RAW動画を撮影できる最も安いフルサイズカメラ
Nikon Z5IIでRAW動画を撮影できるということに驚きの声があがっているようです。どういうことなのかこの記事で詳しくお伝えします。
もし4月3日に発表される前にNikon Z5IIに欲しい仕様を述べろと言われていたら、RAW動画は私の優先する仕様のリストの最後にすらなかっただろう。しかし、ニコンはまさにそれを実現し、SDカードにN-RAWを記録できる初のZシリーズカメラに仕上げた。さらに4K 60p(1.5倍クロップ/4K 30pはフルサイズ)、Full HD 120p、本格的なバリアングル液晶があり、同クラスのカメラで最高の動画性能を発揮する可能性を秘めている。
ただしRAW動画は4K 30pまでで、PetaPixelによれば、フルサイズセンサーで撮影する4K N-RAWはラインスキップ方式(SDメモリカードの記録の制約によって)となるため、全画素を読み出すクロップN-RAW動画に比べ画質が劣化する。最高の画質を求める場合や撮影後編集でクロップする予定なら、フルサイズでのRAW撮影はお勧めできない。
とはいえ、これは決して欠点ではない。この価格帯のカメラでRAW動画が撮影できることは非常に意義深いものだ。実は、私はこれは予想すべきだった。最近のニコンは動画機能に本腰を入れているからだ。かつてはニコンにとって動画は二の次だったが、今や最高峰のシネマカメラブランドのREDを傘下に収め、日常的にRAW動画対応カメラを発表するまでになった。まさに動画機能への全力投入だ。ちょうど先日、アドビのPremiere ProがついにN-RAWをサポートすると報じられたばかりだ。全ては関連している。
これは初代のNikon Z5の状況とは対照的だ。当時は4K 30p(1.7倍クロップ)、Full HD 60p止まりと動画性能は今ひとつだった。オートフォーカスも物足りず、Nikon Z5IIがZ8/Z9のオートフォーカスシステムを搭載していることは大きな進化と言えるだろう。
おそらく大多数のNikon Z5IIユーザはRAW動画を撮影しないだろう。しかし重要なのは機能が存在することだ。これはニコンが本気で動画に取り組んでいるという明確なメッセージなのだ。
機能制限はあるが機能があることが重要
Nikon Z5IIの動画機能に驚きの声があがっています。記事によれば、まさかNikon Z5IIにN-RAW動画を撮影できる機能が搭載されるとは思ってもいなかったと述べています。
確かにN-RAWまで録画できるカメラになるとは思っていませんでしたので、少し驚きではありましたね。ただしクロップだったり、ラインスキップだったりとハード的な制限があるようですが、ニコンは本気を示すために動画を搭載するのはメッセージになって良かったとしています。
いまRAW動画を本体内部へ記録することに何かしらの制限があるのかどうかはわかりませんが、少なくともニコンはREDの親会社ですので、他社には不可能なRAW動画の内部記録には何の支障も無いということであえて機能を搭載したというところなのでしょうか?
でも、個人的にはNikon Z5IIはNikon Z5の後継というよりNikon Z6IIの後継だと思っているので、Z5と機能を比較してもちょっと違うような気がするなとは感じます。
センサーサイズ | 35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー(フルサイズ/FXフォーマット) |
画素数 | 2450万画素 |
センサークリーニング | イメージセンサークリーニング |
イメージプロセッサ | EXPEED 7 |
手ぶれ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
手ぶれ補正効果 | 中央7.5段 |
高速連続撮影 | 高速連続撮影(拡張):約14コマ/秒 ハイスピードフレームキャプチャー+(C15):約15コマ/秒 ハイスピードフレームキャプチャー+(C30):約30コマ/秒 |
動画撮影 | 最大4K 60p |
シャッター速度 | 1/8000~30秒 |
ISO | 常用ISO 100~64000 |
フォーカスポイント | 273点(シングルポイントAF時)、299点(オートエリアAF時) |
EVF | 0.5型 Quad-VGA OLED、約369万ドット |
背面液晶 | バリアングル式/3.2型TFT液晶モニター(タッチパネル)、約210万ドット |
メモリカードスロット | デュアルSDメモリーカードスロット |
サイズ | 約134×100.5×72mm |
重量 | 約700g バッテリーおよびメモリーカードを含む |
(source)DigitalCameraWorld
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コメント
コメント一覧 (5件)
Z5IIは間違いなくZ5の後継機種でしょう。ハードウェア的にはこの進化しかありえませんでした。Z5のハードウェア機能を引き継いだ上で現時点におけるニコンが出せる最新機種として最低スペックであるのは間違いありません。手振れ補正やEVFは確かに最低ランクとは言い難いところですが、Zfとの部品を同じにしたコスト減を狙ってのことですからプラスに働いたとみて良いでしょう。またZ5IIを基準にしたさらに低価格路線を出すとしたら、あとはもう筐体サイズ自体はほぼ変わらずEVFを排除したモデル等になるでしょうね。筐体そのものを小さくすれば部品が全て変わり、恐らくZ5IIより値段が上がります。
N-RAW動画搭載はまさに記事の通りで、ニコンは低価格帯でも一定の動画機能を今後も搭載していきますよ、と宣言したに等しいですね。4K30P程度ならばUHS-2の高速書込に対応していれば問題無く記録できるでしょうが、ユーザーがどのようなSDカードが搭載するかメーカーからすれば不明なのと、センサーの読込速度的な問題もあり、ある程度安全策を取った形にしているのかもしれません。
Zfで搭載できないのは、単にZfでは廃熱が追い着かないからだと思います。
何にしろ値段の高いハイエンド・プロ機ばかりが売れても趣味として使ってる自分みたいな人間からするとちょっと困るので、Z50IIも含めたこういう価格帯がバンバン売れてくれるのは大変ありがたいといった気持ちで見ています。
REDを買収後、少し筒動画関連の動きが見えてきましたね。
まだプロが使う動画用レンズが一本しかないのでどうするのか
ですね。
RAW動画の内部記録はパナソニック、ソニー、キヤノンが
普通に出来ると思うのでニコンが遅かっただけかもしれません。
とはいえ他社は低価格機では出来なかった様な気もします。
単に動画の内部RAW記録ということであれば、正直 ProRes RAW HQの方がありがたいのですが、それはUHS-II V90のSDカードでは無理なので、N-RAWであっても内部RAW記録ができるのは素晴らしいですね。
ここに来て、REDの圧縮RAW特許が火を噴いたというところでしょうか。
二度目の投稿失礼します。
動画のRAW内部収録に関して言えば仕様を確認したところEOS R6IIもα7IVもS5IIも出来ていません。この価格帯のフルサイズではこのカメラが初ではないでしょうか。(センサーサイズが違うのならばこの価格帯で可能な機種はあります。しかもより動画機として高性能です)
高価格帯のカメラも含めるならニコンはZ9から可能なので、今となっては遅れている程ではないでしょう。
外部収録まで含めれば当然以前から出来る機種はありますが、それではあまり意味がありません。内部収録が可能なほど余裕のあるボディというのはそれだけで価値があると思っています。
上にも書きましたけれども、例えばPanasonic機の場合ですと、DC-S5M2XでRAWの内部記録ができないのは記録メディアがSDカードだからでして、MFT機になりますがDC-GH6はCFexpressがついているのでProRes RAW HQでの内部記録ができます。
Z5IIは記録メディアはSDカードしかついていないエントリーモデルなのでProRes RAW HQはビットレートが高すぎて内部記録はできないのですけれど、N-RAWは圧縮が効くのでSDカードに記録できてしまうというのがアドバンテージになっているというわけですね。