17-50mm F/4 Di III VXDレビュー
タムロンの17-50mm F/4 Di III VXDは珍しい焦点距離の超広角ズームレンズですが、このレンズはどのように評価されているのでしょうか?
タムロンには敬意を表したい。彼らは革新的なアプローチで、17-50mm F/4 Di III VXDというユニークなレンズを生み出した。これは標準域まで伸ばしたこれほど広い焦点距離の超広角ズームは初めてだ。しかし、紙上のスペックだけでは全ては語れないので、ソニーユーザにとってこのレンズが明らかな選択肢になるとは言えない。シャープネスの数値は悪くないが、実際の画像は立体感(いわゆるマイクロコントラスト)に欠けており、撮影後編集での追加の編集をしない限り、かなり平坦に見える。これは画像の中心を含む、全体的に解像度が低下することにも反映されている。技術的には、超広角から広角の範囲でシャープネスは良好だが、50mmでは大幅に低下する。多くのエキゾチックな広角ズームレンズに共通する特徴として、17mmと20mmでは歪みの数値がかなり極端なので、自動補正が必要になる。これはRAW画像の非常に強い口径食にも当てはまる。横色収差は比較的よく管理されている。ボケの品質はまあまあだが、このレンズを購入する理由にはならない。
製造品質は全般的に良好だ。タムロンのデザイン哲学は「知覚される」製造品質よりも軽量さを重視する傾向があり、このアプローチを好むかどうかは個人の好みによるところだ。プラスティックで作られた岩から掘り出されたようには感じられない。17-50mm F/4 Di III VXDは、インナーズーム機構とその実装方法が少々奇妙であることの副作用で、レンズそのものは比較的長い。より良いシーリングが可能になるというのは確かに歓迎すべき利点だ。タムロンのAF機構は非常に高速で静かだ。
タムロンは超広角レンズの焦点距離を50mmまで拡大しようと試みており、その努力は賞賛に値する。しかし、17-50mm F/4 Di III VXDが標準ズームの代替品でないことは明らかだ。標準ズームは性能がよりバランスが取れている傾向がある。少なくとも高画素機のカメラでは望遠端の50mmは実際には緊急時の設定以上のものではない。全体的に、私たちはこのレンズをプロフェッショナルの写真家には推奨しないが、品質要求がそれほど高くない動画にはまだ有効な選択肢になるかもしれない。
- 歪み
- 17mmでは樽形歪みが7%を超え、20mmでも依然として5%と非常に大きい
- 28mmで0.5%に軽減され、50mmでは解消される
- 口径食
- f/4の17~20mmでは3EVを超え、f/5.6でもそれほど改善しない
- 減光は中から長焦点距離で緩和しf/4でまともな結果になる
タムロンの17-50mm f/4 Di III VXDのレビューが公開されています。記事にはさらに詳細なレビューやサンプル画像などもありますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事によればタムロンの挑戦は褒められているけれども、レンズの性能的には今ひとつという結果になっているようです。
記事をみると口径食がかなりあるばかりか、せっかく50mmまで焦点距離を伸ばしたのに、その50mmの解像性が悪化しているとしています。また歪曲は逆に広角端で最も歪みが酷く、望遠端の50mmでまともになるといった具合に、解像性とは逆になっていることがわかります。さすがに設計上、様々なジレンマがあるのでしょうね。
というわけで、一般的なユーザならいいかもしれないが、プロフェッショナルにはお勧めできないとしています。しかし他のレビューではこのレンズはかなり高い評価を受けているものもあり、このあたりは実際に利用してみないとわからないのかもしれません。
このレンズは現在の最安値で8万円を切る価格で購入することができます。さらに50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDを購入すれば、2本のレンズで超広角から超望遠までをカバーできるので、廉価に揃える場合には非常に便利に利用できると思いますね。
個人的にはタムロンは50-200mm f/4や50-180mm f/4のようなレンズを作って、小三元レンズの代替にしようとしているのではないのかなと妄想しています。
さらに「タムロン 15-30mm f/2.8レンズほかの特許」ではタムロンの新レンズの噂について詳しくお伝えしています。
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(記事元)https://www.opticallimits.com/sonyalphaff/1184-tamron1750f4
コメント
コメント一覧 (2件)
Mobile01やDustin Abbottといったサイトでは絶賛されているレンズで、私もこれらと同じ評価です。50mmも良好です。
実際FE2070よりも周辺四隅の解像に優れています。
このように評価が異なるのは、一つにTamronレンズに限った話ではありませんが、個体差が大きいというのがあります。同じレンズを複数買ってもまるで描写が異なるケースがよくあります。
私はTamron社に念のため点検に出しましたが、当たり玉とのお墨付きをいただきました。
Fマウントですが、自分もタムロンのレンズを何本か持っています。
写りは悪くないように思いますが、話を聞く限り、メーカー純正に比べて品質管理が緩いというか、ばらつきがあるように思えます。また、使っている部材も廉価なもので、耐久性が少々低めの印象があります。
タムロンが設計・製造したOEM/ODMであっても、純正品のほうが設計基準や検査が厳しく、ばらつきが少ない。その結果、価格が高くなるのでしょう。