋めるような所謂変態レンズも最近多いようですが、既存レンズと重なる部分もあるためヒットには至っていません。
最近、SONYのレンズに思うのは、GMレンズでさえ片ボケ率が高いことです。コンパクト化は設計が難しいのでしょうか。
Eマウントよりも商業的利益が確実に見込めなければ、捨てる理由は無いでしょう。FD→EFは完全電子化による長期的利益を見据えて、EF-Mは元々傍流、Nikon1は加えて商業的失敗(EF-Mも数こそ出ていたが利益的には怪しい)といった理由があります。
Aも「このマウントで突っ張るより、ミノルタの技術も駆使してミラーレスに行く方が長期的利益だ」といったところでしょうから、今のソニーが(例えば中判に)同じことを見出しているかどうかですね。
シェア的にはAを捨てても大した問題ではなかったですが、Eを捨てると影響も批判も桁違いでしょう。その上、A→Eと違ってマウントアダプターは不可。そんなリスクを犯してでも得られる莫大な利益が今の中判にあるとは思えませんね……。
元記事で湾曲センサーの話が出ていたので、知る限りではキヤノンと
ソニーで特許が出願済みでなおかつ焦点距離に応じて曲率半径が可変な
センサーも出願されていますね。
何時の日か日の目を見るかも知れません。
フジペットのような廉価機ではフィルムレールが湾曲していたのを
思い出します。
パノラマ撮影機のワイドラックス(レンズスイング式)も湾曲して
いましたがこれは意味が違いますね。