Nikon Z 6IIIとNikon Z 6IIのダイナミックレンジは低照度でほぼ同じ?
実際にNikon Z 6IIIとNikon Z 6IIのダイナミックレンジを比較したところ低照度ではほぼ同じという測定結果になったといという記事が公開されています。これはどういうことなのでしょうか?
(前略)
しかし私がNikon Z 6IIIをラボでテストしたとき、私が見たものはNikon Z 6IIIのダイナミックレンジは低感度でNikon Z 6IIとほぼ同じで、新しいカメラはISO 6400以上で前モデルのNikon Z 6IIを0.5~1EV下回っていた。
ことは驚くべきことであり、残念なことでもあるが、私が思うには二つのカメラのあいだで注目すべき違いは、シグナルノイズ比の性能、つまり各カメラが特定のISO感度でどれだけ画像ノイズを生成するかということだ。私たちのシグナルノイズ比テストでは、Nikon Z 6IIIとNikon Z 6IIは低感度では非常に似たレベルのノイズを生成したが、ISO1600ではNikon Z 6IIIがNikon Z 6IIの画像よりも明らかにノイジーな画像を生成し始め、この傾向はISO25600(テストした最高感度)まで続いている。
(中略)
Nikon Z 6IIIの場合、2450万画素の画素数はNikon Z 6IIと同じだ。ここでの違いはNikon Z 6IIIの部分的に積層化された新しいセンサーによるものかもしれない。これは推測であり、確認された事実ではないが、部分的にスタックされたセンサーがセンサーの読み取り速度を改善して高速連写とローリングシャッター歪みを減らしたことで、画像ノイズとダイナミックレンジに悪影響を与えている可能性がある。
(中略)
しかし新しいNikon Z 6IIIを急いで返品する前に、いちど「ズームアウト」してみよう。私たちのラボでのテスト、およびWilliam Claff氏のテストが強調した二つのNikon Z 6カメラの画像品質の違いは比較的小さなものだ。私たちの場合、公平な測定環境を維持するために、すべての高ISOのノイズリダクションを無効にし、ダイナミックレンジの強化をオフにしてテストしている。これらのシステムが有効になった「現実世界」の使用では、あなたが意図的にそれを探さない限り、画質のこれらの微妙な違いを本当に見つけることができるだろうか?それはできそうにもない。
(後略)
以前にテストした別の測定結果では、低ISOでのNikon Z 6IIIのダイナミックレンジがNikon Z 6IIと比較して悪化したことがわかったとされていました。それが以下の記事になります。
しかし、今回テストした結果によれば、Nikon Z 6IIIとNikon Z 6IIのダイナミックレンジは低ISOではほとんど違いがないことが明らかになったのだそうです。上記のグラフと青と緑がその測定したダイナミックレンジで、ISO3200以上になると、Nikon Z 6IIがやや有利になりますが、それでもほぼ違いはなく、ISO3200以下ではNikon Z 6IIIとNikon Z 6IIは同程度になっていることがわかります。
この測定結果からはNikon Z 6IIIのダイナミックレンジはNikon Z 6IIとほぼ同等と考えられそうです。
しかし、逆にシグナルノイズ比では、全般的にNikon Z 6IIIはNikon Z 6IIよりも数値が悪化している状況がわかります。詳しくみてみると、ISO100からISO200までは同等、ISO200から400にかけてノイズが増えていく様子がわかります。そしてISO800ではデュアルゲインが働いて同等にもどり、そこからまた悪化してNikon Z 6IIIとNikon Z 6IIの差が一定のままISOが高くなっていく様子がわかります。
このことからNikon Z 6IIIはダイナミックレンジは特に問題がなく、低ISOであればNikon Z 6IIと同等で、しかし高ISOになるに従ってノイズが多くなっていく様子がわかります。これは上記で紹介している感度別ダイナミックレンジテストとは異なる結果となっているようです。
これまで低感度で問題があると思われていましたが、逆に低感度はNikon Z 6IIと同じということで、できるだけ低ISOで良い画質の写真を撮影したいという人には問題にはならなくなった可能性がでてきます。しかし、暗い場所で高ISOでもキレイに撮影したいという人には問題になるかもしれません。
ところで、このテストはノイズリダクションをオフにしてテストしており、実際に撮影するとNikon Z 6IIIとNikon Z 6IIの差をみつけることは難しいとしているため、実質的にはまったく問題がない可能性まででてきています。
というわけで、測定方法や環境、またはそれぞれのカメラの個体によって異なるのかもしれませんが、測定結果が異なるとなるとなかなか難しい状況になってきますね。実際にはどちらの結果が正しいのでしょうか?
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(記事元)DigitalCameraWorld
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コメント
コメント一覧 (5件)
Digital Camera Worldの記事は、DxO Analyzerのグラフの形から読み取れることとは矛盾したことを言っていますね。
Z6IIIとZ6IIのノイズレベルのグラフ(青と緑の線)はほとんど重なっており、この測定結果を素直に読むとノイズレベルにはほぼ差はなく、ダイナミックレンジの差はZ6IIIの方が白飛びへのマージンが少ないということを示しています。
すみません。とんでもない誤りを書いていました。
ノイズレベルはオレンジと赤の線なので差がありますね。
ノイズレベルに差があるのにダイナミックレンジにほとんど差がないということから読み取れることは、ノイズが多い分だけ白飛びにも強くなっているということになります。
高ISO時のノイズ耐性が良くないとほとんど意味ない訳で、低ISOにこだわるのであれば最初からZ6Ⅲという選択肢にはならないかと…
現実世界では差を見つけられない、というのは往々にして正ですが、決して差が無いわけではなく、シビアな局面で露呈したりしますからね……。
ニコンはAFと超高感度耐性を両立するのが操作系が特殊なZfしかなく、Z6IIIにこそ期待していた人が多かっただろう、というのはあるでしょう。肝心の部分積層が静止画だと思ったほど、なのも拍車をかけている感じ。
ダイナミックレンジに関しては通常の撮影では見分けることは
出来ずたいした問題では無いと思います。
前回指摘した通り高感度側のS/N比の劣化がZ6Ⅱと比較して少し
悪いかなと思う程度でしょう。
暗い室内での撮影では多少影響は出るかも知れませんが差は僅かです。
でも動画をあまり撮らなくて出費を抑えたければNikon Z 6IIを
購入した方が良さそうです。
ヨドバシ価格で約43.5万と約29.5万、価格差は大きいです。(約1.5倍弱)
今まで後継機でこれほどの値上げはないかもしれません。
高いと言われた EOS R6 シリーズでも1.2倍程度だったと思います。