正しい写真であることを証明する認証システム
写真の信頼性を証明するテストプログラムが完了したというプレスリリースが公開されています。どのようなプログラムだったのでしょうか?
それではプレスリリースをみてみましょう。
ロイターの新しい概念実証では、写真を安全に撮影、保存、検証するための認証システムを採用
東京、2023 年 8 月 31 日 — 世界的なコンテンツおよびテクノロジー企業であるトムソン・ロイター、キヤノン株式会社、イメージングおよび情報技術ソリューションの世界をリードするプロバイダーであるキヤノン・ヨーロッパ株式会社、およびスタンフォード大学に拠点を置く学術研究所であるスターリング・ラボ最新の暗号化手法と分散型 Web プロトコルで革新する USC は本日、報道機関が画像の信頼性を証明し、コンテンツの正当性に関する懸念を軽減する方法を実証するパイロット プログラムの完了を発表しました。
世界的な報道機関であるロイターはキヤノンと協力し、撮影時点から公開まで写真のデータ出所の整合性チェーン、つまり画像のメタデータを保持することで、写真にそのソースからの信頼を埋め込む能力を証明しました。ロイターはまた、Starling Lab の認証フレームワークを自社のピクチャー デスク ワークフローに統合することに成功しました。この技術の最初の実用的なニュース収集アプリケーションの 1 つであるこのパイロットは、インターネット上で本物のニュースと偽のニュースを区別する能力について消費者がますます心配しており、最近の生成 AI 技術の進歩によりそれが容易になっているときに行われました。視聴者を欺いたり、誤った情報を与えたりするビジュアルを誰でも作成できるようになります。
「ニュースに対する信頼は非常に重要です。しかし、画像の生成と操作における最近の技術の進歩により、何が本物で何が偽物なのか疑問を持つ人が増えています。ロイターは、世界に配信するコンテンツが事実に基づいており、信頼できるものであることを保証するための新しい技術を模索し続けています」とロイター・ピクチャーズのグローバル編集者リッキー・ロジャース氏は述べています。「キヤノンとの協業は、画像検証における新技術の可能性を実証し、見たものが本物であるという消費者の信頼を高めます。私たちは、このプロジェクトから得た心強い発見をお客様と共有し、それをフォトジャーナリズムの保護に応用できることを楽しみにしています。私たちの目標は、最も信頼できる世界的なニュースソースの 1 つであり続けることです。」
このパイロットプロジェクトでは、ロイターのフォトジャーナリスト、ヴィオレタ・サントス・モウラ氏がキヤノンのプロトタイプカメラを使用して写真を撮影し、各写真とそれに対応する時刻、日付、場所を一意の識別子(ハッシュ値)でデジタル的に割り当て、暗号化して署名して信頼のルートを確立しました。信憑性。その後、写真はパブリック ブロックチェーンに登録され、ロイターの写真デスクによって修正されるたびに更新されます。このプロセスは、新しいC2PA 標準を使用して写真にメタデータ、編集履歴、ブロックチェーン登録が埋め込まれた状態で写真が配布されるまで続きます。写真の信頼性を検証するために、ニュースの顧客は公開台帳上のその一意の識別子 (ハッシュ値) を比較できます。
「多くのフォトジャーナリストがキヤノンのテクノロジーに依存しています。「当社は画像が社会で果たす役割を理解しており、画像の信頼性を維持することの重要性を認識しています。」とキヤノンヨーロッパ株式会社製品マーケティングおよびマーケティング戦略シニアマネージャーのリチャード・シェパード氏は述べています。世界中のニュースコミュニティに役立つ画像出力を保護するための有意義な措置を講じること。」
https://global.canon/en/news/2023/20220831.html
上記はプレスリリースを機械翻訳したものになります。
さて、プレスリリースによれば、ニュースを配信しているロイターとカメラを開発しているキヤノン、その他企業や大学が、実際に撮影された写真が本物であるかどうかを確認する実証実験のプログラムを完了したとしています。すでに実証試験をしていて、それが完了したという報告になるようですね。
最近は画像処理ソフトも高性能になり、簡単に様々な加工が可能になっています。さらにAIが自動的に画像を生成することも簡単になってきているので、フェイクな画像が流通してしまう可能性は非常に高くなっていると考えることができますね。
例えば、裁判などでは様々な形跡が写真として撮影され、それが証拠として活用されています。もし、それらの写真がフェイク画像だったとしたら、無罪な人も有罪になったりしてしまう可能性も考えられます。なので、その写真が本当に撮影されたものであるかどうかを証明するのは非常に重要になってくると思いますね。
仕組みについてですが、このリリースからはよくわからないのですが、おそらく撮影した写真の時間、日付、場所、写真の特徴(たぶんハッシュ値)をWebにあるサーバに送信すると、それに対応する一意の何かしらのデータが返されるので、写真にそのデータを添付する形になるのではないのかなと思います。写真にあるデータを取り出して、サーバに問い合わせると、そこから時間、日付、場所、写真の特徴がわかるので、一致すれば正しい写真とみなすことができるという感じなのかなと思いますね。実際にはもっと細かくて、非常にざっくりした説明になりますが。
今後は動画も画像もとにかく何でも疑ってかからないといけない時代になるのかもしれませんね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
去年アドビとニコンが共同開発している、写真や動画の編集履歴を電子証明書として保存(添付)する「来歴記録機能」を試験的に搭載した「Nikon Z 9」と、既に同機能にβ対応している「Adobe Photoshop」を用いたデモンストレーションが行われていましたね。
画像の信頼性は報道分野だけでなく芸術分野においても非常に重要な要素です。
最近はAI(人工知能)による画像編集技術の著しい向上が取り沙汰されていますが、画像の加工処理は特にコンテスト関係では以前から問題視されています。
写真なのか、それとも写真を基に加工されたある種の絵画なのか。
日本では特にその境界が曖昧にされたままだと言われていますね。
今後こういった編集技術はそれまでと比べ物にならないくらい進歩していくでしょう。
撮影時点からデータの信憑性を高められる取り組みをメーカーが進めることは非常に重要だと思います。
この話は以前から出ていた様に思います。
実用化のめどが立ったようですね。
特に報道機関では重要な技術ですね。
恐らく撮影場所(GPS情報)、カメラ情報等、暗号化して画像データに埋め込んじゃうんでしょうね。
データを少しでも加工すれば埋め込んだ情報は消去、又は書き換えられるのかもしれません。
事件や災害があるとフェイク画像がネット上に出てくるのでそれを防ぐには良い技術ですね。
あらかじめデータの信憑性が分かります。