NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIレビュー
ニコンはプロフェッショナル向け標準ズームのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの初代モデルを大幅に刷新し、ほぼすべての設計・性能面で7年前のオリジナルを上回るMark IIバージョンを発表した。
初代モデルに搭載されていたOLED情報表示パネルが省かれた点は惜しまれるが、全体としては完成度が非常に高く、2025年版への買い換えを検討する価値は十分にある。
インナーズーム機構により鏡筒の長さが一定に保たれる設計や、さらに高精細な描写性能、高速化されたAFなど、ほぼすべての要素が強化されている。また、f/2.8レンズとしては軽量化が進み、f/4レンズに近い重量となったことで、価格以外にf/4を選択する理由はほとんどなくなった。加えて、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIはニコン最高レベルの防塵防滴性能を維持している。
動画撮影への対応も向上しており、フォーカスブリージングの抑制、クリック感解除可能なコントロール/絞りリング、ジンバル使用時の操作性改善などが施されている。
近接撮影性能も強化されており、最短撮影距離の短縮と最大倍率の向上に加え、11枚の羽根絞りによる美しいボケ味も得られる。なお、現代の多くのレンズと同様に、JPEG撮影時にはカメラ内の歪曲・周辺光量の補正が前提となっており、RAW現像時には適切なレンズプロファイルの適用が推奨される。
価格は2019年の2199ユーロから2599ユーロへと上昇したが、OLEDパネルを省略したことを除けば、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは期待を大きく上回る完成度となっており、多くのユーザーにとっても満足度の高いアップグレードとなるだろう。
ほぼすべての性能で前モデルを上回った
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIのレビュー記事をPhotographyBlogが公開しています。上記はまとめ部分を引用したものなり、より詳細なレビューや作例がありますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは非常に優れたレンズでメリットが多くあるようですが、デメリットに関してもいくつかあると指摘しています。
まずメリットについてです。Nikon Z 24-70mm f/2.8 S II は、世界初の内部ズーム構造を採用した24-70mm f/2.8レンズだとされており、ズーミング時に鏡筒が伸びないことでジンバル撮影時の重心変化を抑えられるのが大きな特徴だと言われています。従来機より約130g軽くなり、F4版とのサイズ差もかなり縮まったことで、Zマウントのf/2.8標準ズームとしては最軽量クラスに位置するとも報告されています。また、シルキースウィフトVCMを新たに採用したことで、旧型比でAFが5倍高速・50%静音になったともされ、動画撮影への適性がさらに高まったという評価が見られます。
光学面ではメソアモルファスコートとアルネオコートの採用によって逆光耐性が向上し、開放から高い解像性能を発揮するほか、新設計の11枚羽根円形絞りによってボケもより自然で滑らかになったと言われています。さらに、クリック感を解除可能なコントロールリングやL-Fnボタンの増設、フィルター操作窓付きフードの採用など、操作性に関する改良も多岐にわたっているようです。最短撮影距離も大幅に短縮され、簡易マクロ用途にも対応しやすくなったという声があります。
一方で、価格は2599ユーロ、2799ドルとZマウント標準ズームの中でも高価な部類に入り、1型で好評だったOLED表示パネルが省略された点については惜しむ声もあるとされています。また、ボディ内手ブレ補正任せでレンズ側の手ブレ補正は非搭載のままなため、Z5・Z50などボディ内手ぶれ補正が弱い・非搭載の機種では注意が必要とも言われています。サイズは旧型より小型軽量化されたものの、24-70mm f/4と比較すれば依然として本格志向のプロ・ハイアマチュア向けの重厚なレンズという位置づけになると指摘しています。
解像性に関してもテストされており、中央部分は焦点距離全域にわたって開放から解像性が高く、周辺ではf/5.6からf/11までが最高の結果を得ることができるそうです。このことから、四隅までバッチリ解像させたいときにはf/5.6程度まで絞って使ったほうがいいようですね。
さらにNikon Z7III登場の可能性について「Z7III登場の可能性は? 登場しない理由 登場したら仕様はどうなる?」で詳しくお伝えします。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II 主な仕様 最新情報!
ニコン 最新情報!
Z 24-70mm f/2.8 SとZ 24-70mm f/2.8 S IIの仕様の違い
Z 24-70mm f/2.8 S II | Z 24-70mm f/2.8 S | |
レンズ構成 | 10 群14 枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ3 枚、メソアモルファスコートあり、アルネオコートあり 、最前面のレンズ面にフッ素コートあり | 15群17枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ4 枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面および最後面のレンズ面にフッ素コートあり) |
最短撮影距離 | 0.24m(焦点距離24mm)、0.24m(焦点距離28mm)、0.27m(焦点距離35mm)、0.3m(焦点距離50mm)、0.33m(焦点距離70mm) | 撮像面から0.38m(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.32倍(焦点距離70mm) | 約 0.22倍(焦点距離70mm) |
絞り羽根枚数 | 11枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
インナーズーム | 対応 | - |
AFモーター | ボイスコイルモーター | ステッピングモーター |
クリック感切り替え | 対応 | - |
フィルターサイズ | 77mm(P=0.75mm) | 82mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約84mm(最大径)×142mm | 約89mm(最大径)× 126mm |
質量 | 約675g | 約805g |
直販価格 | 371,800円(税込) | 330,000円(税込) |
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