α7 V “RAWのノイズ除去適用”はデュアルゲイン出力が原因との新判断

デュアルゲイン出力の副作用か

ソニーのα7 VのRAWデータにノイズリダクションが適用されているのではとの指摘に、新たな情報がDPREVIEWに寄せられています。

投稿によれば、新たにα7 Vの電子シャッター時のダイナミックレンジ結果が加えられ、メカシャッターと比較する画像が公開されています。黒色のグラフには（ES）という表示があるように電子シャッターで、青色のグラフはメカシャッター時のグラフとなっています。

このように、電子シャッターではISO800から1000あたりでダイナミックレンジが一時的に回復するような“持ち上がり”がありますが、メカシャッターではそれがなく、直線的なグラフになっていることがわかります。

このことから、メカシャッター時にはデュアルゲイン出力が適用されている可能性を指摘しており、電子シャッターではハイパーコンバージョンゲインのみを利用していることになるのではと推測しているようです。

少しわかりにくいので、筆者の知っている限りの情報を書いてみます（間違っていたら指摘してください）。

日本国内と海外での呼び方が違う可能性がありますが、海外ではデュアルゲイン出力は、1つのピクセルから異なる2種類のゲイン（増幅率）で信号を同時に読み出す技術です。具体的には、低感度と高感度の2つの信号を取得し、画像処理によって合成することで、1枚の画像に広いダイナミックレンジを持たせることが可能です。この技術により、明るい部分の白飛びを抑えつつ、暗部のディテールも逃さない表現をすることが可能です。

一方、ハイパーコンバージョンゲインは、ピクセル内部の構造を最適化し、光を電気信号に変換する効率を高める技術です。これにより、少ない光量でも高い信号強度が得られ、暗所でもノイズの少ないクリアな画像が得られます。1つの信号をより高品質にすることに特化していて、デュアルゲイン出力のような信号の合成は行いません。

そこで今回のα7 VのRAWですが、デュアルゲイン出力による低感度と高感度の2つの信号を取得し合成していることから、ノイズリダクションのような働きをしており、それによりRAWにノイズリダクションがかかっていると判断してしまったということのようです。

フォーラムでは、ソニーのその他のカメラのRAWでもある程度のノイズ除去が行われているし、キヤノンの一部の機種でも行われているとして、今回のデュアルゲイン出力についても特に問題がないのではとの投稿もあります。実際にはどのような違いがあるのかは、今後の解析が待たれるところですね。

さらにα7 Vのテスト結果について「α7 V RAWにノイズリダクション組込み デュアルゲインでないことも判明」で詳しくお伝えします。

–DPREVIEW

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