LUMIX S 100-500mm F5-7.1レビュー
LUMIX S 100-500mm F5-7.1は、これまでに登場したLUMIX Sシリーズのズームレンズの中で最長の望遠域があるレンズで、パナソニックのフルサイズレンズのラインナップに存在していた大きな空白を埋める存在だ。
これまでのS PRO 70-200mm F2.8 O.I.S、S PRO 70-200mm F4 O.I.S、そして低価格なS 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.Sに加え、500mmという長い焦点距離がありながら、従来の100-400mmクラスのサイズに収めたことは、パナソニックの大きな挑戦といえる。
この設計にはいくつかの明確な利点がある。最もわかりやすいのは、4倍ズームではなく5倍ズームということだ。もし100-400mmズームを使用していて、もう少し望遠が欲しいと感じたことがあるのならば、このレンズはまさにその要望に応えるものだ。
さらに、このレンズは一般的な100-400mmズームレンズと比較しても、大きさ・重量がほとんど変わらないという点も魅力的だ。しかも、テレコンバーターに完全に対応しており、最大で1000mm相当まで焦点距離を拡張することができる。
デメリットとしては、開放F値が暗いという点が挙げられる。多くの同クラスのレンズは100mmでF4.5、400mmでF6程度だが、このレンズは100mmでF5.0、400mmでF6.8に達してしまう。この点をどのように評価するかはユーザー次第だろう。
また、このレンズはズーム操作による全長の伸びも大きく、100mmから500mmにズームすると8.5cm伸びてしまう。100mm時は比較的コンパクトだが、500mmでは存在感が増してバランスもやや崩れる。
とはいえ、この新しいパナソニックのレンズは、2020年発売のRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMよりも軽量・小型・低価格である点は注目に値する。
さらにデザイン面でもRF100-500mmの影響が見られる。新しいズームリング、カスタマイズ可能なフォーカス/コントロールリング、光学式手振れ補正、回転可能な三脚座など、明らかにインスピレーションを受けている。
ただ、手振れ補正に関してはLUMIXが優位だ。最大7段分の補正効果は、キヤノンの5段を大きく上回り、三脚を使用しなくても望遠端を実用的に活かせる性能を発揮している。
結局のところ、このレンズとRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMを比較するのは興味深いものの、システムが異なるため現実的な意味はあまりない。
それよりも重要なのは、パナソニックがついに十分な機能と画質があり、多くのユーザーのニーズを満たしながらも、現在の基準で見れば妥当といえる価格帯の本格的な超望遠ズームレンズを発売するという事実だろう。
RF100-500mm F4.5-7より軽量・小型・低価格なのは高評価
LUMIX S 100-500mm F5-7.1のレビュー記事をPhotographyBlogが公開しています。上記はまとめ部分を引用したものになり、より詳細なレビューや解説がありますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
このLumix S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.レンズレビューでは、多くの利点が挙げられています。
まず、汎用性についてです。本レンズはLマウントアライアンスのメンバーであるため、パナソニックのカメラだけでなく、ライカやシグマのLマウントカメラでも使用できるとのことです。さらに、別売りのテレコンバーター(1.4倍および2倍)に完全に対応しており、最大で1000mmまでの焦点距離に拡張可能としています。
性能面では、特殊な光学エレメントを複数含む構成により、画質が最適化されているようです。テスト結果では、色収差はほとんど目立たず、高コントラストな領域でのみわずかに現れる程度としています。歪曲はズームレンジの両端でほとんど見られないとのことです。また、11枚の円形絞り羽根の採用により、非常にきれいなボケ味が得られるとの評価です。
機能と操作性も充実しています。Dual I.S. 2光学式手ブレ補正は最大7.0段分の補正効果を提供し、手持ち撮影を容易にするとされています。オートフォーカスは高速で静音であり、動画撮影に重要なフォーカスブリージングも抑制されているとのことです。さらに、防塵・防滴および-10°Cまでの耐低温設計が施されていることも、かなりのメリットとなるようですね。
一方で、いくつかの欠点も指摘されています。
サイズと重量については、本レンズは三脚座やフードなしで約1.3kgと、比較的大きく重いレンズであるとしています。また、ズーム時にレンズ全長が伸びる非インナーズーム方式であるため、望遠端ではレンズが長くなり、バランスが悪くなるとの指摘があります。開放絞り値はF5からF7.1まで可変となり、望遠側ではやや暗くなる点に注意が必要です。光学的な問題点としては、開放絞りでは周辺光量落ち(ビネット)が目立ち、解消するには3段程度の絞りが必要だそうです。また、太陽を直接撮影する状況ではフレアがやや顕著であることも示唆されています。
パナソニックのカメラを利用している人にとっては、純正パナソニックレンズの望遠レンズのラインナップが増えることになり、非常に嬉しいのではないかと思います。また、RF100-500mm F4.5-7 L IS USMよりも小型軽量で低価格であることは素晴らしいと評価されていて、開放f値が暗いことを許容できれば素晴らしいレンズのようですね。
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マウント | ライカカメラ社L-Mount規格準拠 |
レンズ構成 | 12群19枚(UEDレンズ2枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ2枚) |
焦点距離 | 100-500mm |
画角 | 24°~5.0° |
開放絞り | F5-7.1 |
最小絞り | F29-40 |
絞り形式 | 11枚羽根 / 円形虹彩絞り |
最短撮影距離 | 0.80m(W端) / 1.50m(T端)(撮像面から) |
最大撮影倍率 | 0.16倍(W端) / 0.36倍(T端) |
光学式手ブレ補正 | あり |
Dual I.S. 対応 | あり |
フィルター径 | 82mm |
最大径×長さ | φ92.0mm×約196.1mm(レンズ先端より、レンズマウント基準面まで) |
質量 | 約1,285g(レンズフード、フロントキャップ、リアキャップ、三脚座は含まず) |
対応テレコンバーター | あり |
防塵防滴 | あり |
フッ素コーティング | あり |
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